第34号 平成28年10月14日発行
一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会会報
巻頭言 | |
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守らなければならないあはき法第十九条 | ・・・・・2 |
今月の動き | |
体育文化部 文学散歩報告 | ・・・・・4 |
心に残った運動会 | ・・・・・4 |
今後の予定 | |
「ふれあいマーケット」に職業部参加 | ・・・・・5 |
県下視覚障害者文化祭のご案内 | ・・・・・6 |
第3回役員会及び職業部講演会の日程・会場について | ・・・・・6 |
関ブロ埼玉県大会のご案内 | ・・・・・7 |
支部だより | |
富士河口湖支部 | ・・・・・7 |
トピックス | |
おめでとうございます。 | ・・・・・8 |
事務局より | |
杉山和一記念館 建設募金の再募集について | ・・・・・8 |
第27回障害者の主張大会の作文募集 | ・・・・・8 |
一筆の主張(川柳・詩)の募集 | ・・・・・9 |
「山視協だより」は赤い羽根共同募金の配分金により作成されています。
会長 堀口俊二
夕方5時を回るとあっという間に暗くなり、まさに秋の日はつるべ落としだなあと実感するこのごろですが、皆さんお変わりありませんか?これから晩秋に向かう季節はどことなく心にしみるものを感じる私です。
さて、今月は、あはき業に関わる重大な動きがあったので報告します。平成医療学園グループが行なった健常者のあん摩マッサージ指圧師(以下あマ指師)養成施設の新設申請を、厚労省があはき法第十九条を根拠に不認定としたことに対し、その処分の取り消しを求め、国を相手取って訴訟を起こしたというのがその内容です。
ご存じの方も多いかと思いますが、確認のため以下に第十九条の条文を記します。
「当分の間、文部科学大臣又は厚生労働大臣は、あん摩マツサージ指圧師の総数のうちに視覚障害者以外の者が占める割合、あん摩マツサージ指圧師に係る学校又は養成施設において教育し、又は養成している生徒の総数のうちに視覚障害者以外の者が占める割合その他の事情を勘案して、視覚障害者であるあん摩マツサージ指圧師の生計の維持が著しく困難とならないようにするため必要があると認めるときは、あん摩マツサージ指圧師に係る学校又は養成施設で視覚障害者以外の者を教育し、又は養成するものについての第二条第一項の認定又はその生徒の定員の増加についての同条第三項の承認をしないことができる。」
条文にあるように、これは健常あマ指師の無秩序な養成によって視覚障がいあマ指師の生計の維持が困難になってしまうことを防ぐいわば歯止めの条項で、昭和39年に法律に盛り込まれたものです。以来、健常者のはりきゅうの養成学校は全国に多数あるのに対し、あマ指師のそれは増えていないのはこのためです。
ところが、平成医療学園側では、「改正法が施行されてから50年以上経過し、視覚障害者を取り巻く雇用環境は大きく改善し、あマ指師やはりきゅう師以外の道が開けていること、健常者の志望者が多いこと」などを理由に、不認定は職業選択の自由を保障する憲法第二十二条に反するとして、大阪・東京・仙台の各地方裁判所で訴えを起こしました。
しかし、視覚障がい者の雇用環境はほとんど改善されておらず、大多数の視覚障がい者があはきで生計を立てているのは厳然たる事実です。加えて、無資格医業類似行為者の横行により、以前に増して視覚障がいあマ指師の生計は著しく圧迫されており、平成医療学園の言い分は到底受け入れられるものではありません。
日盲連としても、全日本視覚障害者協議会、日本理療科教員連盟など視覚障がい関連団体とともに立ち上がり、各地で行われた第1回口頭弁論の傍聴席に会員多数を送り込み、十九条を断固死守する姿勢を示しました。
私も、本会代表として28日の東京地裁の傍聴行動に参加しました。参加者が傍聴席の定数を超えたため抽選が行われ、くじ運の悪い私は残念ながら法廷に入ることはできませんでしたが、今回の主たる内容は今後の手続きの確認だったようです。この後来年の4月までの間に3回の口頭弁論が予定されており、踏み込んだやり取りはこれからといったところですが、余談を許さない状況であることは間違いありません。閉廷後、参加団体の代表による話し合いが行われ、10月14日に関係団体代表者による対策会議を開催し、各裁判に対する見解や法律的な問題、声明の発出、体制作りと資金等について協議することを確認しました。
今後様々な形で運動を展開していくこととなりますが、本会としてもこれ以上視覚障がいあマ指師の生活が脅かされることのないよう、日盲連加盟団体としてできる限りの協力をしていきたいと思います。皆様方にも署名活動や募金など要請があった場合にはお知らせ致しますので、その折は是非ご協力のほどよろしくお願いします。
先人たちが築き上げてきた、現時点では視覚障がい者の適職ともいうべきあん摩マッサージ指圧業を、これからの後輩たちのためにも皆様方とともにしっかり守っていきましょう。
岡部恵子
体育文化部では、9月11日(日)に浜松市楽器博物館と焼津海産物魚センターを見学したり、買い物をしたりと楽しんできました。楽器博物館には世界の楽器(1300)が展示してあり、備え付けのヘッドフォンでそれぞれの音を聞くことができました。
また、体験コーナーでは、実際に叩いたり爪弾くなどして楽しむことができとても良かったです。帰りの車中では、昨年会員から声のあった、塙保己一について、テープ(13分)を聞きました。心配していた雨も降らず、皆それぞれ楽しかったとの感想をいただきながら帰路につきました。
古屋幸子
10月2日は心配していた雨も降らず、暑いくらいの運動会でした。今年は新しい種目ができて、とても楽しかったです。見えない人のために、どの種目もよく考えられていると思いました。ほとんどの種目に参加したので忙しかったけど、たくさんの賞品をいただきました。どの賞品も、毎日の生活に役に立つものばかりで、うれしかったです。お昼はシートの上でおしゃべりをしながら、お弁当をおいしくいただきました。来年も、ぜひ参加したいと思います。
職業部長 酒井弘充
職業部では、昨年度に続いて職業部員による、小瀬スポーツ公園で行われる県民の日記念行事のひとつである「ふれあいマーケット」にマッサージコーナーを出して参加いたします。
期日は11月13日(日)の1日限りですが、職業部員が真心こめて県民の皆様に本物のマッサージを体験していただきたいと考えています。
考えてみますと、今までマッサージを受けた経験がある方の中に、本当の国家資格を持ったマッサージ師から施術を受けた経験のある方がどれくらいいらっしゃるでしょう。いわゆる無資格マッサージを本物のマッサージだと思い、「後で痛くなる」とか、「やってもらってる時は気持ちはいいけど、症状はとれない」など誤ったイメージを持ってしまっている方が多いという話もあります。
「マッサージフェスタ」と銘打ったコーナーでは、本物のマッサージを県民の皆様に広く知っていただく機会としたいと考えています。皆さんもどうぞ県民の日 記念行事ふれあいマーケットに出かけてみてはいかがでしょうか。
体育文化部部長 埜村和美
今年も恒例の文化祭を、次の通り開催します。会員からの文芸の投稿と、語り・朗読の発表もあわせて募集します。なお文芸につきましては、視覚に障害がありながら、まだ山視福協に入会されていない方の投稿も歓迎します。皆様お誘いあわせの上ご参加くださいますよう、ご案内申し上げます。
関ブロ埼玉県大会が平成29年2月26日・27日の2日間大宮ソニックシティ小ホールを会場に開催されます。宿泊は与野第一ホテルです。
バスを利用する場合には、1日目の午前の観光と、2日目の全体会議終了後に川越散策(蔵街通り・時の鐘・菓子屋横丁等)の散策を予定しております。
参加費は一人当たり2万5000円〜2万9000円で参加人数により変わります。多くの皆様の参加をお願いします。役員を含め参加者が12名に満たない場合には電車で行くことになりますので観光はありません。
申し込み締め切りは11月10日(木)
申込先は事務局小林(電話055-252-0100)までお願いします。
尚、参加者には行程表など詳細を送らせていただきます。
支部長 近藤とみ子
6名という会員数の中、会費の集金にだけ心を集中させるふがいない支部長です。
先日町内に視覚障害者が転入されてきたとの情報を入手しました。「会員がふえるかも」そんな一念におされ数回の電話でのやり取りの後、やっと会うとの約束にこぎつけたのはそれから3ヶ月もあとのことでした。
天候も良く、指定された公園に出かけると白い杖を持つ男性が奥様らしき方と入り口で待っていてくれました。数時間に及ぶ話を聞いた後、入会の話を持ち掛けましたが断られてしまいました。理由は
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協会とか組合はわずらわしい、とのことでした。皆様はどう思いますか?
10月2日に行われましたアビリンピック山梨大会において次のような成績を収められました。
本年4月より建設資金の募集を行ってまいりましたが、まだまだ不十分であり、このたび改めて募集を行うことといたしました。
募集期間:12月31日(土)まで
文化祭、講演会に募金箱を設置させていただきますが、それ以外にご協力いただける方もよろしくお願いします。
日頃の思いを川柳や詩で伝えてみませんか。川柳は1人3句、詩は1篇までです。主張大会の会場に掲示します。
日照不足の9月から10月に入り2日の3団体運動会の日は幸いにも好天に恵まれ暑い日となりましたが翌日は肌寒い雨になりました。変わりやすい季節ではありますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
また、食欲の季節とも言われ、9月のブドウから栗などに続き、「山視協だより」が皆様のお手元に届くころには柿も色付いていると思います。食欲、スポーツ、文芸など楽しみも多い季節でもあります。今月号には11月の文化祭の短歌、俳句、川柳の募集記事も掲載されています。身近な題材で一つひねってはいかがでしょうか。
(事務局長 矢崎繁)
山視協だより 平成28年10月号
発行人 一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会
〒400−0005 山梨県甲府市北新1−2−12
山梨県福祉プラザ1階
発行責任者 会長 堀口 俊二
編集責任者 事務局長 矢崎 繁
電話 055−252−0100
FAX 055−251−3344
http://yamashikyo.sakura.ne.jp