第18号 平成27年6月16日発行
一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会会報
巻頭言 | |
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第68回全国盲人福祉大会レポート | ・・・・・2 |
今月の動き | |
スポーツ協議会報告 あはき協議会報告 | ・・・・・5 |
バリアフリー分科会報告 生活分科会報告 職業分科会報告 | ・・・・・8 |
トピックス | |
おめでとうございます | ・・・・・8 |
今後の予定 | |
女性部研修会のご案内 | ・・・・・9 |
「さんにちEye」体験・研修会 | ・・・・・9 |
第2回役員会のお知らせ | ・・・・・10 |
福祉部研修会のお知らせ | ・・・・・10 |
文学散歩のご案内 | ・・・・・10 |
第41回全国盲人文芸大会作品募集 | ・・・・・11 |
山梨県立盲学校オープンキャンパス2015 | ・・・・・11 |
バリアフリー映画上映会のご案内 | ・・・・・12 |
視覚障害者のための社会適応訓練講習会 | ・・・・・12 |
各部より | |
桃源郷マラソン(ランナーズ) | ・・・・・13 |
「山視協だより」は赤い羽根共同募金の配分金により作成されています。
会長 堀口俊二
標記の大会が5月29日(金)〜31日(日)の3日間、岐阜市の都ホテル及び長良川国際会議場を会場に開催され、本県からは正副会長並びに山本理事、付添2名の計6名が参加しました。3日間とも天候に恵まれ、観光もちょっぴりしてみたいなあなどと後ろ髪を引かれながらも、予定通り全行程を終え無事帰路に着くことができました。添乗員役を引き受けていただいた山本理事、移動や食事など、何かと細やかに気を配っていただいた付き添いの方々に改めて感謝申し上げる次第です。
大会は「深めよう障害者権利条約の理解」、「許すな無免許マッサージの横行」、「広げよう視覚障がい者の職業領域」、「進めよう白杖の意義・安心して移動できる街づくり」の四つのスローガンの下、全国から1300名が集い3日間にわたって行われました。各分科会報告はこの後に譲り、ここではそれ以外で印象に残ったことを報告します。
まず、2日目の全国盲人代表者会議の午前の部に行われた、視覚障がい者の安全な外出と白杖と題したシンポジウムについて触れてみます。移動の手段として同行援護を利用している方、盲導犬利用の方、白杖による単独歩行を主としている方、歩行訓練に携わっている方計4名をパネリストとしてのパネルディスカッションの形で進められました。同行援護関係では、利用時間等の地域格差と、ガイドヘルパーの質の向上が重要な課題とのことでした。因みに、パネリスト(新潟市在住)は、月平均240時間利用しており、市に利用者の声を伝える中で、充分利用時間が担保されているとのことでした。一方、慣れないヘルパーと移動中、転倒してけがをした経験もあるそうです。盲導犬利用者からは、盲導犬と歩くようになってから一般の方に声をかけていただけることが増え、大変助かっているとの報告がありました。白杖による単独歩行の立場から発言したパネリスト(岐阜市)からは、現在展開中の白杖SOS運動について説明がありました。これは、白杖の持ち手が頭の高さになるくらいまで垂直に挙げ、困っていることを周囲の方に知らせ、援助をこうというもので、岐阜市では大分定着したので、今後は県全体、そして隣接の福井県にも理解の輪を広げていきたいとのことでした。また、理解を広げる手段として作成したシンボルマークも紹介されました。福岡県でも同様の運動を40年ほど前から展開しており、運動の輪を全国に広げていきたいとの投げかけがありました。白杖訓練に携わっているパネリストからは、白杖歩行には一人で歩ける自由が得られるという意義が大きく、同行援護や盲導犬を利用する場合でも、その基礎となるという点で重要であるとの発言がありました。一方、歩行訓練士のいない県がまだ18県あったり、訓練士の資格を取っても就職先がなく、資格が充分生かされない状況があるなどの問題点があることも指摘されました。移動の自由は視覚障がい者にとっての永遠の課題であり、このようなシンポジウムが全国大会の中で企画されたことに大きな意義を感じました。
午後の全体会では、3月の厚労省主管課長会議の場で、障害者手帳の両眼視力の和で障害等級を認定していた認定基準見直しにつき審議を始めたとの発表を受け、日盲連として視力の良い方の目の視力を本人の視力とするよう基準の見直しを要望する特別決議が提案され、満場一致で採択されました。
3日目には、全国盲人福祉大会が行われ、式典の後の大会議事で、平成27年度運動方針が承認された後、大会宣言案、決議案が採択され、大会の幕を閉じました。なお、平成28年度は青森県の主催で、5月20日〜22日の日程
で開催予定とのことです。以下は大会決議の要約です。
副会長 矢崎繁
大会初日に開催されたスポーツ協議会では、47団体の代表者の出席のもと、始めに第14回全国障害者スポーツ大会グランドソフトボール競技優勝旗が福岡県チームに授与され、その後研修会のテーマを「視覚障害者の健康管理について(メタボリックシンドロームと運動)」とし、講師に日盲連スポーツ協議会副会長濱野昌幸氏により行われました。
研修会では主な内容に「皮下脂肪と内臓脂肪の付き方、予防」について講演され、実際に視覚障害者にもできる運動として講師の指導のもと出席者全員で行なってみました。会長自ら予防すべきなどと、冗句を交えた和やかな研修となりました。
代表者会議では、平成26年度事業報告、事業活動収支計算書、監査結果報告、平成27年度の事業(案)、予算(案)が審議され、予算書の内容を備考欄を使い、分かりやすく記載してほしいとの要望もありましたが、すべて承認されました。
なお、通信競技大会につきましては、参加者も少ないことから今年度は行わないこととなりました。
副会長 広瀬清敏
標記の会は全国大会第一日目午後3時30分から5時まで開かれ、51の団体から代表者が出席しスタートしました。平成26年度事業並びに会計報告、平成27年度事業計画並びに予算案が協議の上原案通り承認され、続いてあはき問題戦略会議報告がありました。協議の内容をいくつか記載します。
以上抜粋し掲載しましたが日盲連のあはき問題に取り組む力は大きいと感じました。期待出来ると思いました。
副会長 矢崎繁
大会2日目のバリアフリー分科会では助言者を鈴木日盲連副会長を迎え出席58名により、安全な移動の確保3題、音響信号機・交差点8題、交通系ICカード3題、鉄道関係3題、鉄道運賃1題、自筆2題、高速道路割引2題、福祉有償運送2題、情報提供7題、公衆トイレ関係3題、家電製品関係3題、葉書1題、その他5題の43題が討議されました。
その他の「すべての点字図書館登録者が平等な負担でデイジー図書を読めるような環境整備を要望する。」についてはデイジー再生機器に関するものなので生活部会へ委譲することとして不採択となりましたが、生活部会では採択となりました。
「振動式信号機の開発、普及を要望すると音声信号機における音声稼働時間の延長を要望する」についてはこの二つを合わせる内容とし、それ以外の議案は、一部表現を修正しすべて採択されました。その中には本会の議案「歩道車道の分離されていない道路においても、視覚障害者の歩行の安全確保のため、点字ブロックやエスコートゾーン、音響式信号機の設置の拡大を要望する」も採択されています。
採択された議案は、今年度日盲連の国や関係省庁への要望事項とされます。
短時間なので一つ一つの議案について充分な意見交換ができなかったのは残念ですが、どの議案も切実な問題であることは確かです。運動の成果を期待したいと思います。
会長 堀口俊二
日盲連江藤副会長、及川副会長を助言者に迎え、大会2日目の午後行われた分科会では、各団体から46題の議案が提出され、41題が採択されました。中でも、同行援護関係が13題と最も多く、視覚障がい者の切実な問題であることが改めて浮き彫りになりました。自治体の福祉担当者など、サービス提供者側の資質の向上、同行援護従業者の資質の向上、同行援護従事者養成研修事業を地域生活支援事業の必須科目に、地域格差の是正、65歳以上の者にも同行援護を優先に、所得に応じた負担の撤廃、利用時間制限の撤廃、通勤や通学への適用を等が主な要望であり、いずれも採択されました。
2番目に多かったのが日常生活用具に関するもので、地域格差の解消、給付品目や耐用年数の見直し、デイジー再生機の給付対象拡大等が提案され、採択されました。次に多かったのが、視覚障がいリハビリテーションに関するもので、歩行訓練士の養成と配置、リハビリテーション事業の国としての制度化等が提案され採択されました。医療と福祉関係では、入院時の世話に関する看護補助者の業務の充実と教育の充実及び、その増員要望が提案され採択されました。なお、障がい者福祉制度関係で本会より提案した、重度障害者医療費窓口無料化の国における制度化若しくは、それを行う自治体へのペナルティー撤廃要望についても、満場一致で採択されたことを申し添えます。議案が多いので、概要の報告とさせていただきますが、ほとんどが本会における課題でもあり、他団体と情報交換しながらその解決に取り組んでいくことの大切さを痛感しました。
副会長 広瀬清敏
大会2日目の午後行われた職業分科会ではあはき関係9題、一般就労5題、医療保険関係3題、職場介助関係2題、無資格関係4題、その他1題、計24題の提出議題に協議が行われ、保留1題、一部文言の削除があり、すべての議題が採択されました。その中から結果の出たもの、大きく動いているものなど三つほど紹介します。
以上ですが全国からの三療に関わる英知が集まり希望を感じました。
部長 藤野ます子
女性部では 第2回研修会を 次の日程により開催いたします
パソコンクラブ 部長 梶原 剛
パソコンクラブでは、「さんにちEye 山梨日日新聞電子版」の体験・研修会を行います。「さんにちEye」は、山梨日日新聞の記事をパソコンなどで読むことのできる有料サービスです。「さんにちEye」を利用すると、山日に掲
載されているおくやみなどの記事を自由に読むことができます。
県下の視覚障がい者は、どなたでもご参加いただけます。皆様のご参加をお待ちしております。
事務局長 矢崎繁
第2回役員会を次の日程で行います。何かとお忙しい折かと思いますが、役員の皆様はご出席くださいますようお願いします。なお、欠席の際は事務局までご連絡をお願いします。
なお、議題等につきましては次号に掲載する予定です。
部長 市瀬實
福祉部では本年度講演会のテーマとして、近く国が実施する「マイナンバー制度」を取り上げます。この制度の便利な点、問題点を公正中立な立場で話せるのは行政の人では無理と言う部会の見解で、堀口担当に相談したところ、日盲連の鈴木孝幸副会長が講師に決まりました。ユーモアと軽妙な語り口でお馴染みの鈴木講師のお話を聴きに、当日一人でも多くの来場をお待ちしています。
体育文化部部長 埜村和美
標記事業を、次の通り開催します。詳細は、次号に掲載します。
詳しい要綱等必要な方は事務局までお願いします。
視力が弱いために適当な進路が見つからない、突然の視力低下に伴い現在の仕事が難しくなっている方、就職問題で悩んでいる中途視覚障害の方やそのご家族の皆様などに学校公開、入学希望者に対する説明会が行われます。
主催 山梨県視覚障害を考える会 共催 公益社団法人日本眼科医会後援 日本ロービジョン学会 山梨県
ランナーズクラブ事務局 折井實
実に春麗、気温といい、湿度といい最高の条件で第31回南アルプス桃源郷マラソン大会の号砲が鳴りました。
スモモの花は満開、ピンク色となった桃の蕾、こんな最高のロケ―ションの中、ハーフから3Kまでのさまざまなコースに7千余人がエントリーしました。比較的平坦な走りやすいコースが設定されています。甲府盆地を見下ろし、その向こうの御坂山地の上には雪をかぶった富士山が見えます。地元の和太鼓の応援や、農作業の手を休め、旗を振ってくださる人達、飴やチョコレートを差し出てくれる人、おいしいアルプスの水も配ってくれます。皆それぞれのペースでゴールを目指しました。
この大会は歴史があり、由緒ある大会です。全国的にみても東京の青梅マラソンに匹敵します。むろん県内では最古参です。かつては、「白根桃源郷マラソン」と言いました。メイン会場と、コースは基本的に変わっていません。大きく変わったのは参加人数と名称です。参加者は1万数千人のマンモス大会でした。現在県内には16のマラソンや、ウォーキング大会がありますが、当時はこの大会だけでした。県外から多くの参加者がありました。その後南アルプス市となり現在の「南アルプス桃源郷マラソン」となりました。全国的にみても、市民マラソンの草分けと言えます。
県内で後発の一宮桃源郷マラソンがあります。毎回同日開催なので、アスリートとしてはどっちに参加するか迷ってしまうところです。皆さんも健康づくりに来年は地元の大会を見学方々参加してみてはいかがでしょうか。
私も日盲連岐阜大会に参加し、初日のタクシーの運転手さんから聞いた長良川の鵜飼いについて書きます。皆さんはご存知でしたか。長良川における鵜飼は日本で唯一皇室御用の鵜飼であり、長良川の鵜匠は職名を宮内庁式部職鵜匠といい、国家公務員とのことです。半面笛吹川の鵜匠は高校生のアルバイトとか。長良川の鵜匠は世襲制で受け継がれて現在は6人だけだそうです。伝統文化と言うところでしょうか。梅雨時を迎え、やや気落ちする季節となりましたがお元気でお過ごしください。
(事務局長 矢崎繁)
山視協だより 平成27年6月号
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山梨県福祉プラザ1階
発行責任者 会長 堀口 俊二
編集責任者 事務局長 矢崎 繁
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FAX 055−251−3344
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