第39号 平成29年3月15日発行
一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会会報
巻頭言 | |
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第51回関東ブロック協議会埼玉県大会全体報告 | ・・・・・2 |
埼玉県大会 各分科会報告 | |
生活分科会 | ・・・・・3 |
バリアフリー分科会 | ・・・・・4 |
職業分科会 | ・・・・・5 |
青年分科会 | ・・・・・6 |
女性分科会 | ・・・・・6 |
今後の予定 | |
会計監査、第4回役員会の日程のご案内 | ・・・・・7 |
平成29年度定期総会並びに第1回役員会開催について | ・・・・・8 |
各クラブより | |
グランドソフトボールクラブ | ・・・・・9 |
事務局よりお知らせ | |
杉山和一記念館の建設募金についての報告 | ・・・・・9 |
青い鳥養護老人ホームのショートステイサービスのご案内 | ・・・・・10 |
甲府駅南口周辺道路状況の変更点について | ・・・・・11 |
あはき等法19条を厳守することを求める決議(日本盲人会連盟)ページ内リンクです。
あはき等法19条を厳守することを求める決議(日本盲人会連盟)
東京メトロ銀座線青山一丁目駅における盲導犬使用者の転落事故に関する声明 社会福祉法人 日本盲人会連合ホームページへ。
東京メトロ銀座線青山一丁目駅における盲導犬使用者の転落事故に関する声明
近鉄河内国分駅における視覚障害者の転落死亡事故に関する緊急声明 社会福祉法人 日本盲人会連合ホームページへ。
近鉄河内国分駅における視覚障害者の転落死亡事故に関する緊急声明
「山視協だより」は赤い羽根共同募金の配分金により作成されています。
会長 堀口俊二
標記の大会が2月26日〜27日の2日間、埼玉県の大宮ソニックシティを会場に開催され、本会からは付き添いも含め17名が参加しました。大会1日目には式典、講演、分科会などが、2日目には全体会が行われました。ここでは、分科会以外のことについて報告します。
1日目の講演は、DPI日本会議副議長尾上浩二氏による「障害者差別解消法について」をテーマにしたものでした。障害者差別は社会が作っているという社会モデルの立場から考えるべきこと、インクルーシブな社会が理想であること、法理念の具体化には障害者地域協議会の充実が不可欠なこと、的確な合理的配慮がなされるよう社会が環境を整えることが重要であること、バリアフリー法も差別解消の観点からバージョンアップが必要なことなどがその柱でした。
2日目の平成28年度事業報告では、あはき法十九条を堅持する緊急決議を関ブロとして行うことが提案され、満場一致で承認されました。次に、竹下日盲連会長による状勢報告の主な内容を列記します。
この後、大会宣言と決議がなされ閉会しました。 2日間とも天候に恵まれ、行き帰りには鉄道博物館見学や菓子屋横丁散策など、観光も大いに楽しむことができました。最後に、旅行の計画から当日の案内、会計管理まで、添乗員的な役を心よく引き受けていただいた山本理事、移動や食事の折など細やかな気配りをしていただいた付き添いの方々にこの場を借りてお礼申し上げます。本当に有難うございました。
会長 堀口俊二
竹下日盲連会長を助言者に迎え、提案された20題の議題を審議し、本会提出議題3題を含め、一部修正の上すべて採択されました。
内訳は同行援護制度改善に関するもの5題、広報や選挙のお知らせの点字化と配布の徹底に関するもの3題、歩行訓練士等生活訓練指導者の養成と配置普及促進に関するもの2題、災害時の避難対策に関するもの2題、障害基礎年金増額に関するもの2題、行政機関等から発信する文書の点字化に関するもの2題、その
他4題です。
今回も、同行援護に関する要望(通勤・通学、自営業者の外出等への適用範囲の拡大、福祉有償運送とのタイアップ、支給に関する地域格差解消など)が最も多く、いかに視覚障害者が日常の移動に苦慮しているかが浮き彫りになりました。
また、選挙広報に関しては助言者より、法的には点字や拡大文字・録音物は選挙広報とはみなされない、国の選挙広報配布は義務だが、地方のそれは義務となっていない、すべての視覚障害者に配布するということも、個人情報の関係で非常に困難など課題が多いとの話がありました。
そして、本会で数年前より提案している障害者医療費窓口無料化に関しては助言者より、現在国としては償還払い以外の方法は考えていないが、障害者の便宜をはかるため窓口無料化の実施を継続的に働きかけていくとのコメントがありました。
ほとんどが以前から出されている要望であり、なかなか実現に至らないもどかしさもありますが、入院中の外出・外泊時の同行援護の適用、ホームヘルパーによる代筆・代読の業務化など、成果が上がっている事柄もあることを思えば、今後も継続的な粘り強い運動を進めていくことが重要なことは確かでしょう。そして、本県でまずできることは何なのか、そんな思いをめぐらしながら会場を後にしました。
副会長 矢崎繁
座長に宮城氏(埼玉県)、副座長に川村氏(東京都)、助言者に伊藤氏(日盲連副会長)のもと議事が行われました。
議題は各団体より24題提出され、各議題について討論がされました。駅ホームのハード的な安全対策について5題、駅構内でのソフト的な安全対策について4題、運賃支払いの利便性や特急運賃の割引に関するもの2題、駅などのエスカレーターへの誘導ブロック設置基準の統一化、誘導ブロック、音響式信号機の増設、エスコートゾーンなど歩行に関するもの8題、食料品などへの点字表記に関するもの1題、テレビの副音声化に関するもの1題、自動車などの運転手のマナーに関するもの2題、信号の分かるソフト開発に関するもの1題となっています。
本会からは、「駅のホームの人員配置を要望する」と「電車の押しボタン式開閉装置のボタンの位置が分かるよう改善を要望する」が提出されており、本会からの提案議題を含めすべての議題が採択されました。
昨年の8月に起きたホームからの転落事故より1月の事故の3件を受け、特に駅ホームの安全性について議論が多く感じられました。
また助言者より駅ホームなどでの声掛け運動を一時的なものではなく、継続して行われるよう運動をしていきたい。合わせて国に要望するのも大切だが、各地方での運動も問題解決につながるのではとの助言もありました。
どの議題も我々にとっては切実な課題であり、一つでも解消されればと願いながら参加してきました。この議題より関東ブロックとして全国大会に2題が提案議題として提出される予定です。
副会長 広瀬清敏
職業分科会には16の議題が提出され助言者は筑波技術大学の藤井亮輔教授がつとめられ討議が進められました。
平成医療学園のあはき法19条をめぐる訴訟が大きな問題となっている折、横浜市、川崎市、群馬県、千葉県、茨城県、栃木県、東京都、神奈川県の8団体からの提出があり、時間をかけて話し合い、今後打ち出される運動方針を力強く進めていく事を確認し、無資格、無免許の取り扱いをも判決の中に
盛り込まれるよう要望してとりまとめました。
山梨県、茨城県からは自営業者にも職場介助者が利用できるよう要望しました。
相模原市、群馬県、埼玉県、神奈川県からは行政機関並びに一般企業等への視覚障害者の採用及び就労機会の拡大を要望。
茨城県からのあはきの療養費取扱いについて柔道整復並みに委任払いができるよう要望がありこれにはヒューマンアシスタントの制度が必要となる。
山梨県からの就労継続支援A型、B型施設定員最低基準が10人以上から5人以上へと緩和されるよう要望するを最後に16の議題が全て承認され熱のこもった職業分科会を終えることができました。
岡部 恵子
青年分科会では、職業、交通、移動、ITについて意見交換会をしました。職業については、あはき法十九条、憲法二十二条・三十一条の説明があり、話し合った結果、あはき法十九条を堅持することは当然であるが、それと同時に我々があはきで生活していこうとするには技術の向上が一番大切ではないかということになりました。
それから、交通・移動については、押しボタン式電車・一両式電車、無人駅についてどのような工夫がなされているかなどについて話し合われましたが、結論が出ず、次の課題にしたいということになりました。ITについては、特にiPhoneの地図ナビを活用したり、色々な情報網を活用して一人一人がより良い生活ができるよう工夫して欲しい。それにはまず、個々の努力が必要であり、自力で生活ができるようなスキルアップが大切ではないかと話されました。
副部長 小田切浩子
女性分科会は「今困っていること」という研修テーマに基づいて、講演形式で行われました。講師は関東ブロック事務局長の鈴木孝幸氏でした。
各団体ごとに出された、「困っていること」の声を、鈴木氏が8つの項目に分類して順番に解決策を示してくださいました。
金融機関や病院等での代筆・同行援護・セルフレジ・トイレ内の配置など身近な内容でした。内容の一部を紹介します。
金融機関で代筆を断られた場合は、日時と〇〇銀行××支店などを日盲連に連絡すると日盲連から金融庁へ連絡して、金融庁から金融機関の本店に話しが行くので解決できるとのことです。音声付きATMについては、コンビニ設置のものは音声対応で24時間使えるので操作を覚えれば便利であるとの話もありました。
「困りごと」については、行政等への要望運動も大切ですが、自分なりの工夫や情報交換、視覚障害者であることを伝えるためにも白杖を持つことで解決できるものもあることがわかりました。
鈴木氏の問題に対しての的確なとらえ方や知識や経験による具体的で簡潔な説明がわかりやすかったです。日々の生活、社会活動の積み重ね、困りごとを言葉で発信すること、サポートや配慮への感謝を伝えることの大切さを感じた有意義な研修でした。
事務局長 矢崎繁
前回もご案内しましたが、平成28年度 会計監査と第4回役員会を次の日程で行ないます。役員の方には是非ご出席下さい。なお、印鑑をお持ち頂けますようお願いします。また、都合によりやむを得ず欠席される方は必ず事前に事務局までご連絡ください。
事務局長 矢崎繁
年度末の気ぜわしい時期となりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。平成29年度定期総会並びに第1回役員会を次の日程で開催することになりましたのでご案内します。特に、定期総会は皆様の声を会活動に反映させる大切な機会です。一人でも多くの皆様の出席をお願いします。また、役員会につきましても、関係の皆様には是非出席くださいますようよろしくお願いします。
グランドソフトボールクラブ 部長 大野静香
昨年は3年ぶりとなる全国大会出場を果たしましたが、その舞台では思うような結果を残せませんでした。再び全国を目指し、2月中旬より練習を始め、今年は今のところ天候に嫌われず順調に練習をこなしています。気がつけばこの8年間、ほぼ変わらない顔ぶれ、選手の平均年齢はついに50歳を超えました。本当に全国を狙えるのはあと数年かもしれませんが、それぞれに目標を持ち練習に励む選手、盛り上げるサポートスタッフ・・・まだまだグラソフは熱いです。
日盲連より次の文書が届いています。
「全国の日盲連加盟団体並びに会員より、1月末の時点で25件、659,286円のご寄付を頂き、ありがとうございます。募金は、同記念館を設置・運営をする公益財団法人杉山検校遺徳顕彰会へ送金いたしました。
なお、同記念館の建設費用については、開館後も逼迫をしており、引き続きの支援が必要となっております。ついては、来年度も継続して同記念館に対する募金を継続させていただきます。4月ごろに改めてご案内させていた
だきますので、何卒ご理解の程をよろしくお願いいたします。」
本会からは、皆様にご協力いただきまして、28年度の募金合計として19,179円を日盲連に送らせていただきました。ありがとうございました。
(2月20日発行の「うるおい」より)
山梨ライトハウスの青い鳥老人ホームのショートステイサービスは、在宅のご高齢者また視覚に障害をお持ちのご高齢の方々が、一時的に青い鳥老人ホームに短期宿泊していただくことで、ご高齢者の生活を支援し、福祉の向上と家庭生活の安定が図られることを目的としています。
昨年10月1日から新たなサービスとして始められた、短期宿泊型(ショートステイサービス)をご紹介いたします。このサービスは、今までのように市町村への申請ではなく、直接青い鳥老人ホームへ申し込みをしていただくものです。
では、どのような場合にショートステイサービスをご利用できるのかをご説明させていただきます。
このような理由で利用される方々が多いようですが、ここにもありますように「施設長が必要と認めた場合」とあることから、ぜひ直接青い鳥老人ホームへご相談ください。また、青い鳥老人ホームは視覚に障害をお持ちの高齢者の専門施設です。施設内の設備はもちろん介護には、専門性を持つ職員がお手伝いさせていただきますので、とても快適で安心してご利用できます。
ショートステイサービスの 1日当たりのご利用料金として、下記の金額をお支払いいただいておりますが、料金についても事前にご確認ください。
工事が着々と進んでおり、日に日に誘導ブロックの位置等道路状況が変化しています。最近の主な変更点を紹介します。
今後も南口周辺の工事は続きます。大きな変更はできるだけお伝えするつもりですが、ご通行の折にはくれぐれもご注意下さい。
厳しかった冬も終わり、芽生え、梅の花から桜の花の季節がやってきます。皆様いかがお過ごしでしょうか。本号に掲載されている関東ブロック埼玉県大会では私たちにとって深刻な多くの議題が審議され、多くのことを学ぶことができました。
それとは別に、大会参加前後に鉄道博物館の見学、川越の散策をしてきました。鉄道博物館では元JRの職員だったボランティアの方から短時間ではありましたが案内され分かりやすい説明を受け、展示されている新幹線0系の座席に座り懐かしい思い出が浮かびました。来年は東京大会です。皆様と一緒に行ければと思っています。では、皆様ご自愛ください。
(事務局長 矢崎繁)
山視協だより 平成29年3月号
発行人 一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会
〒400−0005 山梨県甲府市北新1−2−12
山梨県福祉プラザ1階
発行責任者 会長 堀口 俊二
編集責任者 事務局長 矢崎 繁
電話 055−252−0100
FAX 055−251−3344
http://yamashikyo.sakura.ne.jp
学校法人平成医療学園(以下、「平成医療学園」という)は、自らが設置経営する3校の養成施設と大学のあん摩マッサージ指圧師養成課程の新設認可申請が不認定とされたことを不服として、国を相手にその不認定処分の取り消しを求め訴訟を提起した。
訴訟の当事者は平成医療学園と国であり、我々は裁判の当事者ではないが、訴訟の結果によっては視覚障害あん摩マッサージ指圧師が失職し、あるいは視覚障害者があん摩マッサージ指圧師の職域から閉め出されかねないことを考えれば、我々こそが実質的には当事者であるとの認識に立ち、国の立場を強く支持するものである。
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(以下「あはき等法」という。)19条は、「当分の間、文部科学大臣又は厚生労働大臣は、あん摩マツサージ指圧師の総数のうちに視覚障害者以外の者が占める割合、あん摩マツサージ指圧師に係る学校又は養成施設において教育し、又は養成している生徒の総数のうちに視覚障害者以外の者が占める割合その他の事情を勘案して、視覚障害者であるあん摩マツサージ指圧師の生計の維持が著しく困難とならないようにするため必要があると認めるときは、あん摩マツサージ指圧師に係る学校又は養成施設で視覚障害者以外の者を教育し、又は養成するものについての第二条第一項の認定又はその生徒の定員の増加についての同条第三項の承認をしないことができる。」と定めている。
平成医療学園は、この規定が制定されてから半世紀あまりが経過しており、@視覚障害者に対する年金などの社会保障が充実し、あん摩マッサージ指圧師以外の職業に広く就職しているなどとしてこの規定の意義は失われているAあはき等法19条は憲法22条によって保障された平成医療学園の営業の自由を侵害するものであり、国の不認定処分は憲法31条によって保障された手続き的保障に反するなどと主張している。しかし、それらの主張は現状の認識を大きく誤り、憲法解釈にも反するものである。
障害者雇用促進法が施行された今日においても、視覚障害者の職域は依然として狭く、視覚障害者の一般雇用は極めて低位のまま推移しており、今日においてもあん摩マッサージ指圧業は視覚障害者の中心的職種なのである。また、視覚障害あん摩マッサージ指圧師の収入は、晴眼あん摩マッサージ指圧師に比較して極めて低い状態が続いている。
他方、年金などの社会保障が制度化されたとはいえ、障害者の生活は引き続き困難な状態が続いており、障害者の生活保護受給率は一般国民の10倍を超えているのである。
視覚障害者の職業選択の自由が未だ実現していない中で、平成医療学園の主張が認められることがあれば、あん摩マッサージ指圧業の分野からも視覚障害者が実質的に閉め出されることとなり、視覚障害者の就労を通じた自立をも奪う結果となることは必定である。
我々は、そうした事態を回避するため、広く国民の理解と支持をも得て、視覚障害者の関係団体だけでなく、あはき業界との連携の下に国が勝訴するために全力を尽くすことをここに決意するものである。