第80号 令和2年 8月14日発行
一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会会報
巻頭言 | |
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鉄道ホーム改善推進協会オンラインシンポジウムに参加して | ・・・・・2 |
今後の予定 | |
福祉部研修会開催のご案内 | ・・・・・3 |
体育文化部研修中止のお知らせ | ・・・・・4 |
支部だより | |
南アルプス支部 | ・・・・・5 |
甲府支部 | ・・・・・6 |
事務局よりお知らせ | |
工事のお知らせ(旧山交百貨店前歩道・ダイタビル前歩道) | ・・・・・6 |
免許保有証の交付申請について | ・・・・・7 |
山梨県職員採用選考試験の実施について | ・・・・・7 |
韮崎市立大村記念図書館よりバリアフリー落語のご案内 | ・・・・・7 |
編修後記 | ・・・・・8 |
読書バリアフリー法の基本計画について
・文部科学省 報道発表
・文部科学省 基本計画
バリアフリー法に基づく基本方針における次期目標の中間とりまとめを公表します!〜今後、最終とりまとめに向け、さらに検討を進めます〜
バリアフリー法に基づく基本方針における次期目標の中間とりまとめ
「山視協だより」は赤い羽根共同募金の配分金により作成されています。
会長 堀口俊二
ようやく長かった梅雨が明け、蝉しぐれとともに開放的な夏がやってきました。といいたいところですが、今年ばかりはコロナコロナで心の中は梅雨空のままです。暑さで体力も消耗しがちです。くれぐれもご自愛ください。
さて、今月は去る7月25日に開催された標記シンポジウムの参加報告です。鉄道ホーム改善推進協会は、その会則によると「鉄道駅ホームを利用する障がい者、高齢者、子供に代表されるような、より安全性の高い利用環境を必要とする市民と、その改善に取り組む諸団体及び運用団体、管理機関との間に入り、身近な生活の問題として共に考え、理解し、相互に協力できるように、様々な具体的な設備や利用マナー、配慮や対策、工夫についての有り方を日常的なわかりやすい啓発活動で、広く社会に伝えていくための事業を実施する」ことを目的として、2013年に立ち上げられた団体です。以前にも1度この会の研修会に参加し、押しボタン式ドア開閉車両の本県における実状を問題提起してきた経緯があります。
今回は、「駅ホームの安全性における現状と課題、近未来にはどのようになっているべきか」をテーマに3名のシンポジスト(株式会社音楽館代表取締役社長向谷実氏、慶応大学心理学教授中野泰志氏、視覚障がい者の歩行の自由と安全を考えるブルックの会代表加藤俊和氏)の話を中心に進められました。
一番印象に残ったのは、ホームドア作製に携わっている向谷氏から紹介された軽量バー式ホームドアです。従来のホームドアに比べコストが桁違いに安く、軽量であるためホームの強度を選ばずどこでも設置できるそうです。現在九州筑肥線で採用されているほか、京浜急行線の汐入駅でも採用されており、関東近郊の鉄道業者でも導入を決めた所が出始めているとのことでした。
そんな折、7月26日に東京のJR阿佐ヶ谷駅で、またしても視覚障がい者の転落という痛ましい事故が発生し、尊い命が失われてしまいました。何とも悔しくやるせない思いです。事故防止の最善策はホームドアしかありません。新技術による低価格なホームドアの考案と普及の加速化を強く願わずにはいられません。
次に、ブルックの会の加藤氏からは、平成17年実施した単独歩行者119人に対するアンケート結果が報告されました。それによると、ホームからの転落経験者16%、転落しそうになった者35%、方向がわからなくなった者27%、自分の場所がわからなくなった者15%、向かい側の列車をこちら側と思った31%、島式ホームの反対側に近づいてしまった20%、アナウンスの勘違い7%、考え事をしていた22%、飲酒をしていた4%、ふらついた3%だったそうです。それぞれ思い当たる方もおありではないでしょうか。大変貴重なデータであり、今後の事故防止のヒントになる内容も多くありました。
会としては、8月4日(火)に矢崎副会長と堀口、それに歩行訓練士の金山さんの3名で甲府駅を訪ね、JR東日本に対し内方線付き点字ブロックの県内すべての駅への敷設、すべての駅での普通列車のドアの開放など6項目を要望してきました。また、併せて上述の軽量バー式ホームドアの情報も伝え、その導入を検討していただきたい旨お願いしてきました。ハード面など時間のかかることもあるかとは思いますが、1日も早く、視覚障がい者が単独でも安全に駅ホームを利用できるよう、環境改善に向けた要望活動を続けていかなければならないと痛感しています。もうこれ以上痛ましい事故のニュースは聞きたくありません。
福祉部長 名取利一
梅雨明け宣言が報じられ、じめじめとしたうっとうしい季節が終わり、夏本番を迎えました。しかし、コロナウイルス感染症に関した恐怖感はもちろんのこと、この原稿を書いている当日も報道等で告げられていましたが、気象庁による大雨・洪水警報が出され、県下各地に局所的な大雨が降り、状況によっては道路の通行止め、土砂崩れ、床下浸水が発生したなどと、怖さを感じるニュース等を耳にしますが、会員の皆様の周辺はいかがでしょうか?
さて、福祉部では、視覚障がい者の歩行に関した内容により、歩行訓練士の金山先生を講師に迎え、研修会を次の日程により開催することとなりました。コロナウイルス感染症の感染者が山梨でも一段と増え、不安な状況が続いている中ではありますが、一人でも多くの会員の皆様のご参加をお待ちしています。
部長 返田順子
体育文化部では本年の研修として、10月11日に「紙漉き体験」と「金山博物館見学」を企画し、準備を進めてきました。しかし県内でも新型コロナウイルスの感染拡大で、患者数が非常に増加してきました。そして部会と本会での討議の結果、今年はやむを得ず中止することになりました。会員の皆様にはご心配をおかけしましたが、ご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。一日も早くコロナが終息し、また皆様と元気に研修会が開催できることを、願っています。
なお点字競技会と文化祭につきましては、11月29日の午後を予定しています。追って詳細は、「山視協だより」に掲載させていただきます。暑さの折、健康にはくれぐれも留意してください。
支部長 東條芳彦
世界中に蔓延しているコロナウイルス、対策や宣言も出されましたが、その是非は別として中国の武漢から発生したウイルスですので記憶に残すためにも私は武漢ウイルスで良い気もしますが、皆さんはどう思われるでしょうか。 健康保持のために私がおこなっているウオーキングも同行援護者との接触になるということで、しばらくできずにいました。わが南アルプス支部では、ご多分にもれず、延期を余儀なくされていた令和2年度の定期総会を会員相互が直に顔を合わせて、7月12日に開催しました。三密を避けるべく、マスク着用、席はソーシャルディスタンスを確保しながら、ホールの、窓を開放しての総会でした。来賓の方々にも出席をご遠慮いただき、時間も2時間で閉じようと心がけ、無事終了しました。皆さんのお元気な様子をまの当たりにし、思い切って実施してよかったと安堵する思いでした。嬉しいことに新入会員もおひとりおられます。今年度の支部事業は、ウイルス感染状況次第で変更も視野に入れながらですが、とりあえず、秋以降に実施することとなりました。交流研修旅行は遠方を避け、県内となりました。なるべく密接にならないよう、バスも大型を予定しています。社会人学級も計画していますが、すべてが、ウイルス感染状況次第と言うことで、今後の推移を見ながら実施するか否かを決定していきたいと考えております。
支部長 廣瀬清敏
いずこも新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続き行事や祭り・イベントなど中止や縮小と先の見通しがつかずコロナ感染の終息を見るまでは支部の活動はやりにくいかと思います。
甲府支部としては従来の行事はやりにくく見通しはつきませんが顧問である鈴木篤市議や障害福祉課などから情報を頂きながら会員の皆様に伝えていきたいと思います。少しでも役に立てる情報を送れればと思っています。
甲府駅付近の 2件の工事の連絡です。お出かけの際には充分ご注意ください。
1 旧山交百貨店前歩道
ヨドバシカメラ建設工事を請け負っている五洋建設が工事を行なっており、仮囲いが現在の南北方向の点字ブロックより2mほど西(ロータリー側)にせり出す関係で、仮設誘導ブロックが従来より2.6m西側(ロータリー側)に設置されています。仮設誘導ブロックと仮囲いとの間が40p、途中のロータリー側ベンチとの間が80pと狭くなっています。
また、仮囲いの途中に工事車両の出入り口があります。工事中は人員配置しますが、通行の際は充分気をつけてほしいとのことです。なお、工事期間は来年2月までの予定です。県庁など南に行く際は、ロータリー中の4番線前の通路を利用した方が良さそうです。
2 ダイタビル前歩道
8月8日より飯田通りのダイタビルの工事を早野組が行なっており、工事期間は来年2月末までです。
工事の影響により、飯田通りダイタビル前の歩道に足場を設置し、工事中は現在のダイタビル前の点字ブロックを30p(ブロック1枚分)ビル側に仮設誘導ブロックを移動し、歩行者は足場の内側をトンネルのように通行してもらうとのことです。
工事期間中は人員を配置しますが、通行の際には充分注意してほしいとのことです。
あはき免許保持者が厚生労働大臣免許保有証を所持することは、視覚障がいあはき師の生業を脅かす無免許者の横行を抑える効果があります。また、本年度は、保有証の有効期限が「平成33年3月31日」となっている方の更新の申請が可能となっています。申請、更新の方は事務局までどうぞ。
長い梅雨も明け、県内は本格的な夏を迎えました。皆様いかがお過ごしでしょうか。3日の地方気象台によると、7月は甲府で31日間全ての日に降水が観測され、統計開始以来初めての記録となり、月降水量は7月として史上最多、日照時間は最少を記録したといいます。今月に入り、病害に悩まされた果樹農家は安定した天候を願い、「品質の向上につながれば」と期待しています。我が家の畑は雑草の生育はよく、草取りも間に合ってはいないのが現状です。散歩の途中で聞くキリギリスも7月は数度しか聞けませんでしたが、今月に入りますと、太陽の恵みでしょうかほぼ毎日道沿いの草むらや農耕地の草むらで聞こえてきています。今年は新型コロナウイルスの影響で猛暑でもマスクが欠かせず、外出自粛の傾向で体が暑さに慣れていないので、熱中症のリスクが非常に高いとのことです。皆様も気を付けてお過ごしください。
(事務局長 矢崎繁)
山視協だより 令和2年 8月号
発行人 一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会
〒400−0005 山梨県甲府市北新1−2−12
山梨県福祉プラザ1階
発行責任者 会長 堀口 俊二
編集責任者 事務局長 矢崎 繁
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FAX 055−251−3344
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