第44号 平成29年8月15日発行
一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会会報
巻頭言 | |
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後退させてはならない移動の自由 | ・・・・・2 |
今後の予定 | |
平成29年度第2回役員会のお知らせ | ・・・・・3 |
福祉部講演会のお知らせ | ・・・・・3 |
体育文化部研修のお申込みについて | ・・・・・4 |
「寿の集い」開催のご案内 | ・・・・・4 |
体育文化部より三団体交流秋季運動会のご案内 | ・・・・・5 |
体育文化部より文化祭のご案内 | ・・・・・5 |
トピックス | |
甲府駅南口バスターミナルについて | ・・・・・6 |
支部だより | |
山梨市支部 | ・・・・・6 |
事務局より | |
あはき19条に関わる署名、募金活動について | ・・・・・7 |
第4回山梨県障害者芸術・文化祭について | ・・・・・7 |
編集後記 | ・・・・・8 |
あはき等法19条を厳守することを求める決議(日本盲人会連盟)ページ内リンクです。
あはき等法19条を厳守することを求める決議(日本盲人会連盟)
日盲連より歩行訓練に関する調査が完了し、このたび、報告書にまとめることができました。日本盲人会連合ホームページへ。
歩行訓練に関する調査報告書
近鉄河内国分駅における視覚障害者の転落死亡事故に関する緊急声明 社会福祉法人 日本盲人会連合ホームページへ。
近鉄河内国分駅における視覚障害者の転落死亡事故に関する緊急声明
「山視協だより」は赤い羽根共同募金の配分金により作成されています。
会長 堀口俊二
お盆を過ぎ、暑さも峠を越えたのではないかと思いたいところですが、そう簡単にはいかないのがこのところの気象状況です。残暑には充分ご留意下さい。
さて、今月は視覚障害者の最大の課題ともいえる移動の問題を取り上げてみたいと思います。何を今さらと思われる方もおありかもしれませんね。実は、富士吉田支部長さんから、市内の同行援護事業所の一つが今年度に入って事業から撤退し、そこを利用していた数名の方が普段の外出に大変窮しているというお話を聞いたからなのです。今や同行援護は、視覚障害者の移動手段の中核的存在であり、事業所の撤退は死活問題と言っても過言ではありません。
しかし、事業所側からは同行援護は単価が低く採算が取れない、需要が不安定で経営が難しい、利用者が少なければ従事者の雇用がままならないなどの声が以前から聞かれているのも確かです。県内27市町村のうち事業所のあるのは9市1町です。町や村単位はともかくとして、大月市、韮崎市、北杜市、中央市の4市に事業所が未だ無いというのは大変由々しき問題であり、1日も早い地域格差解消が強く望まれます。経営面等で民間の事業所では立ち行かないのであれば、せめて社会福祉協議会のような所で同行援護事業を立ち上げていただけないだろうかと願うのは私だけでしょうか。
一方、同行援護事業の充実や地域格差の是正は、全国的にも日盲連や同行援護事業所等連絡会で議論されているところであり、事業所の存立や安定した同行援護の供給には、報酬単価の引き上げも必要な取り組みになるのかもしれません。自立と社会参加が叫ばれて久しい今日、視覚障害者にとってはその大前提となるのが移動手段の確保であり、その中核を担う同行援護事業の充実と安定したサービス供給体制の確立は不可欠です。この問題については、今月の役員会でも取り上げ、会として何ができるか探っていきたいと思います。また、同日福祉部では、歩行訓練に関する講演会も企画しています。私たちの移動の自由はいかにすれば確保できるのか、皆さんとともに知恵を出し合っていきましょう。「移動の自由は心の自由」
事務局長 矢崎繁
第2回役員会を8月20日(日)午前10時より県立図書館交流ルーム102にて行ないます。役員の方には是非ご出席下さいますようお願い致します。都合によりやむを得ず欠席される方は必ず事前に事務局までご連絡下さい。以下は主な議題です。
部長 返田順子
先月号でもお知らせしましたが大勢の参加をお待ちしています。
部長 埜村和美
先月号でご案内致しましたが今年は初秋の箱根路を計画しました。皆さんお誘い合わせてご参加ください。8月25日(金)までに、各支部長さんにお申込み下さい。なお、これから参加を申し込まれる甲府支部の会員さんは名取利一さん(電話090−3595−4362)までお願いします。
福祉部部長 返田順子
福祉部では次の日程により、「寿の集い」を開催します。先輩方との交流を通し、元気を分かちあいませんか。尚、午前は長寿会総会と研修会が開催されます。
長寿会総会と研修会に参加される方は9月10日(日)までに長寿会の花形会長にお申込み下さい。
部長 埜村和美
この事業は、県下の在宅と施設利用の視覚障害者、ライトハウス、青い鳥奉仕団が一堂に会し、競技を通じて親睦を深めるものです。皆様誘いあわせてご参加くださいますよう、ご案内いたします。
参加を希望される方は9月22日(金)までに各支部長さん(甲府支部は名取利一さん)に必ず申し込んでください。また、当日は運動のできる服装でご参加ください。
昼食と賞品を用意して、皆様の参加をお待ちしています。
昨年度まで7月に開催しておりました点字競技会とパソコン競技会は、ともに秋の文化祭に組み入れ、10月におこなうことになりました。内容もふたつの競技会を加え、これまでの語り・朗読の発表と、文芸選評そして文化講演会です。皆様スケジュールをあわせて、ぜひご参加くださいますようお待ちしています
なお詳細は、次号でお知らせします。
甲府駅南口広場・バスターミナルが8月9日に完成し、バス乗り場の番線はシグナルエイドで確認できるようです。
なお甲府駅南北通路の南口階段の西側階段はエレベーター設置工事に伴い通行はできません。階段の上と下に誘導員が配置されておりますので指示に従い通行には気を付けてください。完成は30年1月の予定。
支部長 埜村和美
当会では7月23日(日)、山梨市駅前の町の駅を会場に、歌声ボランティア『風車』の皆さんをお招きし、認知症予防のリズム体操と題して、歌と体操そして音楽ゲームを楽しみました。『風車』の皆さんは男性1名を含む5名のメンバーで、第1部は、季節感あふれる童謡や唱歌の合唱を聞き、2部では甲州弁のラジオ体操のCDにあわせて元気に足腰を伸ばしました。その後のじゃんけんゲームでは、リーダーとの勝負が工夫されていて、瞬間の頭脳プレイを楽しみました。また音楽ゲームでは参加者を2チームに分け別々の歌を同時に歌ったり、または交互に1フレーズずつ歌うなど、相手チームに引きずられたりしながら、おおいに笑いました。3部ではグループの皆さんが歌う、戦後の青春歌謡にあわせ、私たちもおかりした鈴を振りながら、共に歌いました。
『風車』の皆さんは、地域のいきいきサロンやデーサービスにも出向き、お年寄りたちと交流を図っているそうです。私たちも手足を動かしたり、脳トレをしながら猛暑を忘れたひとときを持ちました。10月29日には、市役所の出前講座をお願いし、福祉サービスについて学ぶ予定で、民生委員や関心のある市民の皆さんに、広報で告知したいと思います。
すでに署名・募金に協力をいただきました皆さんありがとうございました。なお、8月20日(日)の役員会及び福祉部講演会でも受け付けますのでまだの方はよろしくお願いします。
8月31日(木)〜9月4日(月) 山交百貨店
8月29日(火)〜9月10日(日) 藤村記念館
お問い合わせ 山梨県福祉保健部障害福祉課(電話 055−223−1461)
山梨県内で5月から7月、熱中症とみられる症状で病院に搬送された人は220人に上ったことが8月1日に報道されました。8月に入り、雨も降りやや過ごしやすくなったような気がしますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。 暑さを伝えるニュースの傍らで竜王駅の南北通路に鈴虫の音色が聞こえているなどのニュースもありました。鈴虫と言えば秋をイメージしてしまいますが、俳句の季語も秋だとのこと。皆様にこの「山視協だより」が届くころには涼しい秋風が吹き始めるのでしょうか。まだまだ暑さも続くかも知れませんので皆様体調には気を付けてお過ごしください。
(事務局長 矢崎繁)
山視協だより 平成29年8月号
発行人 一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会
〒400−0005 山梨県甲府市北新1−2−12
山梨県福祉プラザ1階
発行責任者 会長 堀口 俊二
編集責任者 事務局長 矢崎 繁
電話 055−252−0100
FAX 055−251−3344
http://yamashikyo.sakura.ne.jp
学校法人平成医療学園(以下、「平成医療学園」という)は、自らが設置経営する3校の養成施設と大学のあん摩マッサージ指圧師養成課程の新設認可申請が不認定とされたことを不服として、国を相手にその不認定処分の取り消しを求め訴訟を提起した。
訴訟の当事者は平成医療学園と国であり、我々は裁判の当事者ではないが、訴訟の結果によっては視覚障害あん摩マッサージ指圧師が失職し、あるいは視覚障害者があん摩マッサージ指圧師の職域から閉め出されかねないことを考えれば、我々こそが実質的には当事者であるとの認識に立ち、国の立場を強く支持するものである。
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(以下「あはき等法」という。)19条は、「当分の間、文部科学大臣又は厚生労働大臣は、あん摩マツサージ指圧師の総数のうちに視覚障害者以外の者が占める割合、あん摩マツサージ指圧師に係る学校又は養成施設において教育し、又は養成している生徒の総数のうちに視覚障害者以外の者が占める割合その他の事情を勘案して、視覚障害者であるあん摩マツサージ指圧師の生計の維持が著しく困難とならないようにするため必要があると認めるときは、あん摩マツサージ指圧師に係る学校又は養成施設で視覚障害者以外の者を教育し、又は養成するものについての第二条第一項の認定又はその生徒の定員の増加についての同条第三項の承認をしないことができる。」と定めている。
平成医療学園は、この規定が制定されてから半世紀あまりが経過しており、@視覚障害者に対する年金などの社会保障が充実し、あん摩マッサージ指圧師以外の職業に広く就職しているなどとしてこの規定の意義は失われているAあはき等法19条は憲法22条によって保障された平成医療学園の営業の自由を侵害するものであり、国の不認定処分は憲法31条によって保障された手続き的保障に反するなどと主張している。しかし、それらの主張は現状の認識を大きく誤り、憲法解釈にも反するものである。
障害者雇用促進法が施行された今日においても、視覚障害者の職域は依然として狭く、視覚障害者の一般雇用は極めて低位のまま推移しており、今日においてもあん摩マッサージ指圧業は視覚障害者の中心的職種なのである。また、視覚障害あん摩マッサージ指圧師の収入は、晴眼あん摩マッサージ指圧師に比較して極めて低い状態が続いている。
他方、年金などの社会保障が制度化されたとはいえ、障害者の生活は引き続き困難な状態が続いており、障害者の生活保護受給率は一般国民の10倍を超えているのである。
視覚障害者の職業選択の自由が未だ実現していない中で、平成医療学園の主張が認められることがあれば、あん摩マッサージ指圧業の分野からも視覚障害者が実質的に閉め出されることとなり、視覚障害者の就労を通じた自立をも奪う結果となることは必定である。
我々は、そうした事態を回避するため、広く国民の理解と支持をも得て、視覚障害者の関係団体だけでなく、あはき業界との連携の下に国が勝訴するために全力を尽くすことをここに決意するものである。