第83号 令和2年 11月17日発行
一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会会報
巻頭言 | |
---|---|
最近の動きから | ・・・・・2 |
今後の予定 | |
点字競技会と県下視覚障がい者文化祭のご案内 | ・・・・・3 |
職業部講演会について | ・・・・・4 |
トピックス | |
令和2年度障害者援護功労者等知事表彰について | ・・・・・4 |
第23回障害者文化展受賞者について | ・・・・・5 |
事務局よりお知らせ | |
スマートフォン実態調査について | ・・・・・5 |
「クリスマスアイシングクッキーをつくろう」の参加者募集 | ・・・・・5 |
「キャッシュカードや通帳等の盗難・紛失時のご連絡先」 | ・・・・・5 |
編修後記 | ・・・・・6 |
11月29日(日)に開催を予定していました「点字競技会と県下視覚障がい者文化祭」をここのところ山梨県内で新型コロナ感染者が増加しておりますので危険回避のためやむなく「点字競技会と県下視覚障がい者文化祭」を中止しますのでご連絡します。なにとぞご理解のほどよろしくお願いします。
「山視協だより」は赤い羽根共同募金の配分金により作成されています。
会長 堀口俊二
すっかり日の暮れが早くなり、朝晩の冷え込みに秋の深まりを感じます。皆さんお変わりありませんか。
さて、今月は本会に関わる最近の動きをいくつか取り上げてみたいと思います。
まず一つ目は十九条関係です。既にお知らせした通り、東京、仙台、大阪各地裁での公判はいずれも国の勝訴という判決でピリオドが打たれましたが、原告側の平成医療学園グループが控訴したため、高等裁判所での控訴審という第2段階に入りました。このうち、東京高等裁判所では10月1日に、仙台高等裁判所では10月27日にそれぞれ口頭弁論が行われ、いずれも平成医療学園より控訴理由書が、国からは答弁書が出され、それぞれが提出した証拠の取り調べが行われた後、裁判長より控訴審における弁論を終結することが告げられました。判決は東京が12月8日、仙台が12月14日に言い渡されます。今回は、コロナの関係で傍聴席が3分の1に制限されていたため、会としての裁判傍聴は見合わせましたが、関ブロ加盟団体として東京高裁裁判長宛の団体署名に協力しました。大阪高裁控訴審の予定はまだわかりませんが、上記二つの控訴審判決が国の勝訴となるよう願ってやみません。
次は信号機に関する新たな動きです。スマートフォンに信号の状態を音声や振動で伝える機器を、警察庁が2021年度に約2,000基の信号機に設置する方針を決めました。「信GO!」という専用のアプリをダウンロードしておけば、交差点名や渡る方向、信号の色などを音声や振動で確認できる仕組みで、青信号の延長機能もあります。この信号機は、既に宮城、千葉、静岡の3県74か所で試験的運用がなされていますが、本格的な運用が開始されることになります。近隣住民への配慮から音響式信号機が取り付けられない場所や、夜間・早朝など利用が制限される時間帯の横断を支援するシステムとして期待が膨らむ一方、スマホを使えるのが前提条件というのが大きな課題です。おりしも会ではスマホ実態調査実施中ですが、スマホを持っていない方、持っていても思うように使いこなせていない方が相当数おられるように思います。特に、信号機は命に関わるものであり、すべての視覚障がい者が利用できるものでなければなりません。視覚障がい者がより使いやすいスマホ環境の改善に向けた運動、会員のスマホ普及に向けたサポート体制の構築、簡単な操作で信号機の状態を認識できる専用機の開発に向けた運動など、様々な取り組みの必要性を痛感します。
三つ目は、神戸市立神戸アイセンター病院で、他人のiPS細胞から目で光を感じる視細胞を作り、「網膜色素変性」の患者に初めて移植したとのニュースです。臨床研究として実施し、経過は順調で、今後約1年かけて安全性や有効性の検証を進めるそうです。網膜上皮細胞の移植はこれまでに2件行われていますが、光を感じる視細胞そのものの移植は世界初とのことで、視力の回復につながる成果が期待されます。今月は日本点字制定130年、点字が多くの視覚障がい者に光を与えたように、この臨床研究が網膜色素変性症の方への希望の光となるよう願ってやみません。最後はコロナ禍でなえている心を少し明るくする話題でした。
体育文化部部長 返田順子
終了は、16時10分を予定しています。参加される方は、必ずマスクの着用をお願いします。また、体調がすぐれない方は参加をお控え下さい。
職業部では次の内容で講演会を行います。多くの皆様のご参加をお待ちしています。
11月6日(金)に甲府駅北口よっちゃばれ広場において式典が行われ本会の理事 小笠原恭子様が援護功労により表彰されました。おめでとうございます。
会員の皆さまに先月通知させていただきましたスマホのアンケート調査ですが締め切りを11月30日まで延ばします。項目の少ないアンケートですので、まだ出されていない会員さんはアンケートへのご協力をお願いします。なお、電話でも受け付けますので事務局小林(055-252-0100)までお願いします。
一般社団法人全国銀行協会より標記冊子が10部送られてきました。音声コードがついておりスマートフォンの専用アプリで読み取ることができます。必要な方は事務局までお願いします。
朝晩の冷え込みが日に日に厳しくなる霜月。コロナ禍の今後が気になるところですが、皆様いかがお過ごしですか。
今年は例年になく県内外で熊の出没がニュースで報じられています。先月末には長野県伊那市の家の敷地内で女性が襲われ、また今月2日には新潟で男女が襲われたとの報道がありました。昨年と今年はブナの実が凶作、楢枯れでドングリが不作で人里に下りてきているとの話もあります。私の地域では熊の目撃情報はニュースにもなりませんが、紅葉が見ごろを迎えている今日この頃、早朝の散歩には注意したいものです。
さて、野鳥の世界ではシベリアなどの北国からジョウビタキが今月に入り渡ってきたようです。
これからは、インフルエンザ流行期に入ります。皆さんはインフルエンザワクチン接種はお済でしょうか。新型コロナとインフル、ダブル流行に備えお元気でお過ごしください。
(事務局長 矢崎繁)
山梨県視覚障がい者福祉協会会長 堀口 俊二
爽秋の候、皆様にはご健勝にてお過ごしのこととお慶び申し上げます。
さて、このたび第2回理事会で検討の結果、標題のアンケート調査を行うこととなりました。ご存じの通り、21世紀に入って開発されたスマホは、ここ10数年の間に加速度的に普及し、今や国民の主たる情報源となりつつあります。
最近では、単なる個人の情報源というだけでなく、国や地方自治体の各種申請手続きなどもできるようになり、今後この流れはさらに加速するものと思われます。
また、マイナポイントや新型コロナウイルス接触確認アプリの推奨など、スマホ使用を前提とした施策も次々と打ち出されています。さらに、視覚障がい者関係でも、スマホ対応の信号機の試験的運用に大きな注目が集まっているのをはじめ、文字読み取りアプリやナビゲーションアプリの開発など、視覚障がい者の支援ツールとしてのスマホの評価が高まっており、スマホを持たないことによる不利益や新たな格差の発生が危惧される状況となっています。
しかしながら、パソコンのような多彩な機能を有するスマホを使いこなすには相当の努力が必要な上、凹凸の無い画面のタッチ操作は低視力者や全盲者には極めてハードルの高いバリアであり、導入に強い不安や懸念を感じている視覚障がい者が多いのも当然の事実です。このようなことから、当面はスマホ利用の有無で社会生活上の格差や不利益が生じることのないよう、行政をはじめとする関係諸機関に、新たな施策を打ち出す際には必ずスマホを利用していない視覚障がい者へのしかるべき対応策を併せて示すよう、強く求めていかなければなりません。一方、使用環境を整えれば、視覚障がい者の生活を豊にする可能性を秘めているのもスマホです。長期的には、視覚障がい者が有用な支援ツールとして手軽にスマホを使えるようになるよう、視覚障がい者の使用に充分配慮されたスマホ開発の要望、購入後のサポート体制の充実、外付けキーボードの日常生活用具品目への追加要望など、環境の整備に向けた様々な取り組みが必要ではないでしょうか。そこで、会としてこのスマホ社会とどう向き合い、どう対応していくべきか検討を進める手始めとして、本アンケート調査を実施することと致しました。質問項目は少なく、それほどお時間は取らせませんので、何卒ご協力よろしくお願い申し上げます。多くの皆様からの回答をお待ちしています。
山視協だより 令和2年 11月号
発行人 一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会
〒400−0005 山梨県甲府市北新1−2−12
山梨県福祉プラザ1階
発行責任者 会長 堀口 俊二
編集責任者 事務局長 矢崎 繁
電話 055−252−0100
FAX 055−251−3344
http://yamashikyo.sakura.ne.jp