第136号 令和7年4月15日発行
一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会会報
巻頭言 | |
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「視野障害者の安全運転支援プロジェクトセミナー」に参加して | ・・・・・2 |
行事報告 | |
第4回役員会報告 | ・・・・・3 |
今後の予定 | |
令和7年度バリアフリー要望箇所について | ・・・・・5 |
令和7年度第1回環境調査について | ・・・・・6 |
令和6年度音響式信号機とエスコートゾーン設置個所について | ・・・・・6 |
事務局よりお知らせ | |
定期総会と午後の講演会のお知らせ | ・・・・・7 |
記念誌原稿募集 | ・・・・・7 |
訃報 | ・・・・・8 |
編集後記 | ・・・・・8 |
「山視協だより」は赤い羽根共同募金の配分金により作成されています。
会長 埜村和美
国内の失明原因で最も多いといわれているのが緑内障で、40歳以上の20人に1人が緑内障であると報告されています。緑内障はゆっくり進行し、痛みもなく、多くの場合は末期になるまで中心視力が保たれ、自覚症状がありません。そのため視野狭窄があることに気づかず、車の運転を続けるケースがあります。眼科では3月9日から15日の1週間を「世界緑内障週間」と定め、緑内障を正しく理解し、未治療をなくすことに力を入れています。緑内障週間時には病院や眼科の医院で、グリーンにライトアップして啓蒙しているところもあるとのことです。
緑内障は定期検診などで病気を発見し、治療をおこなうことにより、進行が遅くなり、失明する怖い病気ではなくなります。また、安全に運転を続けることを希望するためには、自身の見え方を知ることが最も重要です。
セミナーでは、ドライビングシミュレーターを使用して安全運転の指導をしている「運転外来」の最新のデータを検証しながら、緑内障について学びました。主催は公益社団法人NEXT VISIONで、講師は國松志保氏(西葛西・井上眼科病院 副院長)で、私はオンラインでの参加でした。
緑内障は眼圧が正常だったり視力が良いので本人が気がつかないうちに進行し、ドックなどで診断されることも多い病気です。そして70歳代では、9人に1人が罹患するといわれています。
交通事故を1件でも減らしたいという願いから、2019年7月に、西葛西・井上眼科病院に「運転外来」が設置され、続いて新潟大学病院そして神戸アイセンター病院にも開設されました。またこの春には、名古屋市立大学東部医療センターでも、「運転外来」がスタートするとのことです。
ドライビングシミュレーターの内容としては、どのような運転画面でリスクがあるのかを認識し、注意することにより、運転事故を減らしたいというものです。眼科の外来でのシミュレーターとして、据え置き型の視線追跡装置を使い、どこを見ていたかを記録しながら調べるものです。練習コースが2分間・評価コースが5分間で、場面については視野が狭いと起こりうるケースを15個作り、ここをスピードが一定でハンドル操作がなく、危ないと判断した際にブレーキをかけてもらうシンプルな作りになっています。患者さんとはこの調査結果を共有してもらい、視野を広げるような目の使い方を、医師のアドバイスを受けながら学ぶものだそうです。運転する家族や友人が以下のようなことを言うようになったら、緑内障を疑い、早急に眼科を訪れてほしいと思います。
自分の見え方を正しく把握し、悲惨な交通事故を1件でも減らすためにも、近隣の医療機関に「運転外来」が設置されていくことを望みます。
事務局長 小林誠
3月23日、午後1時より、今年度4回目の役員会を地域づくり交流センターの大会議室にて行いました。
埜村会長のあいさつに続き、事務局から昨年12月以降の経過報告があり、承認されました。続いての議題からは、定期総会に向けての議題となります。
始めに令和6年度の事業報告と収支決算が事務局より提案されました。
徐々に書き損じはがきの寄付額が減少しているようだが、以前に比べるとどのくらいの金額が目減りしていますか?との質問があり、書き損じはがきの減少に加え会費の減少額を加えると120万円になります。これが基本金から100万円を取り崩す根拠となる数字です。と事務局が答えています。これ以上の意見、質問はなく、令和6年度の事業報告と決算報告は承認されました。
次の議題では、このような経済状況の中で、どのような対策をして行くかについて話し合いしました。一つ目は、「書き損じはがき」を今後どうしてゆくのかについて埜村会長から、真愛センターとのやり取りの中で、最終的には、山視協独自でこの事業を受け継いでもよいとの承諾をいただいています。という報告がありました。
二つ目は、同行援護事業を本会が運営したらどうか。この収支の分岐点について事務局長より報告があり、サービス利用者の数に十分とは言えないところがあり、検討を重ねてゆく必要があるとの結論でした。
三つ目の対策として、会計から、書き損じはがきを続けていく他に寄付の強化としてホームページや「山視協だより」などで広く寄付を呼び掛けたり、総会の時などに募金箱を設置する、遺贈制度を活用するための登録をするとか、イオンの黄色いレシートに申し込むとかを考えています。啓発事業の展開として会員の確保のためにも今後ビジョンサロンを開催する予定です。会員だけでなく今病気になり始めている人たちとの交流の場になればと思っていますので山視協の啓発事業として認めてもらいたいと思います。
甲斐ひとみネットとか視覚障害を考える会などとも連携してビジョンサロンを紹介してもらえればと思います。
意見の募集とか事業の提案を広く会員から集めて魅力ある会にするためにメールなどを利用して意見を集めるシステムを作って検討してはどうかと思います。
これに対し、多くの役員から賛同する意見が聞かれ、総会においても取り上げてゆくことになりました。
次の議題として、令和7年度の運動方針、事業計画、予算について事務局から提案されました。意見として、5の組織拡充のところに新しく決まったビジョンサロンのことを加えてはいかがでしょうか。スマホのサポートを各行事の昼休みなどにやっているという1文を行事の通知に入れてほしいという意見がありました。これらの意見を取り入れて運動方針、事業計画を提案することとなりました。
続いて、定期総会の次第と役割担当について事務局から提案があり、承認されました。
次に、総会終了後、災害時の対応について講演会を予定しているので、一人でも多くの方の出席をお願いしたいと事務局から要請がありました。
最後に創立70周年記念誌担当の小田切理事より、原稿を募集していますので、皆さん、よろしくお願いしますとのことでした。
以上が第4回、役員会報告でした。
福祉部部長 角田政樹
例年通り、県道路管理課・県警交通規制課に対し、要望活動を行いたいと思いますので、各支部長さんは、点字ブロック・エスコートゾーン・音響式信号機の新設・改修箇所等を取りまとめ、5月末までに福祉部部長(角田政樹)まで提出をお願いいたします。
携帯 090-1848-7091
※勤務中は電話が取れないため折り返し連絡になります。
メール masaki-0408@ezweb.ne.jp
※尚、上記連絡先に連絡が取りづらい場合は事務局までご連絡下さい。
福祉部部長 角田政樹
皆さんこんにちは。福祉部です。
6月15日に、第1回環境調査を実施します。本年度も昨年同様、会員様からの要望箇所を会員様とともに調査したいと思います。第1回は生活バリア(セルフレジ等)について調査したいと思っております。ただ、交通バリア(点字ブロック・エスコートゾーン等)について困っている方があるならば、そちらでも構いません。是非、要望をよろしくお願いいたします。
要望先 090-1848-7091(角田携帯)
※勤務中は電話が取れませんので折り返し連絡になります。
要望〆切 4月30日(水)
福祉部部長 角田政樹
事務局長 小林誠
令和7年度定期総会を次の通り開催致します。一人でも多くの会員のご出席をお願い致します。
副会長 小田切浩子
2月の「山視協だより」でもお知らせしましたが創立70周年記念誌の原稿を募集しています。各部の部長さん、支部長さん、クラブ長さん、すでに提出していただいた方、ありがとうございました。
会員のみなさまも、記念誌に自分の今の想いを記してみませんか。
テーマは何でも良いです。文字数も制限がないので、川柳、短歌、俳句など自由にお書きください。いつでも、何度でも読み返すことができるのも楽しみになるかと思いますのでご協力お願いします。
最近のAI技術の発展は、目を見張るものがあると驚かされていると実感されている会員もいることでしょう私もその一人ですが。またまた新しいニュースがありましたので、お伝えします。
タイトル:指さしでテキスト表示&音声読み上げ 日本発のウェアラブルデバイス企業がAIを活用した視覚情報サポート
ViXion株式会社は、視覚障害者や弱視の方々の日常生活をサポートする新しいAI技術を開発しました。この技術搭載のデバイスを装着して周囲の物体を指さすと、文字をリアルタイムで認識し、音声で読み上げます。同社は暗所視支援眼鏡「MW10 HiKARI」への実装を視野に入れており、視覚に課題を抱える人たちの自立した生活を包括的にサポートすることを目指しています。
ViXionは、東京都が推進する「5G技術活用型開発等促進事業」の支援のもと、AI技術を活用した視覚情報サポート技術を開発しました。
この技術を実装したデバイスを装着すると、日常生活における周囲の物体や文字情報を認識し、音声で案内することが可能です。視覚情報だけに頼らずに周囲の状況を把握できるため、視覚障害者や弱視の方々にとって大きな支援となることが期待されています。
このAI技術の中でも「ゆびさしアイ(AI)」は特徴的な機能です。ユーザーが指差しで対象を選択すると、AIがリアルタイムで認識し、画面にテキストが表示されると同時に音声案内が流れます。商品や物品の選択、周囲の状況把握を視覚情報だけに頼らず行えるようになり、視覚障害者や弱視の方にとって、自立した生活への大きな支援となります。
今後、ViXionは「ゆびさしアイ(AI)」技術を「MW10 HiKARI」へ実装することを視野に入れています。これにより、暗所でも明るく広く見るだけでなく、周囲の状況を知る支援までを含めた、包括的な視覚サポートを実現することを目指しています。同社は「特に夜盲症や弱視の方々に対し、これまでにない形での生活の質向上に貢献できる」とコメントしています。
MW10 HiKARIは、ViXion開発の暗所視支援眼鏡です。独自開発の高感度カメラを搭載しており、わずかな光を増幅し、自然な色彩で映像を再現することで、夜盲症や視野狭窄など、暗所での視認が困難な方々の生活をサポートしています。
2種類のカメラレンズを搭載しており、手元を的確に捉える「標準カメラレンズ(水平最大27度)」と、景観などをワイドに視認できる「広角カメラレンズ(水平最大142度)」を目的に合わせて使い分けることができます。また、色調は標準(カラー)、ハイ・コントラスト(白、黄色強調)、白黒(単色/反転)に変更可能で、暗所でも昼間のように、カラー(約1677万色)で画像を再現できます。
この技術は、視覚障害者の方々がより自立して生活を営むための支援を目的としています。同社は展示会等での技術デモを通じてフィードバックを収集しながら、外部提供や製品への実装に向けた検討を進めていく予定です。
一刻も早い実用化が望まれますね。
(事務局長 小林誠)
山視協だより 令和7年4月号
発行人 一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会
〒400−0005 山梨県甲府市北新1−2−12
山梨県福祉プラザ1階
発行責任者 会長 埜村 和美
編集責任者 事務局長 小林 誠
電話 055−252−0100
FAX 055−251−3344
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