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山視協だより  令和6年11月号


第131号 令和6年11月15日発行
一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会会報

目次
巻頭言
避難所のTKBとは・・・・・2
行事報告
体育文化部研修に参加して・・・・・4
今後の予定
第56回県下視覚障がい者文化祭のお知らせ・・・・・5
就労生活部研修会開催のお知らせ・・・・・5
トピックス
援護功労者等知事表彰・・・・・7
第23回全国障害者スポーツ大会「SAGA 2024」の結果・・・・・7
支部だより
山梨市支部・・・・・7
事務局よりお知らせ
障害者の主張大会観覧者募集・・・・・8
買い物時の合理的配慮の提供に関するアンケート結果・・・・・8
編集後記・・・・・9

「山視協だより」は赤い羽根共同募金の配分金により作成されています。

巻頭言

避難所のTKBとは


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会長 埜村和美

 1707年10月28日 南海トラフ地震「宝永地震」が発生し、49日後には富士山も噴火しました。宝永地震から300年以上経過した今、南海トラフやその他の巨大地震が心配されます。年頭に地震が発生した能登半島は9月にも豪雨に見舞われ、仮設住宅まで流される辛酸を舐めました。
今回は、避難所のTKBについて書いてみます。これらの頭文字は、トイレ・キッチン・ベッドの略です。提言をまとめたのは、避難所・避難生活学会の医師や専門家たちで、近年の地震により避難所生活が原因の災害関連死が相次いだことを受けてTKBの必要性を感じたといいます。提言では、「快適で十分な数のトイレ」「温かい食事」「簡易ベッド」の提供が必要だとしています。

T:トイレの課題
以前の災害では、仮設トイレは地震の翌日に届きましたが、多くの人が使うため、並ぶ上にすぐに汚れます。入り口には急な段差があり、しかも和式のトイレでした。このため、高齢者や女性を中心にトイレに行く回数を減らそうと水や食事を控える人が多かったそうです。このことが、多くの人の健康状態の悪化につながりました。
K:キッチンの課題
西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山県倉敷市真備町の避難所で避難生活を送った一人は、4か月間ほぼ毎日同じような食事が続いたと言います。朝は昆布と鮭、明太子のおにぎり。昼はメロンパンやレーズンパンなど3種類のパン。夜は弁当の繰り返しでした。当初は電子レンジもなく、冷たいまま食べていました。ボランティアなどによる炊き出しは、限られていたといいます。
B:ベッドの課題
以前は災害時よく目にした床の雑魚寝が課題になりました。廊下まで人があふれ、スペースは寝返りを打つのも難しいほどでした。さらに、横になっている人のすぐそばを別の人が歩き、床から舞うほこりを吸い込みやすくなります。動きにくいことが原因で、「エコノミークラス症候群」となって病院に運ばれた人も相次いだといいます。

避難所・避難生活学会は避難所TKBを導入している海外の事例として、日本と同様に繰り返し大地震に見舞われているイタリアの例を挙げています。数年前のイタリア中部の大地震では、避難した被災者のため発生から48時間以内に広くて掃除がしやすいコンテナ型のトイレが整備されたほか、家族ごとにテントとベッドが支給されました。
避難所ではキッチンカーが配置され、被災直後から調理師の手になる温かいパスタが提供されました。これは国がTKBを備蓄したうえでボランティア団体に指示を出し費用を負担する仕組みが整えられているためだそうです。
最近、日本でもTKBを導入する動きが被災地の現場で始まっています。
 まずトイレですが、北海道のコンテナメーカーが開発した水洗トイレで入り口はスロープから上がれます。さらに洋式トイレのため高齢者も躊躇なく行くことができたと言います。次にキッチンですが、倉敷市真備町のある避難所では、施設のキッチンを利用して、温かい食事の提供を始めました。温かい食事だけでも精神的に楽になったと喜ばれました。また民間の会社で日本版のキッチンカーを開発しようという動きも進んでいます。
そしてベッドですが、今は各地の避難所で導入されているのが段ボールベッドです。北海道の地震ではある避難所に地震後3日でこのベッドが設置されました。日本赤十字北海道看護大学が備蓄していたため迅速な導入につながりました。
段ボールベッドは、床から舞うほこりを吸い込みにくいため、衛生的な環境を保てるほか、床から伝わる冷たさを防いだり、椅子代わりに腰掛けて使えたりする利点もあります。国が責任を持ってそれぞれの自治体の避難所のTKBを整備し、専門的知識を持ったボランティアなどとの連携を保つことが被災地の生活をより快適にするために最も重要であると言えます。
以下に視覚障がい者の避難時に必要な持ち出し品を記します。
1 白杖(破損した時用に、予備の白杖も必要)2 内服している薬とお薬手帳 3 めがねやルーペ 4 時計 5 点字板やメモ用録音機 6 笛・ブザー 7 ラジオ 8 携帯電話 9 障害者手帳 10 家族の写真(避難所などで、家族を捜してもらうため)

行事報告

体育文化部研修に参加して


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甲斐支部 金子真斗

 日本科学未来館では、「AIスーツケース体験」をしました。視覚障がい者向けのキャリーケースでタッチセンサーがついており、周囲を認識して人や障害物など回避しながら目的地まで案内するというシステムです。AIロボットも進化する時代がこの先来れば視覚障がいの有無に限らず、便利になると思いました。
 築地では、すしざんまいで昼食を食べました。築地の寿司は美味しいという噂を聞いていたのですが、実際に食べたら、高級な感じでとても美味しかったです。
 浅草観光では、観光客がたくさんいて、特に外国人が多かったので、僕たちがどこかの国に来たかのような感じで賑やかで楽しかったです。今回初めて参加できて良かったのと、こういう機会を通して、いろんな人との交流を深めることや体験ができたことが幸せでした。また、次回の企画にも参加させて頂けたら嬉しいし、とても楽しみにしています。

今後の予定

第56回県下視覚障がい者文化祭のお知らせ


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体育文化部 部長 角田貴弘

文化祭の詳細をお知らせします。

日時 12月1日(日)10:00〜15:00(受付9:30)
場所 やまなし地域つくり交流センター(エミフル)4階大会議室
内容
午前の部 ・点字の世界を広げよう(パネルディスカッション)
午後の部 ・文芸選評(短歌 俳句 川柳)
文化講演会
演題 見えない壁だって乗り越えられる
講師 小林幸一郎 
クライマー NPO法人モンキーマジック代表理事 
日本パラクライミング協会代表

 講演会はハイブリッド方式で行いますのでオンライン希望の方は11月24日(日)までに事務局小林(055-252-0100)までお申し込みいただき、当日は12時45分〜13時までにオンラインに入ってください。
皆様の多くのご参加をお待ちしております。

就労生活部研修会開催のお知らせ


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就労生活部長 酒井弘充

 就労生活部では12月15日(日)14時〜16時に県立地域づくり交流センター「エミフル」4階大会議室において「成年後見制度の概要」というテーマで研修会を行います。当日は会場とオンラインのハイブリッド形式で開催予定です。
 講師は、一般社団法人コスモス成年後見サポートセンター山梨支部の渡邊淳様をお招きして実施します。渡邊様は行政書士会の中にある成年後見の責任者をされておられる方です。
 認知症などの理由で、ひとりで決めることが心配な方々は、財産管理(不動産や預貯金などの管理、遺産分割協議などの相続手続など)や身上保護(介護・福祉サービスの利用契約や施設入所・入院の契約締結、履行状況の確認など)などの法律行為をひとりで行うのがむずかしい場合があります。また、自分に不利益な契約であることがよくわからないままに契約を結んでしまい、悪質商法の被害にあうおそれもあります。このような、ひとりで決めることに不安のある方々を法的に保護し、ご本人の意思を尊重した支援(意思決定支援)を行い、共に考え、地域全体で明るい未来を築いていく。それが成年後見制度です。
 まだまだ自分には関係ないと考えておられる会員も多いこととは思います。ただし、銀行窓口等で契約者が認知症を発症していることがわかると、銀行は本人の財産を守る手段として「口座凍結」をします。口座凍結が行われると預金の引き出し、解約は一切できなくなります。口座名義人本人のために預金を利用する場合(介護費用の支払いや施設入居の支払い)だとしても引き出しはできません。
 これらの諸問題を解決するのが成年後見制度です。いまのうちにその制度の概要を知っておくことはとても大切なことと思います。オンラインで参加をご希望の方は以下のアドレスへ12月10日(火)までに申し込んでください。その際には氏名とZoom接続するメールアドレスをお知らせください。たくさんの会員の参加をお待ちしています。
申し込みメール kobayashi@sanshoukyou.net

トピックス

援護功労者等知事表彰


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11月8日(金)、よっちゃばれ広場で行われた第11回山梨県障害者芸術・文化祭の開会式の席上、今年度の標記表彰式が行われ、名取利一様(援護功労者)と佐藤学様(自立更生者)に表彰状が授与されました。

第23回全国障害者スポーツ大会「SAGA 2024」の結果


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標記大会が佐賀県にて10月26日(土)〜28日(月)開催されました。陸上競技の100mと200mに会員の白濱顕子さんが出場し、両種目とも1位でした。

支部だより

山梨市支部


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支部長 埜村和美

山梨市視覚障がい者福祉協会は少人数ではありますが、研修を開催しながら親睦を深めています。本年度の総会は、6月19日(水)に市役所の501会議室を会場に、市の福祉課課長とそのリーダーをお招きして開催しました。
総会後は、本年度第1回目の研修として、山梨市出前講座「デマンド型交通を利用してみよう」を学習しました。市内のバス路線の利用者が減少する中、4月18日から実証期間に入ったこのシステムについて、総務課の職員から説明を受けました。電話やスマホのアプリによるバス利用の予約先が東京になっていることから、地元の受付にしてほしいことや盲導犬使用者の利用も認めてほしいなどの要望が出されました。
2回目の研修は、10月18日(金)街の駅において宮澤賢治作品『双子の星』の朗読鑑賞とオカリナの演奏を楽しみました。演奏会では私たち会員もそれぞれに鳴り物を担当し一緒に演奏を楽しみました。令和7年1月17日(金)は寒さで運動不足になりがちなので講師をお呼びし体操教室を企画しました。3月には社会福祉協議会に登録している朗読会の皆さんとの交流会を予定しています。市に対しては6月27日にタクシー券の増数を要望しました。これからも会員同士手を携えて視覚障がい者が暮らしやすい社会を手に入れられるよう要望活動を続けていきたいと思います。

事務局からのお知らせ

第35回山梨県障害者の主張大会観覧者募集


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開催日時 12月7日(土)午後1時30分から
開催場所 山梨県防災新館4階409から411会議室
観覧は事前申込となっております。12月3日(火)までに電話(055-252-0100)でお申し込みください。
当日は噴水広場側の入口からの入場となります。地下駐車場からのエレベーターは1階までとなっております。ご注意ください。

買い物時の合理的配慮の提供に関する障害者向けアンケート結果


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(視覚障害関連全体の12%)

困る場面
会計 セルフレジの増加で、会計をするのが困難になった。
商品の位置 店員の数が減少し買い物のサポートが受けにくくなった。
移動 公共交通機関を利用して移動できるところにお店が少ない。
サービス 家事支援のヘルパーが少なく、希望するときに支援が受けられない。
設備 多目的トイレが未整備だったり、段差があったり、出入り口が分かりづらい店がある。

編集後記


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 先月号の編集後記にも「らくらくスマートフォン」について書きましたが、新たな情報がありましたのでお伝えします。
FCNTは10月31日、主にシニア層をターゲットとする「らくらくスマートフォン」の新モデルを発表した。NTTドコモ向けモデルの他、ソフトバンク(Y!mobileブランド)向けモデルとMVNO向けモデルも用意することで、ユーザー層を広げる。
NTTドコモ向けモデルの「らくらくスマートフォンF-53E」は「らくらくスマートフォンF-52B」の後継モデルで、従来のらくらくスマートフォンのコンセプトやユーザーインタフェース(UI)を引き継ぎつつ、プロセッサ(SoC)やディスプレイなどのスペックを引き上げたことが特徴だ。来年1月の発売を予定しており、10月31日から予約を受け付けている。
「らくらくスマートフォンa A401FC 」は、Y!mobileブランド向けとしては初のらくらくスマートフォンとなる。11月7日の発売を予定しており、Y!mobileオンラインショップでの販売価格は3万1,680円だが、MNPで購入する場合に限り9,800円に値引きされる。
「らくらくスマートフォンLite MR01」は、FCNTとしては初めてとなるMVNO向けのらくらくスマートフォンで、かんたんHELPOとうごくまの特典が付かないことと、プリインストールアプリが一部異なること以外はA401FCと同一スペックとなる。12月1日から順次発売の予定で、価格は販路によって異なる。
本モデルの主な販路は以下の通り。
MNO、NTTドコモ(ドコモショップ限定で取り扱い)、MVNO、インターネットイニシアティブ(IIJmio)、H.I.S Mobile、QTnet、TOKAIコミュニケーションズ(LIBMO)、ニフティ(NifMo)
量販店/ECサイト(★印はECサイトでのみ取り扱い)
エディオン、コジマ、ストリーム(ECカレント)、ソフマップ、ビックカメラ、MonotaRO★、ヤマダデンキ★、ヨドバシカメラ、Amazon.co.jp★
なお、各機種の読み上げ機能などについては、以下にお問い合わせください。
FCNTサポートセンター(0120-466-966)
受付時間9時〜17時(土日祝日、指定の休業日を除く)

(事務局長 小林誠)

     山視協だより  令和6年11月号
発行人 一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会
〒400−0005 山梨県甲府市北新1−2−12 山梨県福祉プラザ1階 
      発行責任者  会長   埜村 和美
      編集責任者  事務局長 小林 誠
       電話 055−252−0100
       FAX 055−251−3344
       http://yamashikyo.sakura.ne.jp      


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