第33号 平成28年9月15日発行
一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会会報
巻頭言 | |
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またもホームからの転落事故 | ・・・・・2 |
今月の動き | |
28年度第2回役員会報告 | ・・・・・3 |
福祉部講演会報告 | ・・・・・4 |
今後の予定 | |
体育文化部より三団体交流秋季運動会のご案内 | ・・・・・6 |
グランドゴルフクラブより | ・・・・・6 |
県下視覚障害者文化祭のご案内 | ・・・・・7 |
iPhone実践講座と事前学習会のお知らせ | ・・・・・7 |
関東ブロック埼玉県大会のご案内 | ・・・・・7 |
支部だより | |
甲斐支部 | ・・・・・8 |
南アルプス支部 | ・・・・・8 |
事務局より | |
甲府駅南口バスターミナル バス乗り場の変更について | ・・・・・9 |
「山視協だより」は赤い羽根共同募金の配分金により作成されています。
会長 堀口俊二
今年は9月15日が十五夜で本当の満月が17日とか、このお便りが届く頃には月見などしながら秋の風情を満喫されている方もおられるのではないでしょうか。
こんな平穏な生活とは裏腹にまたも先月、東京メトロ銀座線の青山1丁目駅で、盲導犬使用の視覚障害男性がホームから転落し、亡くなられるという痛ましい事故が起きてしまいました。ほんの一瞬の勘違いにより、思わぬ形で突然その生涯を閉じることになってしまったご本人の無念と、ご家族の方々の悲しみを思うと何の言葉もありません。ただただご冥福をお祈りするばかりです。そして、このような事故が後を絶たない現実に、言いようのないやるせなさと憤りを覚えます。
日盲連も、8月20日付けで声明文を発表し、事故に遭われた方への哀悼の意を表すとともに、関係機関や鉄道事業者に対し、ホームへの転落防止柵や内方線付き点状ブロックの設置拡大、駅ホームへの安全監視員の配置、法令による駅ホーム安全対策の義務付け、視覚障がい者に対する的確な声かけや援助の啓発、歩行訓練士など視覚障がい者の移動の安全を支援する専門家の育成、盲導犬使用者の訓練におけるホーム上の誘導内容・転落防止のための訓練等についての検証など、13項目に渡る対応を求めています。
一方、本県における状況はとみると、残念ながらほとんど安全対策が進んでいないのが実態です。転落防止柵はおろか、内方線付き点状ブロックも山梨市駅、石和温泉駅、竜王駅など敷設されている駅はわずかです。本会でも一昨年度より甲府駅を訪ね、JR東日本への要望を行っていますが、なかなか前進が見られない現状です。今年は上記の事故も踏まえ、例年より時期を早めて9月8日に要望書を提出することとしました。駅ホームの安全対策の促進に加え、普通列車のドア押しボタン部への音声案内の設置なども強く求めてきたいと考えています。しかし、これらの安全対策が未だ整っていない現状にあっては、自らの安全は自ら守るしかありません。JRでは窓口で申し出れば、行き先駅までの案内サービスを行っています。このようなサービスも積極的に利用するなどして、鉄道での移動には細心の注意を払いましょう。
事務局長 矢崎繁
標記役員会が8月21日(日)山梨ライトハウス2階研修室を会場に行われました。主な内容は次の通りです。
福祉部 部長 市瀬實
2006年(平成18年)に第61回国連総会で「障害者権利条約」が採択され、日本はその7年後にこの法律の批准を承認しました。
講演終了後意見交換が行われました。
会員Aさんから、「甲府駅や市役所などの点字ブロックがエレベーター・階段へは誘導しているがエスカレーターには誘導していない、何故そうするの?危険だから?でもこれは差別なのでは?」と問いかけがありました。講師は、「それはおそらくより安全な方へ誘導しているのであって、一概に差別とはいえないのでは?」と応じました。
講師のご意見に会員Bさんは、「私にとってエスカレーターは自分で上がっているから今何階かわかるが、もし音声案内がしっかりしていないエレベーターに乗ってしまったら、着いたところがわからないから困る」等問題点を指摘。講師は、「私は答えられる範囲で即答してしまったが、それは私の感覚の中での答えであって、皆さんの感覚とは違っていたんだなということが改めてわかった。皆さんとはじめて話し合う機会を得、こういう声を聴けて良かった」といわれました。
他にも会員から沢山の問いかけがあり、実のある活発な意見交換となりました。私は部長として、パワフルな部員たちと会場に参集したすべての方々に支えられて、この事業を無事終えることができましたことを心より感謝申し上げます。
体育文化部部長 埜村和美
この事業は、県下の在宅と施設利用の視覚障害者とライトハウス、青い鳥奉仕団が一堂に会し、競技を通じて親睦をはかるものです。皆様誘いあわせてご参加くださいますよう、ご案内いたします。
部長 戸澤清茂
恒例となりました わの会との交流グランドゴルフ大会を次の通り行いますので会員の皆様のご参加をお待ちしております。
体育文化部部長 埜村和美
今年も恒例の文化祭を、次の通り開催します。文芸の投稿と、語り・朗読の発表も募集します。皆様、ふるってご参加ください。
詳細は、次号に掲載します。
部長 梶原剛
パソコンクラブでは、11月23日に、iPhone実践講座として、BlindSquareの体験会を開催します。BlindSquareは、今いる場所の住所や周辺のバス停、コンビニ、飲食店などの距離や方向を音声で案内してくれるiPhoneアプリです。
BlindSquareの体験会を開催するにあたり、iPhoneで何ができるかや、基本操作などを学ぶ事前学習会を行います。クラブ員以外の方の参加も可能です。申し込みは不要です。ぜひご参加ください。
事務局長 矢崎繁
関ブロ埼玉県大会が平成29年2月26日・27日の2日間大宮ソニックシティ小ホールを会場に開催されます。参加人数により交通手段も考慮して、観光も考えたいと思います。多くの皆様の参加をお願いします。
尚、詳細は次号でお知らせします。
甲斐支部長 堀口俊二
5月17日(火)に総会を開き、今年も甲府支部の行事に参加させていただきながら、並行して支部独自の事業を計画することとなりました。
その一つが読書の秋に合わせて9月20日に実施予定の朗読講習会です。朗読グループ水すましの会を講師としてお願いし、その洗練された朗読を鑑賞したり、本会会員の朗読を披露したりしながら、非日常的な感性豊かな空間を体感できればと考えています。また、例年通り親睦を深める場としての忘年会なども計画しています。
一方、市への要望活動として、今年も8月に会員5名で市役所を訪れ、福祉課と建設課に私たちの声を届けてきました。内容的には、移動環境の改善や日常生活用具給付品目の追加など昨年からの継続要望がほとんどですが、平成28年度より超音波式歩行補助具(パームソナー)が県内ではじめて日常生活用具として認められたことは大きな前進です。早速購入した会員、訓練を始めた会員などおり、単独歩行の一助になればと期待しています。
また、他の市町村でも日常生活用具として認めていただき、多くの視覚障がい者が気軽に利用しやすい環境が整うことを願っています。今後も、会員の身近な要望の解決を目指し、支部の力を結集して粘り強く取り組んでいきたいと思います。
支部長 東條芳彦
南アルプス支部では、新入会員1名と転居のため他の支部から移ってこられた方が1名、合わせて2名が会員に加わり、新年度をスタートさせました。
4月10日の総会の後第1回社会学級として「移動ライトハウス」を実施しました。社会福祉法人 山梨ライトハウスの職員4名の方がおいでくださり、 事業内容など、全般についてそれぞれの担当者からお話をいただきました。また、日常生活用具についても何点か準備してくださったものを実際に手に取り、使い方などの説明を受けました。
6月のはじめには、研修旅行として静岡県の大井川鉄道と焼津魚センターショッピングの旅を楽しみました。大井川鉄道の新金谷駅より千頭駅までの1時間17分のSL乗車体験は快適な旅となりました。車内では大井川沿線の食材を盛り込んだ汽車弁当を堪能し、車掌の「SLおじさん」からは6月の誕生月の新会員に折り紙の「こま」のプレゼントもありました。新金谷駅構内のプラザロコでは1920年代の古いSLや30〜40年代の駅舎などの展示があり、実際に触れてみることができました。
10月には第2回社会学級として、午前中は朗読鑑賞会、午後には同行援護及び移動支援に関するマナーについての研修会を計画しています。 既に5月に南アルプス市社会福祉協議会より依頼され、ガイドヘルパーさんを対象に利用者側からの「して欲しいこと、して欲しくないこと」の講演をさせていただきました。これをふまえ、10月には、ガイドヘルパーさん側から、「して欲しいこと、して欲しくないこと」と題して、私たち会員にお話をしていただき、そのあと、会員相互でディスカッションをし、より利用しやすくなるよう確認しあう機会にしたいと考えています。
来年の1月ないし2月には会員が楽しめる行事をもうひとつ計画しています。
日常生活用具については、今年度、新たに給付の対象になったものと見直しされたものがあります。 まず、県内初めて、地デジラジオが日常生活用具として認められました。 また、デイジー再生器と盲人用時計の料金改定に伴い、限度額を現状に合うよう変更していただきました。
今後は、パソコン周辺機器の、5年の耐用年数の中で10万円の給付限度額を複数回使えるようにする要望をします。これまでは給付限度額の中で1回の給付申請であるため、金額を使い切れずそれが残ってしまうと言うことがありました。その10万円を5年の耐用年数の中で複数回に分けて使うことにより、その時々に欲しいソフトを購入するなど有効に活用することができるのではと考えています。
甲府駅南口の新しいバスターミナルは、すでに使われている1番から3番に加えて9月7日より4番から6番が加わり、これで完成となります。
配置は、駅の南口階段を降りて右側の南から1番、2番、3番となり、階段を降りてやや左側手前より南に向かって4番、5番、6番となります。タクシー乗り場についてはバス乗り場3番と4番の間となります。
9月7日(水)、始発より各バス乗り場からの行き先は次のように変更となります。
尚、バス案内所につきましては山交百貨店前、高速バス乗車券発売所は山交百貨店地下1階にて引続き営業いたします。
皆様いかがお過ごしでしょうか。9月に入り日中は蝉が夏を惜しむように鳴いています。しかし夜間戸外に出ると心地よい風とともに虫の音が盛んに聞こえる季節ともなりました。この「山視協だより」にも行事などの案内が記載されています。夏の疲れが出る時期でもありますが、体調には留意し、多くの皆様の参加をお待ちしております。
(事務局長 矢崎繁)
山視協だより 平成28年9月号
発行人 一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会
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山梨県福祉プラザ1階
発行責任者 会長 堀口 俊二
編集責任者 事務局長 矢崎 繁
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