第51号 平成30年 3月15日発行
一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会会報
巻頭言 | |
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第52回日盲連関東ブロック協議会(東京大会)報告 | ・・・・・2 |
各分科会報告 | |
生活分科会 | ・・・・・4 |
バリアフリー分科会 | ・・・・・5 |
職業分科会 | ・・・・・6 |
青年分科会 | ・・・・・7 |
女性分科会 | ・・・・・8 |
今後の予定 | |
平成30年度定期総会並びに第1回役員会のお知らせ | ・・・・・9 |
体育文化部研修参加者募集 | ・・・・・9 |
トピックス | |
タンデム自転車4月より公道でも走行可能に | ・・・・・10 |
事務局よりお知らせ | |
かすがもーるの改良工事が行われています | ・・・・・10 |
平成30年度山梨県障害者スポーツ大会参加者募集 | ・・・・・11 |
編集後記 | ・・・・・11 |
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日本年金機構からの情報をご案内いたします。
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会長 堀口俊二
啓蟄を過ぎ、ようやく新たな生命が躍動を始める春の訪れとなりました。今年は例年になく寒い冬だっただけに、何やらほっとした心地です。間もなく桜の便りも聞かれるかと思いますが、皆さんいかがお過ごしですか。
さて、標記の大会が2月25日(日)〜26日(月)、東京都盲人福祉協会の主管で東京都のホテルグランドヒル市ヶ谷を会場に開催され、本会から付添を含め11名が参加しました。例年通り、1日目には式典、記念講演、分科会等、2日目には全体会議が行われました。以下にそのあらましを報告します。
1日目の記念講演は、江戸東京博物館学芸員の方による展示室や展示内容の紹介でした。江戸時代の日本橋や江戸城の模型、復元された長屋、寿司屋や蕎麦屋の屋台、祭りの山車、纏、明治に建てられた鹿鳴館やニコライ堂、戦後の新宿闇市の模型などが展示されており、江戸から東京に移り変わっていく時代の変遷を体験を通して学習できるとのことです。音声ガイドが充実しており、触れる展示物も数多くあるとのことで、是非一度ゆっくり訪れたい所です。また、予約すればボランティアガイドもお願いできるそうです。ただ、現在は改修工事中で、再オープンは4月からとのことでした。
2日目の全体会議では、各分科会報告、関東ブロック協議会平成29年度事業報告、日盲連情勢報告、大会宣言、大会決議、次期開催団体挨拶などが順次行われました。以下に竹下会長からの日盲連情勢報告の要旨を記します。
19条裁判関係では、沖縄統合医療学院のあん摩師課程設置申請が1月に取り下げられた。19条が、平成医療学園グループの営業の自由と、晴眼者の職業選択の自由を侵害しているとの原告の主張に対し、被告(国)に充分に反論し議論をするよう東京地裁裁判長からの指示があった。今後は国民の理解を得られるか、議員の賛同を得られるかが大きな課題である。来年には判
決が出るのではないかと予想される。
福祉サービスの報酬改定関係では、全国に15しかない機能訓練事業所のみで認められていた歩行訓練が、各都道府県の生活訓練事業所でも受けられるようになり、普及促進が期待できる。同行援護は「身体介護を伴わない」に一本化され、報酬が1時間未満199単位から291単位に引き上げられるなど大幅な変更となる。盲ろう者にも同行援護制度が適用されるようになる。
健康保険 受領委任制度が 柔整師並みとなるが、視覚障害者が保険事務を行えないのが問題である。協同組合方式で法人が雇った介助者を自営業者に回せるか、代筆・代読を制度化できるかが課題。
障害者雇用率が順次引き上げられつつあるが、視覚障害者の雇用率は伸びていない。現在、視覚障害の特性を充分把握したジョブコーチの配置に向けた運動を進めている。
ホームの安全対策については、ホームドアや内方線付きブロック設置等少しずつ前進しているが、安全対策を総合的に考える検討会設置に向け現在動いている。
代読・代筆の普及や、テレビ放送の字幕音声化についても少しずつ前進しているが、課題はまだ多い。
マラケシュ条約の批准は今国会でなされる予定であり、現在読書バリアフリーの環境作りに関する法律を作るよう働きかけている。
安全な道路環境の整備については、歩道君や言葉のナビゲーション、東京大学の新たな点字ブロック研究など混乱を招く状況も生まれている。
第71回全国大会に合わせ、記念事業を計画したい。
大会全体の報告は以上です。なお、来年の大会は2月24日(日)〜25日(月)横浜で行われます。今回は電車での移動でしたが、いつも通り山本理事にツアコンの役を引き受けていただき、全員無事参加してくることができました。参加者を代表して改めて感謝の意を表したいと思います。また、何かと細かい気配りをしていただいた付き添いの方にもお礼申し上げたいと思います。本当に有難うございました。
堀口俊二
竹下日盲連会長を助言者に迎え、20題の議題を審議し、本会提出議題2題を含め、一部修正の上すべて採択されました。内訳は同行援護関係5題、障害年金関係3題、障害者差別解消法関係2題、その他10題で、今年も最も多かったのは同行援護関係の要望でした。助言者からこの4月より通勤の訓練期間に同行援護が使えるようになるとの話があったほかは、昨年と大きな違いはなく、以前からの要望がなかなか実現をみていない実態が浮き彫りとなりました。
年金引き上げの要望が多かったのも今年の特徴で、消費税引き上げに伴う生活不安がその要因と思われます。助言者から、消費税引き上げ時には5,000円の支給があることは決まっているが、年金の増額は現時点では難しいとの話がありました。視覚障害者の高齢化が進む中、深刻さが増しつつある問題ではないでしょうか。
障害者差別解消法の趣旨の周知と合理的配慮の普及についても、一般国民の理解度がまだまだ低く、容易いものではないという実感を受けました。
目新しいところでは、コンビニやスーパーのセルフレジを視覚障害者にも利用可能にする対策を、視覚障害者の国際シンボルマークの活用をなどの要望でした。特に、セルフレジは今後急速に増えることが予想され、関係方面への早急な働きかけが必要との意見が出されました。
最後に助言者から、代筆・代読の定着に力を注ぎたい、全般を通じて日盲連として取り組むべきことと、各団体で取り組むべきことを整理する必要がある、各地域における福祉サービス格差解消に向けた取り組みも重要ではないかとのまとめがありました。いつもながら私たちの要望実現への歩みは遅々たるものですが、運動の積み上げが大切なことは間違いありません。本当なら、運動しなくても少数者の意見が反映されるような社会になればなお良いのでしょうが・・・。
矢崎繁
バリアフリー分科会について報告します。座長に吉田美奈子さん(東京都)、副座長に岩屋芳夫さん(横浜市)、助言者は伊藤和男日盲連副会長により議事の進行が行われました。本会からは会員3名付き添い1名で会議に参加しました。各団体からの提案議題の概要は次のようになっています。
駅ホームの安全対策に関するもの5題。本会からは「視覚障害者の移動の安全を図るため、駅のホームの人員配置をするか、全ての駅ホームに内方線付き点状ブロックの設置を義務化するよう要望する」を提案しました。
駅の利便性、使いやすさに関するもの3題。視覚障害者が安全に移動できる道路環境の整備の充実に関するもの4題。テレビのニュースや緊急放送の字幕スーパーの音声化に関するもの4題。
本会からは「視覚障害者が理解できるよう、テレビのニュースや緊急放送の字幕スーパーの音声化と外国語の日本語吹き替えを要望」を提案しました。
違法な自転車走行や歩きスマホのマナーに関するもの1題。ICTを活用した視覚障害者のための安全な交通環境の総合的整備に関するもの1題。JR割引切符(ジパング倶楽部)の利用範囲の見直しに関するもの1題。介護者同伴でJRを利用する際の特急料金の割引と使いやすいICカードの発行に関するもの1題。視覚障害者が乗る車が有料道路を利用する際、身体障害者手帳の提示での割引に関するもの1題。となっており、21題の提案議題につ
いて討議されすべての議題が採択されました。
この中から6月の全国大会への提案議題について、エスカレーターへの誘導ブロックと駅ホームの安全対策の2題について話し合われましたが決まらず駅全体のバリアフリー化と言う意見もあり、座長より文言の翌日の発表となりました。
全体会議で「ホーム可動柵、内方線付き点状ブロックの設置、歩きスマホの禁止などマナーの啓蒙、声掛け運動の継続、エスカレーターへの誘導など、鉄道を安全に利用できるよう設備の充実を求める」が発表され承認されました。
いずれも以前から議題として出され、切実な問題ばかりであり、粘り強く声を出し、少しでも要望が通ることを望みたいものです。
広瀬清敏
職業分科会では筑波技術大学の藤井亮輔教授が助言者をつとめられ13の議題を5つに集約し討議が進められました。
栃木県、群馬県、埼玉県、川崎市の4団体から「あはき法19条堅持」の要望がありました。被告である国が勝ってもらうためには日盲連を中心に活動を進めて行くことが第1であります。
東京都からは「無資格医業類似行為の徹底取り締まりを」。国民の安全という見地からも三療の職域を守るためにも長年にわたる問題であるが撲滅を訴え続けて行かなければなりません。
茨城県、山梨県、埼玉県の「職場介助者の制度化を」については「障害者差別解消法に基づき、視覚障害者単独での自活就労(自営業)を対象に、殊に、移動と情報処理に伴う、合理的配慮を保証する適切な支援制度を要望する」に修正され採択されました。
千葉県、横浜市からは「雇用の安定を確保し雇用率を上げる対策を」、「有期労働者が無期労働契約に転換できることの周知を図り自立生活を目指す」
神奈川県、群馬県からは「公的機関や企業にヘルスキーパーを雇用させるようにハローワークなどで積極的に取り組んでほしい」。
山梨県からの「就労継続支援B型施設の定員最低基準が10人以上から5人以上へと緩和されるよう要望する」は毎回承認を受けているが法的に改正がないため他の方法を検討したらとのアドバイスがありました。
どの議題も皆が共通して抱えている問題で審議が深まりました。
小林誠
青年分科会は、昨年よりテーマを絞って討論して行こう。ということで昨年に引き続き、就労問題、交通安全問題、IT情報交換について活発な意見交換がなされました。
就労に関しては、あはき業と一般就労に分けて話し合いました。あはき業関連では、やはりあはき法19条裁判の現状について大胡田弁護士より説明があり、遅くても来年度中には判決が出るのではないかとの見通しでした。一般就労の問題は、2018年問題とも言われている雇い止めが視覚障害者にも身近な問題となっている。参加者からも具体的な事例がいくつかあり、弁護士からは雇い止めにあってもすぐに返答をしないで相談して欲しいとの助言がありました。
2つめの交通安全問題では、群馬、栃木、山梨より、電車の押しボタンが視覚障害者には大変困る現状が話されました。特に山梨のように無人駅での乗車は大問題である。ただ、JR北海道の一部列車で押しボタンの位置を音で知らせる実験が始まっているとの情報が有りました。
3つめのIT情報交換では、スマートホンを使って様々な視覚サポートを利用している実例が報告されました。今後も個々のスキルアップを図りながら情報交換を進めて行こうとのことでした。
青年部会に参加してみて若者らしく活発な意見交換会であったと感じました。
岡部恵子
女性分科会は、司会、愛沢法子さん、座長、加賀谷睦子さん、講師、鈴木孝幸さん(関東ブロック協議会長)の下で行われました。
テーマは「介護保険で受けられるサービスと障害福祉で受けられるサービスの違いについて」でした。
65歳になると、申請勧奨により介護保険が受けられるようになり、受けようとする人はケアマネージャーから何点か問われる。例えば、洗濯ができますか?掃除ができますか?など、確かにできるので「ハイ」と答えがちですが、そうではなく、できても確認ができないとはっきりいう方が良いそうです。
それから、頼む際は、介護保険制度、ケアマネージャー、障害福祉制度を交え、相談することがベストでありますが、職員の移動等の関係で認識不足などがあるため、利用する側もしっかり調べるなどして、相談したほうが良いとのことです。また、介護保険制度は有料で、ガラス窓にしても、家の中は拭くが外は拭かないというようなことがあるそうです。障害福祉制度は無料とのことでした。いずれにせよ、利用者は介護保険制度、障害福祉制度の内容をしっかり調べた上でお願いすることが良いとのことでした。
事務局長 矢崎繁
定期総会は皆様の声を会活動に反映させる大切な機会です。一人でも多くの皆様の出席をお願いします。資料は4月に入りましたらすぐに送らせて頂きます。やむを得ず欠席となる場合にも資料をご覧の上、同封の委任状のご返送をお願い致します。
また、役員会につきましても、関係の皆様には是非出席くださいますようお願いします。場所はいずれも山梨ライトハウス2階研修室です。
部長 埜村和美
6月11日から13日にわたり開催される第71回日盲連全国大会の最終日、本会は午前の福祉大会に参加の後、体育文化部研修として、貸切の屋形船でのクルーズと昼食を楽しみます。
3月31日(金)までに各支部長さんにお申込み下さい。なお、甲府支部は名取利一さん(電話090−3595−4362)までお願いします。
本会が山梨県警に要望を出していました、複数人が同時に乗車できる「タンデム自転車」の公道での走行ができるようになりました。
県警交通企画課によると、県道交法施行細則を一部改正し、タンデム自転車は2人乗りを対象とし、3人以上は対象外。2017年9月現在、隣県の静岡、長野を含む16府県で公道走行が可能で、いずれでも事故や苦情がなかったことから改正を決めた。
工事期間は8月上旬までの予定です。通行の際はご注意下さい。
3月に入り一雨ごとに暖かさを感じ、電車に乗っていると梅の花が咲いているなどと、ひそやかな話し声が聞こえてきます。やっと寒い冬も終わりかと思うこの頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
先月号のトピックスで甲府駅南口のエレベーターの共用開始とともに、エスカレーターの工事についてお知らせしましたが、甲府市役所によりますと3月2日安全確認後、24時間稼働を始めたとのことです。公共施設の利便性がまた一歩前進し、移動しやすくなりました。お出かけには良い季節になってきます。南口のバスターミナルも完成し、以前とはだいぶ様変わりしました。お出かけの際は十分気を付けてお出かけください。
(事務局長 矢崎繁)
訃報 長年にわたり会の為にご尽力頂きました甲府支部の輿水利夫様が2月11日に逝去されました。謹んでご冥福をお祈りいたします。
山視協だより 平成30年3月号
発行人 一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会
〒400−0005 山梨県甲府市北新1−2−12
山梨県福祉プラザ1階
発行責任者 会長 堀口 俊二
編集責任者 事務局長 矢崎 繁
電話 055−252−0100
FAX 055−251−3344
http://yamashikyo.sakura.ne.jp
平成29年8月1日現在
*既に各自治体において日常生活用具として認められている用品を中心に掲載
分類、種目、概要、耐用年数、基準額、対象、備考の順
視覚障害者向けの用具のうち、白杖(はくじょう・白いつえ)、義眼、視力矯正や紫外線をさえぎるための眼鏡(遮光眼鏡)は「補装具(ほそうぐ)」に指定されており、購入に際しては、市町村から補助があります。
「上限基準額」とは、補助を受けられる金額の上限という意味で、上限基準額を超えた部分は自己負担となります。
「耐用年数」とは、同じ種目のものを購入する際、補助を受けられない年数です。
上限基準額など詳しくは、お住まいの市町村窓口までお問い合わせください。