第105号 令和4年 9月15日発行
一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会会報
巻頭言 | |
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合理的配慮について考える | ・・・・・2 |
行事報告 | |
第2回役員会報告 | ・・・・・4 |
福祉部の講演会をおえて | ・・・・・6 |
パソコンITクラブから | ・・・・・12 |
今後の予定 | |
文化祭文芸作品募集のご案内 | ・・・・・13 |
事務局よりお知らせ | |
福祉部講演会の録音の提供について | ・・・・・13 |
三団体合同レクレーションについて | ・・・・・14 |
第44回全国視覚障害者将棋大会参加募集について | ・・・・・14 |
知事からのお知らせ(8月29日発行) | ・・・・・14 |
編集後記 | ・・・・・14 |
「山視協だより」は赤い羽根共同募金の配分金により作成されています。
会長 堀口俊二
朝晩の涼しさと、いつしか夜の主役となったコオロギの声に、季節の移り変わりを感じながらこの原稿を書いています。コロナも徐々に減少傾向、過ごしやすい秋になるといいですね。
さて、今月は標題の通り、合理的配慮についてあれこれ考えてみます。この言葉が最初に用いられたのはアメリカリハビリテーション法施行規則(1977年)で、その後、障害者権利条約で定義が明確化されたことで一般概念となったようです。わが国でも、障害者基本法、障害者差別解消法、そしてこれらに基づく各自治体の条例等の規定により提供環境が徐々に整い、様々な場面で合理的配慮が行われるようになりました。そして、昨年改正された障害者差別解消法では、民間事業所での合理的配慮の提供が努力義務から義務に変更され、同法施行の2024年には、本県の障害者幸住条例においても同様の変更がなされると聞いています。私たちにとっては大変頼もしい改正であり、合理的配慮のさらなる拡大に期待が膨らむところです。
このように書いてくると、合理的配慮は比較的新しい概念ということになりますが、実は長年にわたる視覚障がい者運動のほとんどは、法の規定のあるなしに関わらずこの合理的配慮の実現を求め続けてきた運動だったのではないでしょうか。今では当たり前になっている点字ブロックや音響式信号機、パソコンやスマホの画面読み上げソフトや文字拡大ツール、金融機関の音声ATM、駅の視覚障がい者用券売機、同行援護事業や移動支援事業、公共機関や金融機関での代筆・代読サービス、駅構内や空港内の職員によるサポートなどは合理的配慮が形となって定着した代表的な例であり、いずれも地道な運動を続けてこられた先人たち、そしてそれに応えて合理的配慮の提供に理解を示しご尽力いただいた多くの方々の力が結集し積み上げられてきたものです。今の生活がそのような経緯を経て成り立っていることを私たちは決して忘れてはなりません。改めて感謝の意を表したいと思います。
このように、ここ半世紀ほどの間に私たちの生活環境は格段に良くなりましたが、それでもなお、視覚障がいが故の生活上のバリアはまだまだ多く、会としての適切な合理的配慮を求める運動は当分続くことでしょう。ただ、運動を進めるに当たっては、私たちの側にもそれなりの心がけが必要なように思います。それは、要求した合理的配慮が提供されたら、それを積極的に活用する姿勢です。障害者差別解消法には、「その実施に伴う負担が過重でない時は必要かつ合理的な配慮をしなければならない」と記されていますが、裏を返せば利用者が少なく負担が過重と判断されれば、合理的配慮の停止の可能性もあるということです。
もちろん、モラル的に考えても、合理的配慮を積極的に受け入れる姿勢は必要でしょう。その意味で、最近ちょっと気になっているのが金融機関の音声ATMです。昨年の銀行協会の資料では、県内544台中540台のATMが音声対応になっているとのことでした。
また、今年は郵便局とも交渉中ですが、音声ATMはすべての支店にあるとのことです。昨年の巻頭言でも書いたように、視覚障がい者単独でお金の引き出し、預け入れ、残高照会などができる機器で、使い方に慣れれば預貯金が自分で管理できる大変便利なものですが、意外と利用者が少ないようです。お金のことだけに間違いがあっては困る、人に後ろに並ばれると焦ってしまう、メカは苦手で怖くて操作できないなど理由は様々かと思いますが、練習する機会がないというのが最大の理由ではないでしょうか。操作が不安な利用者へのサポートが合理的配慮として提供されていたならば、もっと利用が進んでいたかもしれません。今後、会としても金融機関側と話し合いを進めながら、このあたりの具体策を検討していきたいと考えています。
合理的配慮について思うところを述べてきましたが、特に新たなシステム導入に際しては、利用者へのサポートが大変重要であることを痛感しています。今後の運動に当たっては、よりきめ細かな合理的配慮を求めていく必要がありそうです。
事務局長 小林誠
8月21日午前10時より、オンラインにて第2回役員会を行いました。
堀口会長のあいさつに続き、議事に入りました。まず、事務局から前回の役員会以降の経過報告があり、承認されました。続いての議題では、各専門部から、今後の予定が報告されました。職業部から今年は、11月20日の「県民の日」のイベントが3年ぶりに行われる予定なので、職業部としても協力したいこと、体育文化部から、11月13日に予定している「文化祭」の文芸作品をまもなく募集することが報告されました。
次の議題は、来年度行われる次期知事選についてです。会長より、「山障協理事会において、来年の次期知事選について意見を交わし、山障協として現長崎知事を推薦候補としたいがいかがだろうか、8月10日までに回答してほしいとの申し入れがあり、本来なら、役員会の席で検討したかったが、期限の制約があり、正副会長会議内で検討し、他団体同様、長崎知事を本会としても推薦することにした」との報告がありました。
続いての議題は郵便局との話し合いについてです。昨年の銀行協会との話し合い同様の要望をお願いしたところ、メールにて回答をいただいているがコロナ感染7波が落ち着いたところで直接お会いして話し合いを持ちたいので、詳細についてはしばらくお待ちいただきたい。結果は、後日、「山視協だより」の巻頭言にてお知らせします。とのことでした。
次の議題は「ライトハウスとの話し合いについて」です。この約3年間新型コロナの影響により、なかなかライトハウスとの話し合いもできない状態が続いていますが、課題である「ITサポート」、「就労支援」、「青い鳥ホーム入所関連」等についてぜひ、意見交換の機会を持ちたいと思いますが、その際は、役員の皆さんにもご協力をお願いしたい。また、会員の皆さんからもご意見をお寄せいただければと思います。
次の議題の「ITサポート委員会の今後の進め方」について意見が交わされ、初心者については、継続的な体験会が必要ではないか。中級者には、多少タイムラグがあっても今の「ピアサポート」を続けるのが良いのではないか。問題解決への道しるべを提供することも重要なサポートである。などの意見が出ました。
7番目の議題「あしらせ体験会と機器展示会」の実施については、多くの参加者が見込めることから、来年度定期総会の午後に実施するのが良いのではないかという意見が多かったです。
その他の議題の「ZOOM招待メールに電話番号を今後も掲載するか」については、今後もより多くの参加を求めるなら、必要ではないか。注意点として電話の「かけ放題プラン」に加入していることが条件であると明記するのが親切である。との意見を得ることができました。
最後に日視連弱視部会担当者から、視覚障がい者と一口に言っても見え方はそれぞれ違うが、日常生活において一人一人が自分の見えにくさを克服する知恵や工夫を持っている。これらの知識や工夫手段を今まで共有する機会がなかった。そこで、本会にメーリングリストを作って情報交換の場にしたらいかがでしょうか。という意見が提案されました。弱視、全盲を問わず参加してもよいのではないかとの意見もあり、今後前向きに検討してゆくこととなりました。
以上が、第2回役員会の報告です。
福祉部長 角田政樹
福祉部では、去る8月21日(日)午後1時30分より、ズームのオンライン方式によって、山梨県福祉保健部障害福祉課の馬場啓様を講師に迎え、「重度心身障害者医療費助成制度に関する窓口無料化に係るスマホ決済について」の講演会、並びに、「金融機関における対応などにたいして」の意見交換会を開催しました。
第1部では重度心身障害者医療費助成事業の概要と、現在の状況、並びにスマートフォンを利用した電子決済事業について、県企画推進担当主任の馬場様から説明がありました。
始めに、重度心身障害者医療費助成制度に関して、対象となっている者は、身体障害者手帳が1級から3級の手帳を交付されている者であること。現在行われている自動還付方式では、受診を受けた際、その医療機関の窓口で自己負担分を一旦支払い、後日、対象者の指定口座に自動的に振り込まれる制度であること。また、平成19年度以前に行われていた償還払いによる手続き方法、平成20年度から窓口無料化となり、平成26年度に窓口無料方式から自動還付方式に移行となった経過など、現在に至るまでの一連の説明がありました。
しかしながら、現在実施されている自動還付方式では、自動還付されるものの、やはり、受給者の方からは、以前のような便利な窓口無料化に戻してほしいという意見が出されていたことから、県では昨年10月より、重度心身障害者医療費助成事業の電子決済のモデル事業を行っており、実質的な窓口無料化を実現しました。
次に、現在モデル事業として行われているスマートフォンを利用した電子決済事業に関しての説明となります。
まず、この制度の仕組みはどのようなものかというと、モデル事業の参加者が病院の窓口でスマートフォンを使用し、専用のQRコードを読み取ることで、医療費の電子決済処理が行われ、実質的に窓口無料となるものです。イメージとして、クレジットカードの取扱と同じようなものと思っていただければ判りやすいかと思います。
発生した医療費は、2・3ヶ月後に振り込まれる助成金の支払のタイミングと同時に引き落としが行われるので、窓口での現金の取扱は一切なく、実質的に窓口無料となります。
現在行われているモデル事業については、参加者より好意的なご意見をいただいており、事業拡大を予定しています。
現状の課題点としては、対象となる医療機関が県立中央病院と山梨大学付属病院のみとなっており、モデル事業の参加者についても、甲府市と中央市にお住まいの方となっていることから、対象の医療機関が少なく、参加者も少人数であることがあります。
また、山視協の堀口会長より、視覚に障がいがある者は、凹凸のないスマートフォンの操作は困難であることから、不公平ではないかとのご指摘がありましたが、このご意見につきましては、本年度中をめどに、システムに音声入力機能を追加作業を行っていきますので、機能が追加された際には、山視協の皆様も是非ご利用いただき、改善点等があれば、遠慮無くご意見をいただければと思います。
県としては、本モデル事業について、今後、対象の医療機関や参加自治体を増やしていき、受給者の皆様が安心して医療を受けられるよう構築して行きたいと考えているため引き続きご理解ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
以上が県からの説明の主な内容です。ここからは、質疑応答の部となります。
次に、第2部の「郵便局を含めた金融機関に対しての意見交換会」であるフリートークの部となります。
部長 小林誠
パソコンITクラブは、7月24日に2年4ヶ月ぶりにオンラインにて総会を開催しました。参加者は、15名ほどでしたが、この期間の事業報告と会計報告があり、いずれも承認されました。続いて、今後の活動について話し合いをしました。
まず、役員改選を2年以上していないため、新役員を決めなければなりません。現役員は、これ以上の継続は無理ということで、なかなか新役員が決まらず、この先の活動は、暗礁に乗り上げてしまいました。
しかしながら大多数の部員は、このままクラブが消滅してしまうのは困るなんとか活動は継続してほしいとの意見でしたので、やむなく、今後は、役員は、部長一人とし、相談役を山本さんと小田切さんにお願いすることとしました。そしてコロナ禍ということもあり、当面はオンラインで活動し、会費は徴収しないことにしました。
これからは、クラブ発足当時を思い出し、初心に立ち返りながら、目まぐるしく進歩するデジタル社会に視覚障がい者も乗り遅れないよう情報提供やスキルアップを心がけて活動してゆきたいと思います。今後も新規会員を募集しますので、いつでも下記までご連絡ください。
連絡先 メール: korin@aol.jp
体育文化部部長 返田順子
体育文化部では11月13日(日)に、文化祭を予定しています。企画の一つとして文芸作品を募集しています。その他につきましては、次号の「山視協だより」に掲載させていただきます。皆様からの多くの投稿をお待ちしています。
8月21日に行われました福祉部講演会の録音ですが、大変申し訳ありませんが、機器の不具合があり第1部の録音ができませんでした。CDをご希望されていた方には大変申し訳ありません。第2部は、録音がありますので、希望者は事務局までご連絡ください。
万が一、自分や家族が新型コロナ感染が疑われるときは、下記までご相談ください。
甲府市の方:055-237-8952 甲府市以外の方:055-223-8896
又、感染した場合に備え、あらかじめ、市販の解熱剤や咳止めなどの薬、手指消毒用アルコール、不織布マスク及び最低3日分程度の食料をご自宅に準備しておいてください。
9月に入り、少しずつ朝夕心地よい風が頬をなでる季節になってきました。それは実りの秋の到来ですね。ということで今回は、家庭で簡単にできる「焼き芋」の作り方について書いてみます。今回紹介するのは炊飯器で焼き芋を作る方法です。
炊飯器で美味しい焼き芋を作る方法を紹介しよう。炊飯器で失敗せず焼き芋を作るには水の量はどれくらい必要なのだろうか。
美味しく作るポイント
通常モードでお米を炊飯すると50〜60分くらいかかるのが一般的だ。では炊飯器で焼き芋を作るとき、モードは何に設定すべきなのだろうか。
炊飯器で焼き芋を作るときにおすすめの機能は玄米モードだ。機種によるが、玄米モードは炊飯時間が100〜120分と長めだ。玄米モードで炊くとねっとりとした甘みの焼き芋が完成する。食べると蜜が入ったような甘さがたまらない美味しさになる。ちなみに普通の炊飯モードで作るとねっとりではなく、ほくほくとした食感に仕上がる。水分の入りがやや物足りないため、玄米モードの機能が付いている炊飯器なら、ぜひ玄米モードを試してもらいたい。
(事務局長 小林誠)
山視協だより 令和4年9月号
発行人 一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会
〒400−0005 山梨県甲府市北新1−2−12
山梨県福祉プラザ1階
発行責任者 会長 堀口 俊二
編集責任者 事務局長 小林 誠
電話 055−252−0100
FAX 055−251−3344
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