第55号 平成30年 7月15日発行
一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会会報
巻頭言 | |
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福祉サービス地域格差解消に向けて | ・・・・・1 |
行事報告 | |
日盲連合結成70周年記念第71回全国盲人福祉大会報告 | ・・・・・2 |
スポーツ協議会代表者会議 | ・・・・・5 |
あはき協議会代議員会 | ・・・・・6 |
バリアフリー分科会 | ・・・・・7 |
職業分科会 | ・・・・・9 |
体育文化部研修旅行に参加して | ・・・・・10 |
女性部研修会報告 | ・・・・・10 |
今後の予定 | |
無免許者撲滅キャンペーンについて | ・・・・・10 |
平成30年度第2回役員会のお知らせ | ・・・・・11 |
福祉部講演会のお知らせ | ・・・・・11 |
支部だより | |
甲府支部 | ・・・・・11 |
トピックス | |
日盲連顕彰受章者について | ・・・・・12 |
グランドソフトボールチーム準優勝 | ・・・・・12 |
事務局よりお知らせ | |
厚生労働大臣免許保有証の交付申請について | ・・・・・12 |
2018年9月発行「点字電話帳山梨県版」について | ・・・・・12 |
白い杖愛護作文・生活体験文募集 | ・・・・・13 |
第21回障害者文化展作品募集 | ・・・・・13 |
山梨県立盲学校より サマースクールのお知らせ | ・・・・・13 |
「山視協だより」は赤い羽根共同募金の配分金により作成されています。
会長 堀口俊二
アブラゼミの声が暑さを際立たせ、競うように各地の最高気温が報じられるこの頃ですが、皆さんいかがお過ごしですか。間もなく土用の丑の日、暑さに負けぬようウナギなど食べながら精をつけたいものです。
さて、本来ならば今月号では日盲連第71回全国大会のレポートをお伝えするところでしたが、不覚にも大会直前に突発性難聴になってしまい、大会参加を断念する結果となってしまいました。全盲の私としては、聴覚障がいを残すことだけは回避したいという強い思いからの選択でした。早期治療が功を奏したのか、お陰様で2週間ほどの服薬で聴力は元に戻り、体調もすっかり回復しました。大勢の方々にご迷惑やらご心配をおかけし大変恐縮しております。皆様方の温かいお心遣いにこの場を借りて感謝とお礼を申し上げる次第です。
そこで、今回は最近問題となった県内市町村の福祉サービス格差について取り上げてみたいと思います。先月半ばに、視覚障害生活訓練等指導者の金山さんより以下のようなお話がありました。市川三郷町と富士川町在住の視覚障がい者が白杖を補装具として申請したところ、医師の意見書の提示を求められたので、他の市町村では意見書がなくても申請できている旨を説明しましたが、理解していただけなかったというものです。
早速矢崎事務局長と相談の上、補装具給付は国の制度で市町村格差があってはならないものであり、該当の役場に会として堀口より電話で改善をお願いすることとしました。昨年の補装具・日常生活用具研修会の資料を元に、盲人用安全杖の申請では意見書を省略できる旨を丁寧にお伝えしたところ、書類のチェックが不充分だったので、今後は意見書無しで申請を受け付けるとのお返事をいただくことができました。
このことを通じて感じたことは、役場の担当の方も人事異動等で福祉サービスの詳細まで充分熟知していないケースがあり、会として正確な情報をお伝えし理解を求めていくことがいかに大切かということです。もし、皆さんのお住いの地域で同様のことがありましたら、お知らせいただければ支部長さんと相談しながら対応していきたいと思います。
なお、日常生活用具のプレクストーク再生機の給付額が、現物の価格より1万円以上低く設定されており、不足分が個人負担となってしまっている市町村が多数あるとの情報もライトハウス用具部等からいただいており、これまた各支部長さんと相談しながら対応を検討しているところです。
福祉サービスの地域格差解消は、各市町村の事情もあり一朝一夕にはいかないかもしれませんが、どこに住んでいても必要なサービスが的確に受けられるというのが常日頃からの私たちの願いです。皆さんと力を合わせ、より暮しやすい社会の実現を目指しましょう。
事務局長 矢崎繁
大会スローガンを「継承しよう 70年の歴史と先人の思い・急ごう 都市型大災害への備え・守ろう あはきによる職業的自立・確立しよう 外出時の安心安全」として、日本盲人会連合(竹下義樹会長)と東京都盲人福祉協会(笹川吉彦会長)の主催による標記大会が、6月11日〜13日の3日間、東京都台東区の浅草ビューホテルならびに東京文化会館を会場に開催されました。
全国の視覚障がい者代表が一堂に会し、自立と社会参加の促進に向け、さまざまな課題を論議し、今年度の運動方針が決定されました。
11日は平成30年度定時評議員会、あはき協議会代議員会、スポーツ協議会代表者会議、ブロック長会議が行われ本会からは、あはき協議会代議員会スポーツ協議会代表者会議に出席しました。
12日は日盲連竹下会長、都盲協の笹川会長挨拶の後、結成70周年記念研修会、テーマを「70年の歴史と先人の思いを語る」として、パネリストの日盲連名誉会長・都盲協会長笹川吉彦氏、相談役板垣成行氏、女性協議会相談役新城育子氏。進行役に青年協議会長伊藤丈人氏、関東ブロック協議会青年部会長江見英一氏により行われました。
まず初めに50周年記念大会のビデオの一部(天皇陛下の式典に寄せるお言葉)が流され、その後各パネリストからは自己紹介と日盲連との関わりが語られ、一番力を入れてきた省庁への陳情活動など、視覚障がい者の現状をどうとらえているか、高齢化問題、移動、情報収集など基本的問題点が語られました。最後に、日盲連に対し、叱咤激励もある研修会となりました。
全国盲人代表者会議(前半)では日盲連会長より、今後10年を見据えた戦いとして、大きな柱となる運動方針や各地方から上がってきた課題等論議し集約をしていきたい、と挨拶がありました。
議長、運営委員、議事録署名人の選出などが行われ、議長の日盲連小川副会長、都盲協笹川会長により議事に入りました。
まず、日盲連本部の提案、本年度の運動方針12項目が提案されました。
以上の12項目を運動の柱の中心とし、それに時々の情勢に応じた取り組みを進めていきたいとの説明があり、質疑応答が行われた。
続いて特別決議の決議案が示され、マラケシュ条約の批准の承認、著作権法の改正を受け、マラケシュ条約の目的は発行された著作物を利用する機会を促進する、障がいがあっても多くの本を読めるようにすることであり、視覚障がい者を含む読書困難者が出版物を含む様々な情報にアクセスできる環境を実現するため、読書バリアフリー法(仮称)の早期制定を求めるものであるとし採択されました。
後半では各分科会(生活、バリアフリー、職業)の結果が報告され、竹下会長より補足説明があり、あはき19条裁判問題では署名、募金のさらなる協力をとのことでした。
以上本部提案、各団体からの運動方針が承認されました。
全国盲人福祉大会の最終日は、全国から視覚障がい者ならびに関係者約2千人が東京文化会館に参集し、盛大に大会式典と議事が行われました。
まず、秋篠宮同妃両殿下ご臨席の下、第1部の大会式典が行われ、開会宣言、国家・日盲連の歌斉唱に続き、記念大会実行委員長の都盲協笹川吉彦会長より歓迎の挨拶が述べられました。
次に、日盲連竹下会長より主催者挨拶があり、「日盲連を結成し、視覚障がい者の自立と社会参加の実現を目指し、70年の歩みを続けてきた。この70年間の日盲連の歩みは、日本の戦後における障がい者の福祉の歩みと歩調を合わせてきたともいえる。今日の日本における視覚障がい者の立つ位置が前進してきたのは、先人たちの団結があり、理解し支えてくれた多くの方々の力があってこそであり、我々は感謝しなければならない。そしてこの70年の歩みを10年、20年とさらに受け継いでいかなければならない。この大会がさらなる発展に結び付けるすばらしい一歩となっていることを確信している。」と述べられました。
続いて、秋篠宮殿下よりお祝いのお言葉を賜り、その後、日盲連顕彰等受賞者に表彰状、感謝状の贈呈、来賓より祝辞、祝電披露が行われました。
第2部の大会議事では、平成29年度決議処理報告、平成30年度運動方針を執行部の原案通り全会一致で可決。さらに宣言・決議も全会一致で採択されました。
続いて来年の第72回大会開催団体、札幌市視覚障害者福祉協会近藤久江会長より挨拶があり、来年5月26日(日)から3日間、ホテルニューオータニイン札幌と札幌市民交流プラザを会場に開催する旨が報告されました。
矢崎繁
6月11日に浅草ビューホテルを会場に行われたスポーツ協議会では、最初に昨年の全国障害者スポーツ大会(愛媛大会)グランドソフトボールの優勝旗と賞状が竹下会長より優勝チームの愛媛県と福岡県の両チームへ渡されました。決勝戦は悪天候で行われず2チームが優勝とのことでした。
引き続き行われた代表者会議で、濱野昌幸協議会会長は2020スポーツフェスティバルの大会準備・運営に関する協力のお願いと、今まで本会議にて行われていた優勝旗の授与が、全国障害者スポーツ大会の会場で授与ができるように関係団体との協力と理解を得られるように運動を進めて行きたいと挨拶がありました。
議事では、執行部より29年度事業報告・同決算報告・監査報告・30年度事業計画案・予算案の報告、提案がありました。その中で、ブロック組織強化事業・競技区分判定・2020東京オリパラにおける視覚障がい者の参画・視覚障がい者スポーツフェスタの企画について質疑応答・意見があり、承認・可決されました。
代表者会議終了後に「視覚障がい者スポーツの現状と課題、盲学校の現場から」と題し研修会が行われました。講師は視覚障がい者スポーツに30数年間携わってきた、筑波大学附属視覚特別支援学校教諭の原田清生氏でした。
盲学校の生徒数の現状、スポーツに取り組む生徒数の推移、盲学校体育の環境の現状などを解説され、課題としてスタッフの不足、競技者の不足、スポーツ環境の改善、経済基盤の安定の必要性を上げ、現状は厳しいと認識される内容で、スポーツ協議会に対し、統括団体としての役割を期待しているとの言葉もありました。
副会長 広瀬清敏
初日のあはき協議会は午後4時から始められました。
第1号議案 平成29年度事業・会計報告及び監査報告に関する件、第2号議案 平成30年度事業計画・予算に関する件、第3号議案 あはき問題
戦略会議報告、第4号議案 その他が慎重に審議され承認決定されました。
あはき問題戦略会議報告の中から一部を掲載します。
受領委任制度の導入に当たっては不正対策及び受領委任制度による指導監督の仕組みの導入に取り組むことが主要な課題であったが平成30年3月に行われたあはき療養費検討専門委員会において不正対策について合意が得られたので平成30年10月より受領委任制度が開始されることとなった。 専門委員会では不正対策及び受領委任制度取りまとめが行われるとともにあはきの料金改定についての取りまとめも行われた。
矢崎繁
2日目のバリアフリー分科会では各団体より提案された議題を9項目に大きく分類し、討議されました。
一部文言の訂正がされ、以上の提案議題が全て採択されました。
討議の中で、介護者同伴で電車を利用する際の切符の購入について、券売機で子供用切符を買い利用しているとの件に対して、竹下会長より「障がい者手帳を提示すべきものであるので窓口で手帳を見せるのが本来のやり方である」との助言がされました。
毎年同じような課題が提案されてきていますが、どの提案議題をとっても、一つ一つが切実な問題であり、一つでも解消されることを願いながら会場を後にしました。
副会長 広瀬清敏
2日目に開かれた職業分科会には19条関係1題、受領委任払い1題、無免許、無資格、柔整4題、あはきの就労対策2題、あはきその他3題、職場介助者(ヒューマンアシスタント)3題、一般就労、雇用関係5題、年金、手当3題、その他1題、以上9項目23分類について助言者の小川幹夫副会長、藤井亮輔教授のもと、熱心な討議がされました。
その中からいくつかを紹介します。
職場介助者については雇用納付金は企業で働く身体障がい者を支援するものであるため自営業者には適用されないことは法律上明白であるため日盲連では共同組合法を利用できないか、代読代筆サービスが視覚障がいあはき師の施術所において利用できないのか、移動支援事業の利用はどうなのか、厚生労働省障害者雇用対策課において相談検討中である。
山梨県からの「厚生労働大臣免許保有証が身分証明書としても使用できるよう機能の拡大を要望する」は反対の余地はなく好評でありました。
23の議題は一部訂正の上すべて承認されました。
清水きくの
6月13日に日盲連の全国大会と屋形船で食事を兼ねた研修旅行でバス2台で東京へ行きました。午前中は上野の文化会館に行って日盲連の全国大会に参加しました。その後屋形船で美味しい食事を頂いた後東京タワーで買い物をしました。バスの中ではバスガイドさんの気配りやユーモアを交えた説明に時間のたつのも忘れ、とても楽しかったです。今度の旅行では私の知らないことを学んだり、初めての体験など収穫がありました。
女性部長 岡部恵子
女性部では、6月17日(日)午後1時から3時まで山梨ライトハウス2階研修室において第1回研修と総会を行いました。
テーマは「知って得する健康寿命」、講師は山視協副会長女性部担当の小林誠さんにお願いしました。とても勉強になる話で、会員からもとても良かったという声がありました。健康寿命が山梨県男性1位、女性3位、愛知県女性1位、男性3位であるということ、また、介護に関するクイズが6問ほど出されたり、健康寿命のキーワードは「モグモグ、カミカミ、テクテク、ニコニコ、ドキドキ」と話されました。その後、ストレッチを2つ教わった後、会員の中からも健康への心がけを聞きました。なお、総会では全ての議題について承認されました。
今年もJR甲府駅南口と北口において、県民の皆様への広報チラシの配布を行いますのでご協力をお願いします。
事務局長 矢崎繁
第2回役員会を次の日程にて行います。役員の皆様には是非ご出席くださいますようお願いします。都合によりやむを得ず欠席される方は必ず事前に事務局までご連絡ください。
部長 返田順子
皆様こんにちは。梅雨明けも早まり、いつにない猛暑が続いていますが元気にお過ごしでしょうか。さて先月もお知らせしましたが日盲連関東ブロック協議会会長の鈴木孝幸氏をお迎えして講演会を行います。
暑い中ではありますがお誘いあわせの上多くの参加をお待ちしています。
支部長 広瀬清敏
定期総会で樋口市長が祝辞の折、日常生活用具について触れられ、パームソナーに続き今年度から緊急地震速報のテレビの音声を受信できる地デジ対応ラジオが認められることとなったとのうれしい話がありました。また顧問の鈴木市議には議事にも加わって頂き答弁にも協力していただきました。
陶芸教室も無事に終わり、わの会との交流会の準備が進められ、今後講習会、ライフスポーツ大会、甲鍼マ会との合レク、年が明ければ料理教室と行事が続きますが会員の皆様には参加協力よろしくお願いします。
6月10日、水戸市で行われた関東地区グランドソフトボール大会において本県チームが日頃の練習の成果を充分発揮し、準優勝に輝きました。第1戦の群馬、第2戦の埼玉に圧勝し、決勝に臨み東京都と対戦、得点は1対1で引き分けましたが、パーセント率で惜しくも敗れました。
点字版と拡大文字版があります。欲しい方は事務局までお申込み下さい。
なお、掲載内容は次の通りです。
8月30日(木)から9月3日(月)まで山交百貨店5階催事場で開催される山梨県障害者福祉協会主催の障害者文化展の作品を募集します。
6月末の梅雨明けを境に厳しい夏を予感させる暑さとなっています。皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。本号に報告も記載していますが、全国大会最終日の福祉大会では、山梨県は会員席としては最前列の中央で、秋篠宮同妃両殿下をはじめ来賓の皆様がよく見えて良かったとの話も聞こえてきて良かったと思います。さて、7月に入りますと、散歩道沿いの耕作放棄地の草むらではキリギリスの演奏が聞こえるようになりました。益々暑さも厳しくなりそうですが、体調には留意されましてお過ごしください。
(事務局長 矢崎繁)
山視協だより 平成30年7月号
発行人 一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会
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山梨県福祉プラザ1階
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