第111号 令和5年3月15日発行
一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会会報
巻頭言 | |
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高度化PICS県内初の運用開始 | ・・・・・2 |
今後の予定 | |
定期総会と福祉機器展について | ・・・・・3 |
支部だより | |
都留支部 | ・・・・・4 |
富士河口湖支部 | ・・・・・4 |
事務局よりお知らせ | |
日視連関ブロ協議会役員改選について | ・・・・・5 |
有料道路の障害者割引について | ・・・・・5 |
編集後記 | ・・・・・6 |
「山視協だより」は赤い羽根共同募金の配分金により作成されています。
会長 堀口俊二
啓蟄を過ぎ、春うららの好季節となりました。コロナも大分落ち着いてきています。このまま平穏な日常が戻ってくれるといいですね。
さて、今月は高度化PICS(スマホ対応信号システム)の体験報告です。これは、スマホに組み込んだ「信GO!」というアプリを起動して信号機に近づくと、交差点の名前や各横断方向の色の変化をスマホのスピーカーから音声案内するシステムです。2021年度より全国的に普及が進められてきたものですが、本県では初の設置となりました。
第1号機の設置箇所は甲府市の橘児童公園前(平和通り丸八焼き鳥店前)交差点です。県警交通規制課では、3月1日午前10時の運用開始時刻に合わせ体験イベントを企画し、本会会員8名が参加し、実際に道路を横断しながら使い勝手などを確かめました。
まず、防災新館で県警の方の説明を受けた後、平和通りに出てスマホを持ちながら目的地の交差点に向かいました。信号機まで10メートルほどの地点で交差点の名前が案内され、続いて「東西方向は青、南北方向は赤です」といった音声案内が始まりました。立ち止まって様子を窺っていると、「東西方向の青が間もなく終了します」とか、「間もなく信号が変わります」など信号の状態の変化が逐一案内されます。
いよいよ横断です。「東西方向が青になりました」との案内を聞いてスタート、横断中にも「東西方向は青、南北方向は赤です」と繰り返される案内を聞きながら安心感に包まれて無事渡り終えることができました。ここはもともと音響式信号機なので、日中の横断にはこのシステムは必要ないかもしれませんが、音声が止まってしまう夜間や早朝には大いに威力を発揮するものと思われます。
課題としては、片手に白杖、もう片方の手にスマホを持つというように両手がふさがってしまうことです。私の場合は、スマホの音量を最大にすれば、コートの内側のジャケットの胸ポケットに入れたままでも充分聞き取ることができましたが、このようなポケットのない女性の方や、ポケットの中では聞き取りにくいという方には、外部の音を遮断しないイヤホンの購入など工夫が必要かもしれません。
もう一つの課題は、スマホを持っていない視覚障がい者がまだ多数おられることです。これは、県内だけでなく、全国的な問題なので、日視連を通して対応策の検討を働きかけていかなければなりません。
それでも、24時間いつでも信号の変化を自分の耳で確認できるというのは大きな前進です。また、音響式信号機が近隣住民の理解を得にくかったというこれまでの課題解決にもつながるものと思われ、大変意義深いものを感じます。道路横断は命に関わる重要な問題です。安全を保障する有力なシステムとして、さらなる改良と普及が期待されるところです。
令和5年度定期総会を次の日程で行います。午後からは、福祉機器展も開催いたしますので、多くの会員の参加をお待ちしています。
支部長 相澤幸雄
私たち都留支部ではコロナ感染の中でここ3年間は支部活動は一切出来ておりません。コロナ前は春の都留市ボランティア祭り、夏の勉強会、都留市総合防災訓練、秋の60歳以上のお年寄りを対象として行なってきた無料マッサージ、身体障害者スポーツ交流会(グランドゴルフ大会)などを行ってきました。
今年度は4月20日総会を行い、以降6回の役員会を開催しました。また、12月2日高校生災害ボランティアには富士吉田支部の荻窪さんに急遽ピンチヒッターとして協力をして頂きました。ありがとうございました。いずれも場所は都留市いきいきプラザです。
新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行する方向とのことで、4月以降につきましては通常通りの支部活動が出来るのではないかと期待しています。また都留市でも3年ぶりにボランティア祭りが開催されるようで準備中です。
支部長 近藤とみ子
自ら行動を起こし見えないという不自由を何度も何度も言い続けそれを克服し色を塗り替えた方がいます。去年秋頃紹介したと思うのですがとある金融機関に誘導チャイムとインターホンを設置していただいた件です。
私も何度となく歩行訓練士の方と同行させていただきました。その結果いまに至ります。不自由さを相手に訴え続けてきたからだと思います。コロナ禍の中不平や不満もあることでしょうが訴え続けることの大切さを知りました。
有料道路料金の障害者割引が3月27日からより便利に使いやすくなります。詳しくは、編集後記をご覧ください。
訃報 北杜支部の宮沢友彦様が2月12日に、峡南支部の松木久光様が2月28日に逝去されました。心よりご冥福をお祈りし、ご報告いたします。
事務局からのお知らせにも書いたように有料道路における障害者割引が見直しがまもなく実施されます。これまでは事前登録した1台の車両に限られていました。これに対し、本会の親団体である日本視覚障害者団体連合は、身体障害者手帳の提示でも有料道路の割引が受けられるよう長年にわたり要望してきました。その要望がおおよそ受け入れられたようです。
以下、日経新聞の記事より抜粋します。
有料道路における障害者割引制度の見直しについて
1人1台要件の緩和とオンライン申請を導入します
有料道路における障害者割引は、通勤、通学、通院等の日常生活において、有料道路をご利用される障害者の方の自立と社会経済活動への参加を支援するため、全国の有料道路事業者において統一的に実施しています。これまで事前登録された自家用車に限り本割引を適用しておりましたが、自家用車をお持ちでない方が知人の車やレンタカーを利用する場合や、介護が必要な重度の障害者の方がタクシーを利用する場合など、事前登録がない自動車でも新たに割引の適用となります。なお、自動車の事前登録の有無にかかわらず、事前に本割引の申請手続きが必要です。あわせて、これまで市区町村の福祉事務所等の協力のもと行っていた事前登録手続きについて、自家用車を事前登録のうえETCを利用申請される方を対象に、窓口に出向くことなく申請ができるよう、新たにオンライン申請を導入します。
(事務局長 小林誠)
山視協だより 令和5年3月号
発行人 一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会
〒400−0005 山梨県甲府市北新1−2−12
山梨県福祉プラザ1階
発行責任者 会長 堀口 俊二
編集責任者 事務局長 小林 誠
電話 055−252−0100
FAX 055−251−3344
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