第74号 令和2年 2月14日発行
一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会会報
巻頭言 | |
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防げないのかホームからの転落事故 | ・・・・・2 |
行事報告 | |
職業部講演会報告 | ・・・・・3 |
支部だより | |
都留支部 | ・・・・・4 |
トピックス | |
県警交通規制課より | ・・・・・4 |
韮崎市立大村記念図書館よりお知らせ | ・・・・・5 |
事務局よりお知らせ | |
青い鳥老人ホームに関する調査の実施について | ・・・・・5 |
編集後記 | ・・・・・6 |
日視連よりあん摩師等法19条訴訟 東京地裁で判決 判決の模様と声明をホームページに公開しました。
あん摩師等法19条訴訟に関する声明 社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合
「山視協だより」は赤い羽根共同募金の配分金により作成されています。
会長 堀口俊二
日足が延び、梅の花もほころぶ季節となりましたが皆さんお変わりありませんか。
さて、今月は相変わらず後を絶たない駅ホームからの転落事故について考えてみたいと思います。この半年間でも4件発生し、うち3件は残念ながら死亡事故となってしまいました。日視連でも本会でも、再三に渡りJR等に安全対策を急ぐよう要望しているところであり、声かけサポート運動の普及などは一つの成果とも言えますが、ハード面の改善は思うように進んでいないのが実態です。中でも、ホームドアは最大の安全策であり、これがすべての駅に設置されることを強く願う訳ですが、経費やホームの構造上の問題等から、現在の設置状況はまだ全体の8%にしかすぎません。もちろん、要望活動は一層精力的に続けていかなければなりませんが、短期間での実現が不可能な以上、当事者として今できることは何なのか考えてみる必要があるように思います。
最も大切なのは、歩行訓練を受け安全な歩行の仕方を身に付けることです。本県に歩行訓練が根付いたのはここ数年であり、私を含めほとんどの視覚障がい者は訓練を受けることなく自己流で歩いています。歩き方を見直し、適切な指導やアドバイスを受けることが何より重要ではないでしょうか。ただ、諸事情ですぐには訓練を受けられない方もあるかと思います。そこで、自分の体験やホームから落ちた人の経験談などを踏まえながら、ホームを利用する際の注意点を以下に書いてみます。
一つ目は、島式ホームかどうか確かめておくことです。島式ホームは欄干の無い橋とも例えられ、両側が線路なので大変危険です。充分心して歩かなければなりません。次に気をつけたいのが思い違いや思い込みです。自分の位置や方向、反対のホームに入ってきた電車と自分が乗る電車、ドアと連結器、乗った車両番号の勘違いなど、間違った思い込みは事故につながります。特に、位置や方向の思い違いは全盲者のみならず、視野の狭い弱視者にもありがちで大変危険です。かならず点字ブロックで、位置や方向を確認しながら歩きましょう。そして、通路からホームへ移動する時は、足腰にハンディがない限りエレベーターではなく階段やエスカレーターを使いましょう。自分が線路と平行な向きになっていることが体感できるからです。また、最近ベンチの向きが線路と直角の方向になっているホームも増えています。方向を間違える原因になるので気をつけましょう。
次に、階段の脇も要注意です。ほとんどの駅で大変狭く、少しでも方向を間違えれば転落してしまいます。そして、白杖はかならずスライドさせながら歩きましょう。万一、方向を間違えたり、向かいの電車に誤って乗ろうとした時でも、転落の1歩手前で踏みとどまることができます。電車に乗る時には、前よりの車両なのか後よりの車両なのか確かめておきましょう。降りてからの歩行の安全につながります。また、改札に向かう階段の所には小鳥のさえずりが流れているので、方向を定める目安にするといいでしょう。
以上、思いつくままに書いてみましたが、あくまで参考であり、これだけで足りるものではありません。皆様方の創意・工夫なども是非お聞かせください。痛ましい事故に遭わないよう、お互いに知恵を出し合っていきましょう。なお、駅側に予め案内をお願いするのが大変有効な方法ですが、無人駅の多い県内ではかならず利用できるサービスと言えないのが残念です。改善策が講じられるよう願ってやみません。
部長 酒井弘充
昨年12月15日(日)午後1時半から山梨ライトハウス盲人福祉センター研修室において、職業部講演会が行われました。
今回は株式会社サポート愛いばらぎ代表の軍司有通先生をお招きして、「私の振り向かない人生」というテーマでご講演をいただきました。先生は中途視覚障がいであはき師となり、複数の治療院や訪問マッサージを経営しながら、就労継続支援や同行援護サービス等の障害福祉サービス事業所の立ち上げも行われてきた方です。本県においては視覚障がい者自らが全く未着手な部分であり、今後の方向性を指し示すと同時にとても参考になるお話をいただきました。
支部長 菊島巧
今年度も年間行事の内容は大きくは変わりません。4月の都留市ボランティア祭りでの無料マッサージコーナーや、9月の敬老の日に合わせての無料マッサージを通して大勢の方々にマッサージを体験してもらいました。7月には、視覚障がい体験会を開きました。ライトハウスや日本盲導犬協会の協力を得て、盲導犬についての講演会、日常生活用具の展示、白杖・盲導犬での歩行体験などを行いました。小学生から大人まで多数の方々に参加していただき、貴重な体験になったと感想をいただきました。
11月には都留市障害者スポーツ交流会で、都留市内の施設・作業所の方々とグランドゴルフを通して楽しいひとときを過ごし、交流を深めることができました。その他、偶数月にデイサービスでの無料マッサージ及び役員会も行っています。12月に行う予定だった研修会は、2月下旬に行う予定です。
令和2年度より都留支部長は、相沢幸雄さんになります。会員みんなワンチームで頑張ります。
現在ライトハウス・盲学校入口の信号機に併設されている振動するタイプの柱が今年の4月いっぱいで撤去されます。音響式の信号機になっていますので、ピヨピヨカッコウの音に従って横断して下さい。
青い鳥老人ホームより標記のアンケート調査への協力依頼がありました。皆様の将来に関わる問題ですので趣旨をご理解頂き、ご協力のほどよろしくお願いします。
調査表は返信用封筒とともに「山視協だより」に同封しております。メールの方は添付ファイル等で送らせていただきます。3月13日(金)までに直接持参、郵送、電話、ファックス、メールなどでの回答をお願いします。
日増しに日照時間が長く感じられるこの頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。今月に入り甲府の奥村不老園も梅が咲き初め、開園したとの情報もありましたが、一方、毎日のようにニュースで流れる新型コロナウイルスによる肺炎の拡大を伝えるニュースも気になるところです。このコロナウイルスには消毒用アルコールが有効とのことで、外出時には携帯用スプレーの持参も考えてしまう私です。まだまだインフルエンザも流行期にあります。皆様も体調には十分気を付けてお過ごしください。
(事務局長 矢崎繁)
山視協だより 令和2年 2月号
発行人 一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会
〒400−0005 山梨県甲府市北新1−2−12
山梨県福祉プラザ1階
発行責任者 会長 堀口 俊二
編集責任者 事務局長 矢崎 繁
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