第66号 令和元年 6月14日発行
一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会会報
巻頭言・行事報告 | |
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第72回日盲連全国大会に参加 | ・・・・・2 |
スポーツ協議会代表者会議 | ・・・・・3 |
あはき協議会代議員会 | ・・・・・4 |
第56回全国盲人代表者会議「生活分科会、バリアフリー分科会、職業分科会」 | ・・・・・5 |
観光報告 | ・・・・・8 |
今後の予定 | |
女性部研修会と総会のご案内 | ・・・・・9 |
クラブより | |
ハーネス友の会 | ・・・・・10 |
トピックス | |
全国障害者スポーツ大会関東地区予選会(GSB)結果 | ・・・・・11 |
事務局よりお知らせ | |
第45回全国盲人文芸大会作品募集 | ・・・・・11 |
白い杖愛護作文・生活体験文の募集 | ・・・・・11 |
国土交通省のバリアフリー関連のガイドライン等について
バリアフリー関連のガイドライン
厚生労働省 「相談支援の質の向上に向けた検討会について
相談支援の質の向上に向けた検討会
日本盲人会連合 紹介動画「〜共に生きる〜 視覚障害者の権利 -日本盲人会連合70年の活動-」
紹介動画 社会福祉法人 日本盲人会連合
日本盲人会連合 将来ビジョン検討委員会 報告書
将来ビジョン検討委員会 報告書 社会福祉法人 日本盲人会連合
「山視協だより」は赤い羽根共同募金の配分金により作成されています。
会長 堀口俊二
今年もうっとうしい梅雨がやってきましたが、皆さんお変わりありませんか。こんな季節には雨に濡れたアジサイなどが心を癒してくれるかもしれません。
さて、標記の大会が5月26日から3日間、記録的な猛暑に見舞われた北海道札幌市で開催され、付き添いを含む12名で参加してきました。分科会については別に報告がありますので、私が出席したそれ以外の会議を中心に大会の様子を報告します。
第1日目の評議員会では、30年度事業報告・決算報告に引き続き、執行部より役員改選に伴う新たな理事・監事候補の提案があり、理事19名・監事3名がそれぞれ賛成多数で選任されました。
2日目の午前中は、スマートサイトとロービジョンケアに関するフォーラムでした。眼科医、視覚障がい者生活訓練専門職員、治療院院長(弱視当事者)がパネラーとなり、それぞれの立場でこの問題について意見発表を行いました。因みにスマートサイトとは、眼科医で視覚に障がいがあると診断した患者に対し、スムーズに関連施設やサービスを紹介できるようにと作られたサイトで、眼科医がサイトから情報をダウンロードしてパンフレットとして患者に配布する仕組みになっています。紙面の関係で詳細な報告はできませんが、このフォーラムは日盲連が弱視者対策により積極的に取り組もうとする姿勢の表れであり、本会のこれからの活動にも参考となる内容でした。
午後の代表者会議では、まず会長より前日開かれた新理事会で、会長に竹下義樹氏(京都府)、副会長に及川清隆氏(岩手県)、近藤久江氏(札幌市)、野口豊氏(長崎県)が新役員として選任されたとの報告がありました。また、引き続き行われた議事では、令和元年度運動方針案が審議され承認されました。
3日目は例年通り式典に引き続き大会議事が行われ、平成30年度決議処理報告、新役員体制報告、令和元年度運動方針、大会宣言案、大会決議案が順次提案され、すべて原案通り承認されました。最後に、次期開催団体の宮城県視覚障害者福祉協会理事長より挨拶があり、来年度は6月14日(日)〜6月16日(火)仙台市サンプラザで開催予定との案内がありました。
3日間予想外の暑さに若干苦しめられましたが、天気はまずまずで観光組も含め所期の目的を達成し無事帰路につくことができました。旅行全体をサポートしていただいた日之出観光の方々、移動や食事などに細やかな気配りをいただいたヘルパーの方々に感謝の気持ちを込めながら改めてお礼申し上げたいと思います。有難うございました。
矢崎繁
初日の5月26日、ホテルニューオータニイン札幌にて、日盲連スポーツ協議会代表者会議が代表者55名が参加し行われました。
会議に先立ち、昨年福井県で行われた全国障害者スポーツ大会グランドソフトボール競技の優勝旗と賞状が竹下日盲連会長から優勝チームの鹿児島県へ渡されました。
引き続いて行われた代表者会議では 濱野昌幸協議会会長の2020スポーツフェスティバルの準備状況なども含め挨拶があり、議事では、平成30年度事業報告・同決算報告・監査報告・令和元年度事業計画案・予算案が執行部より報告・提案が行われ、その中で、ブロック組織強化事業、2020視覚障害者スポーツフェスタの企画、予算執行、質疑応答など活発に行われ、異議なく承認されました。
会議終了後には「視覚障がい者のパラリンピックについて」と題し、講師にパラリンピアンズで同協議会副会長加藤弘氏により研修会が行われ、初めに障害者スポーツを紹介したビデオ放映が約10分程度あり、その後、来年の東京パラリンピックの会期・競技数の基本的な情報やパラリンピアンズの視点からの注目点などを解説されました。
パラリンピックでは、視覚障がい者が自転車(タンデム)、馬術、サッカー、ゴールボール、陸上競技、競泳、柔道、ボート、トライアスロンの9競技に出場でき、会期は2020年8月25日〜9月6日の2週間の開催となります。加藤氏は「視覚障がい者スポーツの発展に大きく影響する事などが考えられる。来年の大会を応援して盛り上げて欲しい」と呼びかけました。
広瀬清敏
あはき協議会は初日16時開始予定でしたが30分遅れで始められました。
以上が慎重に審議され承認決定されました。役員改選では小川幹雄会長が勇退され、静岡県からの須藤正起氏が新会長に就任されました。
あん摩師等法19条を守る取り組みの中から一部を紹介します。
「大阪、東京、仙台の各ブロックで傍聴団を立ち上げ3か所ともに傍聴席を埋めた。裁判官に対するハガキ発送枚数は3万5,986枚である。裁判官に対する署名活動は大阪2万6,523(内、点字347)、東京2万5,230(点字331)、仙台2万9,267(点字330)となった。活動を行い支えるための募金カンパを行った。全国規模での決起集会を12か所にて実施、総参加者数は1,828名であった」との報告がなされました。
堀口俊二
座長 野口豊氏(長崎県)、舟崎隆氏(札幌市)、助言者 田中伸明氏(名古屋市)の下、38題の提出議案を審議し、本県提案の医療費窓口無料化要望を含めすべての議案を採択しました。毎年のことながら同行援護関係の議案が10題と最も多く、ガイドヘルパーの車の利用、宿泊を伴う場合の利用の難しさ、地域格差の問題、時間制限の問題、個人負担の算定は本人のみの所得でなど、切実な要望が未解決のまま山積み状態であることが浮き彫りとなりました。
次に多かったのが意思疎通支援事業とリハビリテーション・訓練関係で、各4題の提案がありました。意思疎通支援関係では、代読・代筆の認知度がまだ低く、サービスをスムーズに受けられていない実態が明らかとなりました。リハビリテーション関係では、単独歩行者の事故の多発を背景に、歩行訓練指導員の国家資格化や配置基準の明確化など、歩行訓練の充実と地域格差解消を望む声が多数出されました。
また、高齢者問題も3題提案され、養護盲老人ホームへの入所要件の緩和など、早急な解決を望む声が出されました。今年も多くの議案が提出されましたが、ほとんどが継続的な要望であり、障害者差別解消法が私たちの要望実現にどれほどの力になっているのか疑問を感じてしまいます。ともあれ、どれをとっても本会にも当てはまる課題であり、この1年の運動の成果を期待したいところです。
矢崎繁
大会2日目に行われたバリアフリー分科会では、座長に鈴木孝幸氏(神奈川県)、近藤久江氏(札幌市)、助言者に日盲連副会長・及川清隆氏により55名の出席者をもって41題の提案議題を大きく7項目に分けて話し合われました。
一部記載の内容を変え、障害者割引に対応した交通系ICカードでは全国的に利用できるものの整備について要望すること、ラウンドアバウト交差点を整備する際は歩道橋や地下道などを設置するよう要望、静音車の接近通報装置は自動車を再始動したとき装置が起動する仕組みすることについて審議されすべてが採択されました。全ての議題が身近な問題であり、一日も早い問題解決が望まれます。
広瀬清敏
2日目に開かれた職業分科会には、19条関係1題、受領委任制度2題、無免許無資格1題、理療教育2題、あはきの雇用拡大3題、あはきその他1題、職場介助者(ヒューマンアシスタント)6題、雇用就労関係5題の以上8項目21分類について助言者の小川幹雄監事、藤井亮輔教授の下、熱心な討議が行われました。中からいくつかを紹介します。
雇用就労関係では国家公務員、地方公務員における障がい者の水増し雇用を根絶。各団体において調査を実施するよう呼びかける。障がい者全体の雇用率だけでなく障がい種別の雇用率も公表する。正社員への転換と待遇改善の充実を要望するなどです。
あはきその他では山梨県からの「厚生労働大臣免許保有証が身分証明書としても使用できるよう機能の拡大を要望する」に対し身分証明書として必要と思われるマイナンバーなど加え早急に手を打って欲しいと要望しました、
21の議題の内、理療教育の二つの議題は訂正の上承認され全ての議題が承認されました。
埜村和美
札幌大会では、小樽市内の見学と支笏湖と洞爺湖周辺を観光しました。小樽市は新千歳空港から西へ、JR千歳線で75分の所にあり、人口11万人余りの北海道では7番目の都市です。
小樽市内は、観光ボランティアの野沢さんが案内してくださいました。この日は大変な猛暑でしたが、廃線になった旧国鉄手宮線の線路に触れたり、今は資料館になった旧日本銀行小樽支店内を見学しました。その後小樽で最も観光客の人気を集める、小樽運河にも行きました。小樽運河は海岸の沖合いを埋立てて造られ、全長1,140mあります。運河は戦後になると埠頭や海岸の整備により、運河としての使命を失い、また水質汚染が進みましたが、運河を観光の目玉とする気運が高まったため、水の澄んだ今では多くの観光客が写真撮影をするようになりました。
小樽での最後は、ガラス吹き体験です。その歴史は、石油ランプと漁具の浮き玉から始まりました。北海道は電気の普及が追いついていなかったため、ガラス製の石油ランプが各家庭での「あかり」として必需品でした。また、小樽は漁業が盛んであり、特に明治から大正にかけてはニシン漁の全盛期で、当時は漁具としてガラス製の浮き玉を使用していました。時代の変遷とともに実用を失ったこれらのガラス製品から、デザイン性の高い物への需要が高まり、現在のガラス工芸として発展し、また旅の思い出としてのガラス吹き体験が人気を集めるようになりました。
私たちも高温に耐える手袋や手っ甲、エプロンをつけ、1,200度に熱せられた炉に向かいました。そしてスタッフの懇切丁寧な指導を受けながら、それぞれオリジナルのタンブラー作りに挑戦しました。熱いガラス玉に思い切り息を吹き込んだり、道具を使って器の内側を滑らかにしたりなど、初めての経験に皆真剣に取り組んでいました。この夏は仕上がったタンブラーで、冷たい物やビールを飲むのが楽しみです。
支笏湖遊覧では、透明度の高い水の中で泳ぐ魚や、噴火でできた柱状節理のアナウンスを聞きながら、湖面を渡る風に吹かれました。洞爺湖では昼食のあと湖周辺を散歩し、有珠山ロープウェイからは昭和新山や有珠山の雄姿を心に描き、そしてたくさんの熊が飼育されている熊牧場を見学しました。北の大地の風光は圧巻であり、海産物のおいしさを満喫し、大会会場である大都市札幌の活気ある空気を感じることのできた、思い出深い旅となりました。
部長 岡部惠子
女性部では次の日程により、役員会と第1回研修と総会を開催します。男性の方も参加可能です。
市瀬 實
ハーネス友の会では去る5月19日(日)に県防災新館交流室に置いて2019年度総会と研修会とを開催しました。
総会では前年度事業・会計報告、本年度事業計画案・予算案等が原案通り承認されました。役員が改選され、会長に相吉さん、副会長に酒井夏美さんと今福さん、事務局会計に山本さん、書記に矢崎さん、監事に樋口さんと中村スミ江さん、相談役に井上さんが選出されました。
午後は、甲府市が中核市になったことに伴い、盲導犬事業についても県から甲府市に窓口が移された部分があるかを含めて、県障害福祉課の福本統括課長補佐を講師にお招きして研修を行いました。
お話の内容は、
@県から甲府市に窓口が移されたのは、盲導犬を伴う視覚障がい者に対する入店拒否等苦情相談であること。甲府市の担当部署は、甲府市障がい福祉課サービス支援係(055-237-5654)担当:上田様。
A盲導犬の貸与については他の市町村と同様、県障害福祉課(盲導犬担当吉田様)が担当すること。
お話の後の意見交換では福本統括課長補佐から、盲導犬受け入れ拒否の事例があったら直ちに県へ報告して欲しいとの申し入れがあり、会員からは県が設置した盲導犬のトイレに屋根を付けて欲しいなどの要望が寄せられるなど充実した研修会になりました。
5月18日(土)、19日(日)に東京都で行われ、6チームが出場しました。
成績は、優勝:東京都、準優勝:山梨県、第3位:埼玉県でした。来年は山梨県が当番県となります。
いよいよ暑い夏となりますが皆様お元気でしょうか。今月号は全国福祉大会(札幌大会)の内容が掲載されていますが、私もすでにその北海道で猛暑を体感してきました。5月としては異例の暑さだとか。
もう一つ意外なことに驚きました。3日間の内で野鳥の声を聞いたのは初日の5月26日札幌駅から会場までですずめの声を一度だけ。案内していただいたボランティアさんによると北海道にはツバメはいないとのこと。
初めての北海道、自然があふれているイメージでしたが、札幌は駅周辺の地下道や地下鉄49駅すべてにホームドアが設置されていることなど見ますと大都市と実感しました。
山梨の我が家に戻った翌朝はホトトギスの声で目を覚まし、6月に入るとカッコーの声を聞き、いよいよ夏だと実感している今日この頃です。いないと言われたツバメ、調べてみました。北海道でも牧場などの子育てができる環境の場所には少ないがツバメはいるとのこと。まだ暑さには慣れない時期でもあります。皆様も気を付けてお過ごしください。
(事務局長 矢崎繁)
山視協だより 令和元年 6月号
発行人 一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会
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山梨県福祉プラザ1階
発行責任者 会長 堀口 俊二
編集責任者 事務局長 矢崎 繁
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