第103号 令和4年 7月15日発行
一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会会報
巻頭言 | |
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急がれる踏切の安全対策 | ・・・・・2 |
今後の予定 | |
鍼灸の日行事の中止について | ・・・・・4 |
福祉部講演会のお知らせ | ・・・・・4 |
体育文化部から研修会のご案内 | ・・・・・5 |
支部だより | |
富士吉田支部 | ・・・・・5 |
事務局よりお知らせ | |
厚生労働大臣免許保有証の交付申請について | ・・・・・7 |
令和4年度山梨県職員等採用試験の実施について | ・・・・・7 |
山梨県生涯学習推進センターより | |
受講者募集「災害が起きたらどうする?楽しく学ぼう!」 | ・・・・・8 |
編集後記 | ・・・・・10 |
「山視協だより」は赤い羽根共同募金の配分金により作成されています。
会長 堀口俊二
記録破りの梅雨明けと猛暑、地球温暖化の危機が迫っているのではないかと心配されるこの頃です。コロナ対策に熱中症対策、今年も悩ましい夏になりそうですね。
さて、今回は奈良県で4月に発生した踏切での痛ましい死亡事故について触れてみます。ご存じの方も多いとは思いますが、まず事故の概要を点字JBニュース記事より抜粋して記します。
4月25日午後6時15分頃、奈良県大和郡山市西岡町の近鉄橿原線近鉄郡山〜筒井間の踏切で、目が不自由な同市の女性(50)が京都行き特急電車と接触し死亡した。付近の防犯カメラには、女性が踏切を横断中に遮断機が下りはじめ、線路内で立ち止まる姿が映っていた。
何とも痛ましい事故であり、本人の無念を思うと言葉がありません。謹んでご冥福をお祈りするばかりです。そして、2度とこのような事故が繰り返されぬよう、会としても関係方面への働きかけなど運動を強めていく必要性を痛感しているところです。
事故の概要から、この女性は踏切横断中に警報音が鳴り始めたので恐怖心で頭が真っ白になり、自分の立ち位置がわからなくなってしまったのではないかと類推されます。鉄道関係では、ホームからの転落事故がクローズアップされてきましたが、踏切の横断もこれと同じくらい命の危険を伴うといっても過言ではありません。
都内のように線路が多く、横断距離の長い踏切が危険なのは当然のことですが、線路が2本のごく普通の踏切でも、視覚障がい者にとっては大変怖い場所です。踏切の大半は、踏切道の幅が狭い上、エスコートゾーンなど何の目印もないため、中央をまっすぐ渡るのが非常に難しく、ちょっと曲がっただけでも線路側に落ちてしまいます。また、よく見られる道路と線路の交差が直角でない踏切では、なおさら方向がわかりにくくなってしまいます。しかも、踏切手前に警告ブロックがないため、踏切内に入ったのを気づかない場合もよくあります。ましてや、渡り始めてから警報音が鳴った場合には、恐怖心のため自分の立ち位置など冷静な判断をするのは非常に困難です。こんな危険な踏切に今までバリアフリー対策がほとんどなかったのが不思議なくらいです。
この事故を受け、遅きに失した感はありますが、国土交通省では踏切道での安全対策のため、視覚障がい者団体、学識経験者の意見を聞く中で、「道路の移動等円滑化に関するガイドライン」を改訂しました。改訂内容は次の2点です。
踏切手前部での視覚障がい者誘導用ブロックの設置を標準的な整備内容とする。
踏切内での表面に凹突のある誘導表示等の設置を望ましい整備内容とする。
今更という感はありますが、今後の事故防止のため各鉄道会社には早急に取り組んでいただきたい内容です。そして、踏切内での表面に凹突のある誘導表示等の設置も、望ましい整備内容ではなく、是非標準的な整備内容にしていただきたいものです。
本会では、今年もJR東日本との話し合いの場を持つことになっており、早速対策の推進をお願いしてくるつもりですが、利用頻度の高い踏切や構造上危険な踏切など、細かいデータは持ち合わせていません。具体的な危険箇所調査の必要性など、今後の運動の進め方を8月の役員会で相談したいと思っています。皆さんの中にも、ヒヤリハットなど怖い思いをされた方がおられるのではないでしょうか。こんな怖い思いをした、あそこの踏切は大変危険だなど情報をお寄せいただけると幸いです。今後の活動に生かしていきたいと思いますので、是非よろしくお願い致します。
福祉部長 角田政樹
こんにちは。梅雨も明けて日々猛暑の中、皆様におかれましてはくれぐれも体調を崩されることのなき様、健康第一でお過ごしください。
さて、今年度も福祉部講演会を開催します。今回は2部構成での講演会を予定しております。
1部は山梨県福祉保健部障害福祉課による重度心身障害者医療費助成制度における窓口無料化に係るスマホ決済について、2部は株式会社ラビットによるRivo2(リボツー)の操作についてです。是非、参加の程お願いいたします。
部長 返田順子
体育文化部では毎年9月にバスを利用しての研修旅行をおこなってきましたが、コロナ感染拡大のためなかなか実行できませんでした。今年はそれに替えて、同じ視覚障がい者の講師をお招きし、これまで歩んでこられた道のりや現在の仕事である視覚障がい者とITの様々について、講演していただきます。リモートでの参加と直接の参加と言う、ハイブリッド方式を考えていますので、多くの参加をお待ちしています
富士吉田市視覚障害者協会 会長 荻窪たき子
山視福協の皆さん、こんにちは。暑中お見舞い申し上げます。
今年は、例年より早く梅雨入りが発表されたかと思ったら、早くも6月中に梅雨明けの発表があり、真夏を先取りしたかのような酷暑に、身も心も「ガタガタ ガタガタ」という音が聞こえてきそうな陽気になっていますよね。
地球温暖化の影響なのでしょうか、私たちが住む、この富士北麓の地域でも日中は35度に迫る勢いの日もあります。私が子供だったころ、28度くらいまで上がると「今日は暑いね」と言っていたものです。30度を超えることは少なく、この地域でクーラーのある家はほぼなかったと思いますが、現在では一般家庭でも付けているお宅が増えていると思います。
さて、富士吉田支部では6月5日の日曜日に会員・賛助会員の皆さんに集まっていただき、今年度の定期総会を開催しました。まだ、コロナウイルス感染症の終息宣言が出ていない時期でしたが、総勢23名もの皆さんに出席をいただき、役員一同たいへん感謝しました。総会では、昨年度の振り返りや報告、今年度の計画などを話し合いましたが、今ご自身が感じていることについても発言があり、皆さん相互の意見交換や交流につながったのではないでしょうか。
また、6月末には本年度第1回の役員会を行い、今年度の年間スケジュールを決定しました。初めは7月に、防災意識を高めるということで「起震車を使い、地震の揺れを体感してみる」という研修を行います。2つ目は、長年使っているうちに、段々と自己流になってしまう白杖歩行ですが、正しい使用方法を改めて見直してみる。また、家庭内でのけが予防などを皆さんでディスカッションする研修。3つめは、本物の文化・芸術に直接触れることで、楽しんで社会参加をする研修。4つ目は、今後、医療費の窓口無料化などにも必要となりそうなアイホンのノウハウを学ぶ研修。
このような計画を立てましたが、会員の皆さんと共に社会の動きに合った学びを深めたり、安心で安全な社会生活が送れるよう、さまざまなことを楽しみつつ実施していこうと思います。
入会者については、今年度は賛助会員として2名が増えましたが、当事者である会員がなかなか増えません。
富士吉田支部は会員が13名、賛助会員が15名となりましたが、一人でも多くの視覚障がい者が入会してくれるよう、引き続き広報活動も続けていこうと思います。
本年度も、交付申請を受け付けます。期限は7月31日(日)です。
保有証の有効期限が「平成35(令和5)年3月31日」以前の方の更新の申請が可能となります。
山梨県人事委員会事務局より障害者を対象とした山梨県職員採用選考試験の試験案内が届いています。受付期間は8月5日(金)〜8月22日(月)までです。必要な方は事務局までどうぞ。
編集後記 今年は、梅雨の期間がこれまでの歴史の中で最も短いといわれています。そしてこの猛暑ですから今後の水不足が懸念されます。加えてこの夏は夏野菜も高値が続くのではないかと思われます。そこで、今回は、夏野菜の長持ちの保存方法について書いてみます。
いかがでしたか。夏は、近所から野菜をいただくこともよくありますよね。そんな時試してみてください。
(事務局長 小林誠)
山視協だより 令和4年7月号
発行人 一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会
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発行責任者 会長 堀口 俊二
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