第69号 令和元年 9月13日発行
一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会会報
巻頭言 | |
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7月に報じられた理不尽な出来事 | ・・・・・2 |
行事報告 | |
令和元年度第2回役員会報告 | ・・・・・3 |
キャッシュレス決済について | ・・・・・7 |
今後の予定 | |
寿の集いへのお誘い | ・・・・・9 |
三団体交流スポーツレクリエーション祭のご案内 | ・・・・・9 |
点字・パソコン競技会と文化祭のご案内 | ・・・・・10 |
グランドゴルフクラブより | ・・・・・11 |
支部だより | |
南アルプス支部 | ・・・・・11 |
トピックス | |
令和元年度障害者援護功労者等知事表彰 | ・・・・・12 |
事務局よりお知らせ | |
視覚障害者横の会より 福祉制度説明会および個別相談会のご案内 | ・・・・・12 |
山梨青い鳥奉仕団より 音訳部朗読発表会のお知らせ | ・・・・・13 |
日盲連より信号機に関する要望書について
昨年12月の早朝に発生した視覚障害者の交通死亡事故も踏まえ、信号機に関する要望を行いました。内容をお知りになりたい方は次の日盲連ホームページでどうぞ。
信号機に関する要望書 社会福祉法人 日本盲人会連合
社会福祉法人日本盲人会連合 弱視問題対策部会 第1回委員総会 報告書
弱視問題対策部会 第1回委員総会 報告書
「山視協だより」は赤い羽根共同募金の配分金により作成されています。
会長 堀口俊二
「名月や座頭の妻の泣く夜かな」
彼の塙保己一が、「花ならば探りても見ん今日の月」と月見の心情を読んだ句に対し奥さんが答えたという有名な話です。何かと世知辛い昨今、十五夜の風情をゆっくり楽しめるような心の余裕を持ちたいものです。
さて、今月はふた月ほど前に報じられた視覚障がい者の点字ブロック上での何とも理不尽な衝突事故について触れてみます。既にご存じの方も多いかとは思いますが、内容の確認を兼ねて以下に7月18日付で発せられた日盲連の声明文を記します。
今月3日朝、東京都八王子市の京王八王子駅前の路上で、点字ブロックを利用して勤務先に向かって歩いていた同市在住の視覚障がいの男性が、通行人と衝突する事故が発生した。この時、視覚障がいの男性が使用していた白杖は破損して路上に転がった。そして、視覚障がいの男性がかがんで転がった白杖を拾おうとしたところ、衝突した通行人から「目が見えないのに一人で歩くな」と暴言を浴びせられた上に、右足をけられ、通行人はそのまま立ち去った。被害を受けた視覚障がいの男性は、衝突した通行人からスマートフォンのような硬いものが落下した音を聞いたという。視覚障がい者の自立と社会参加を向上するために活動している本連合としては、この事故に対し大変な憤りと強い悲しみを感じずにはいられない。点字ブロックは、視覚障がい者が安全かつ確実な移動をするために大変重要なものである。そのため、点字ブロックの上に障害物を置くことや人が立ち止まることなどはあってはならないことである。まして、今回の事故のように、自らが前方を見ていないにも関わらず、結果的に視覚障がい者の歩行を妨害した上、暴言を浴びせて危害を加えたことは言語道断である。ついては、視覚障がい者の安全な移動を守るため、以下の3点を強く要望する。
私もこの事故には強い憤りと理不尽さを感じずにはいられません。単独歩行をしている視覚障がい者には、不安や恐怖以外の何物でもありません。万一同じような事故に遭遇したら、必ず警察に届け出てきちんとした対応を求めましょう。歩きスマホの危険性は事あるごとに指摘されています。そして何より残念なことは、白杖や点字ブロックに対する無理解者がまだまだ多いことです。このようなマナーに関わる問題は、一朝一夕に解決するものではありませんが、私たちにできることはさらなる啓発活動ではないでしょうか。今後計画されている白い杖盲導犬キャンペーンや、小中学校での福祉講話等はその絶好の機会です。視覚障がいの理解普及のため、それぞれの立場でより活発な啓発活動を進めましょう。
事務局長 矢崎繁
第2回役員会が8月25日(日)午前10時より山梨ライトハウス2階研修室を会場に行われました。主な内容は次の通りです。
福祉部長 名取利一
去る8月25日山梨ライトハウスにて開催された講演会で話された「キャッシュレス」に関した情報を書きます。
キャッシュレスとは、公共料金や保険料金の口座振り込み、店先での商品等の直接購入時、テレビショッピングなどで購入した商品などの支払を振込等により行うものであり、現金を直接取り扱わない支払方法を言います。使用可能なカードの種類は、店舗の入り口のドア等に提示してあります。また、自動販売機で使用可能なカードも現在はあります。
キャッシュレスによる決済のメリットは、多額の現金を持ち歩かなくても買い物等ができる、使用した現金がポイントとしてカードに還元される、記録が残る、支払先の窓口まで行かなくて済むなど、現金の管理が容易にできるようになるなどがあります。また、支払先の管理者も、即座にその日の収支状況が一目で確認できるようになり、時間等のロスも抑えることができ、他の業務等に従事できるようになります。
キャッシュレス決済の支払方法の種類には、後払い・前払い・即時払いの3パターンがあります。
後払い型とは、事前にクレジット取扱会社と契約を取り交わし、いわゆるクレジットカード(VISA・MasterCard・JCBなど)を利用
した決済方法をいいます。
前払い型はカード取扱会社の窓口等でカードに現金をチャージし、カードを入手して電子マネー(Suica・PASMO・nanacoなど)としてのカードを利用して利用料金等を支払うものです。
即時型とは、スマートホンなどによりQRコード・バーコードを読み取り、即座に銀行口座からの引き落としにより決済を取り扱うものです。なお、即時型の中にはクレジットカードによる後払い決済もあります。
キャッシュレスによるデメリットとしては、クレジットカード使用によるお金の使い過ぎ、カードの紛失・盗難・スキミング被害、個人情報の漏えい、都市部以外での使える店舗数がまだ少ないなど、多数の問題点もあります。
最近多い電子マネーによるトラブルとして、インターネット有料サイトの有料料金の未納などをかたった架空請求により、銀行等のキャッシュコーナーで現金を振り込んだり、プリペイドカードの価値が記録されている番号等を伝え多額の現金をだまし取られるケースが多発しています。
お金に関するトラブルについて「大人のためのお金と生活の知恵」より
電話詐欺についてもそうですが、自分の記憶にない現金等を請求された場合は、「私は、絶対騙されることはない」と思わない事。あわてずに、家族や友人などに相談し、それから判断しても遅くはないと思います。万が一、キャッシュレス決済によるトラブル・電話詐欺(特殊詐欺)・悪質商法等によりトラブルに巻き込まれ困った時は、消費者ホットライン・188(いやや)番にいち早く連絡を取り、トラブルに関した相談をしましょう。
最後に、もちろん、個人のカード等の管理は自己責任において取り扱いますが、特に今年の春先からニュースなどでキャッシュレス決済に関したトラブルが多く報道されています。トラブルを未然に防ぐためにもキャッシュレス取扱会社の管理体制の厳密化を図り、未然のトラブル防止を徹底して頂けることを望むものです。
福祉部長 名取利一
先月号でもお知らせしましたが次の通り「寿の集い」を開催いたします。なお、午前中は長寿会総会が開催されます。
体育文化部長 返田順子
この事業は、これまで三団体交流運動会として県下の在宅及び施設利用の視覚障がい者、及びライトハウスと青い鳥奉仕団が一堂に会し、競技を通して親睦を深めるものとして行ってきましたが、近年の異常な暑さや参加者の高齢化などの諸事情により、今年から内容を一新し、標記のような形で実施することとなりました。皆様誘いあわせてご参加くださいますよう、ご案内いたします。
体育文化部長 返田順子
標記研修会を、以下の日程により開催します。皆様誘いあわせてご参加くださいますよう、ご案内申し上げます。
部長 戸澤清茂
恒例となりましたわの会との交流グランドゴルフ大会を次の通り行いますので会員の皆様のご参加をお待ちしております。
支部長 東條芳彦
南アルプス支部では定期総会を4月に開催し、今年度の活動をスタートさせました。
5月には、交流研修旅行を実施しました。静岡県熱海市の赤尾ハーブ&ローズガーデンと神奈川県立生命の星・地球博物館を見学しました。ローズガーデンでは、広い園内を思い思いに散策しながらたくさんの薔薇やそのほかの花々に触れ、香りを楽しんできました。生命の星・地球博物館では、専門ガイドの方が5名付いてくれましたのでグループ単位で説明を聞いたり展示物に触れたりもしてきました。昼食は、たっぷりと時間をとって、熱海の駅前通りを歩きながら、それぞれ好みのものを食したり、お土産を求めたりしました。
今後は、社会人学級を2回ないし3回を予定しています。1回目は11月17日に朗読ボランティアの朗読を聞きます。午後は、ドコモの方にお願いして、スマートフォンの講座を申し込みました。 2022年3月末をもってauの3g携帯電話(ガラ系)向けのサービスが終了し、他の大手キャリアもそれに追随するのではと噂されています。視覚障がい者の間でも、ガラ系携帯電話からアイホンやスマホに代える人たちも増えていると聞いています。それに伴い、今回は、弱視者にも見やすい、らくらくスマホのMEについて解説をお願いし、実際に触って我々が使いやすいかどうかを検証したいと思います。今のところ、日曜日に講座が可能かどうか心配ですが、万一中止の場合は、東條がiPhoneの解説を行うつもりでいます。
来年の1月、ないし2月の社会人学級は、「語りを聴く会」を計画しています。会員の榊原佳美子さんが、ボランティアで市内外の小学校や保育所、図書館などで「おはなし」を語っていると聞き、わが福祉会でも聞いてみたいという意見が出ました。始めて聞きますので楽しみです。わが支部の会員数も年々、減少の一途をたどっていますが、その中で皆さんの協力を得ながら充実した支部活動ができたらと考えています。
網膜色素変性症って何だろう? 眼の難病ですか? 障害者手帳を申請する窓口、行政からどのような支援を受けられるのか、日常生活の過ごし方、
仕事の継続など様々な悩み、悩んでいるあなた、是非ご参加ください。
やっと、朝晩には涼しい風を感じ、夜にはコオロギなど秋の虫の声も聞こえる季節となりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。野鳥の世界では冬を過ごすための準備として群れになり始めた野鳥、一方単独で秋から冬を過ごすモズは高鳴きを始めました。本号には点字・パソコン競技会・文化祭などの内容も記載されています。多くの皆様の参加、文芸作品の投稿はいかがでしょうか。これからは、夏の疲れが出る季節でもあります。体調にはご留意してお過ごしください。
(事務局長 矢崎繁)
山視協だより 令和元年 9月号
発行人 一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会
〒400−0005 山梨県甲府市北新1−2−12
山梨県福祉プラザ1階
発行責任者 会長 堀口 俊二
編集責任者 事務局長 矢崎 繁
電話 055−252−0100
FAX 055−251−3344
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