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山視協だより  平成28年11月号


第35号 平成28年11月15日発行
一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会会報

目次
巻頭言
視覚障がい者の情報環境・・・・・2
今後の予定
県下視覚障害者文化祭のご案内・・・・・4
第3回役員会のお知らせ・・・・・4
職業部講演会のお知らせ・・・・・5
各部より
石和温泉駅舎等の環境調査報告・・・・・5
寿の集い御礼・・・・・7
支部だより
甲州支部・・・・・8
トピックス
サウンドテーブルテニス関東大会報告・・・・・9
事務局より
ライトハウスの機能訓練のご案内・・・・・9

「山視協だより」は赤い羽根共同募金の配分金により作成されています。

巻頭言

視覚障がい者の情報環境


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会長 堀口俊二

霜月も半ばを過ぎ、日に日に炬燵が恋しい季節となりましたが皆さんお変わりありませんか?今年はラニーニャで冬が寒くなるとか、くれぐれもご自愛下さい。
さて、今月11月1日は点字制定記念日です。石川倉次が日本点字を考案してから126年がたちました。そこで、点字を含む視覚障がい者の情報環境について考えてみたいと思います。
古い話になりますが、私が盲学校に入学した当時は弱視者にも点字指導が行われていたため、点字競技会といえば全校生徒が参加し、一斉に点字を打つその響きは実に壮観なものでした。あれから40年ならぬ60年、視覚障がい者の点字離れが進み、今や点字識字率はわずか10%にしか過ぎないと言われています。弱視者や中途障がい者の増加が主な要因と思われますが、各種IT機器や録音機器などの普及がこれを後押ししていることも確かでしょう。ともあれ、個々の実態に合った情報処理方法が選べるようになったこと、墨字文書の読み書きも自力でできるようになったこと、インターネットを通じてリアルタイムに多くの情報を得られるようになったことなどは目覚ましい進歩であり、わが学生時代の頃を思うと正に夢のようです。
しかし、このような時代であるからこそもう1度立ち止まって、私たちの情報環境について考えてみる必要があるような気がします。まず、使用者減が目立つ点字ですが、その意義や役割は未だに大きく、今後も全盲者を中心に視覚障がい者の文字の中核的存在であり続けることは間違いないでしょう。確かにその習得には多くの時間と努力が必要です。しかし、資格試験や入学試験、採用試験などは点字を書けることが必須条件です。また、内容を深く理解しながら文を読みたい時、推敲しながら文章を書く時などは、自由に読み返しができる点字が大変有効です。そして、長い文章を読むのは苦手という方も、シールに点字でタイトルなど書いて書類やCDなどに張っておけば、それらの識別や整理に大変便利です。さらに、点字入力を習得すれば、パソコンや点字ディスプレイを効率的に操作できます。一方、外出時にもエレベーターの押しボタン、駅階段の手すりやトイレ内操作部の点字表示が読めれば、移動の大きな助けになります。
ただ、情報量に限界があること、即時性に劣ること、資料や書籍の保存に膨大なスペースが必要なことなどは点字のデメリットともいえるでしょう。この点をカバーするのが最近のIT機器です。パソコンやスマホ、点字ディスプレイなどは、視覚障がい者の情報環境を一変させました。家でも移動中でも、自由にほしい情報を手に入れることができ、メールのやりとりや買い物までできるのですから、革命的な変化といっても過言ではありません。ただ、これらの機器を使いこなすにも視覚障がいというハンディがある以上、やはりそれ相応の努力と訓練が必要です。特に、導入時のサポートが大変重要であるという点は、点字学習と共通するところです。また、IT機器の場合は目まぐるしい進歩にどう対応していくかも大きな課題です。いずれにしても、視覚障がい者個々の情報環境を向上させるには、点字にせよ、IT機器にせよ、導入時のサポート体制の充実が望まれます。
折から、青い鳥成人寮では今年、機能訓練という新たな事業をスタートさせ、点字やパソコンのサポートも行っているとのことです。大変ありがたい取り組みであり、今後に向け期待が膨らむところです。本会でも、パソコンクラブが月例の学習会を企画し、IT機器のサポートを行ってきましたが、今後は会としてもサポート体制の検討を進めていく必要があるように思います。点字制定記念日を期に、皆さんもご自身の情報環境の改善にチャレンジしてみませんか?

今後の予定

県下視覚障害者文化祭のご案内


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体育文化部部長 埜村和美

恒例の文化祭を開催します。皆様お誘いあわせの上ご参加くださいますよう、ご案内申し上げます。

期日 11月27日(日) 9時30分受付 10時〜15時
会場 山梨ライトハウス2階研修室
日程 午前の部 10時より 語り・朗読の集い 青い鳥奉仕団 音訳部の群読
午後の部 1時より 文芸選評(短歌 渡辺和子先生)
1時30分より3時 文化講演会
演題 「自然と生きる」
講師 樋口明雄氏(北杜市在住 小説家)

第3回役員会のお知らせ


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事務局長 矢崎繁

前号でもお知らせしましたが、第3回役員会を12月11日(日)に次の日程で行ないます。年末の何かとお忙しい折かと思いますが、関係者には必ずご出席くださいますようよろしくお願いします。やむを得ず出席できない方は予め事務局までご一報下さい。

日時 12月11日(日)午前10時から12時
会場 山梨ライトハウス 2階研修室
主な議題
(1)経過報告 (2)今後の事業予定について
(3)県への要望書に対する県の回答・話し合いについて
(4)日常生活用具の研修会について
(5)関東ブロック埼玉県大会について(参加人数・提案議題)
(6)平成医療学園の訴訟に関する東京地方裁判所公判の傍聴について
(7)杉山和一記念館 建設募金の再募集について
(8)その他
@甲府駅南口整備について A自民党への要望提出について
B青山1丁目駅での盲導犬使用者の事故に関連する報告
C近鉄河内国分駅における視覚障害者の転落死亡事故に関する緊急声明について
D関ブロ委員会について(報告) E次回役員会日程について

職業部講演会のお知らせ


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部長 酒井弘充

 職業部では12月11日(日)午後1時から3時まで、山梨ライトハウス2階研修室において、職業部講演会を行います。
 今回は筑波技術大学教授の藤井亮輔先生より、データから見たあはき業を中心とした視覚障害者の就業状況についてというテーマでご講演をいただきます。藤井先生は、国際視覚障害者援護協会理事や日本理療科教員連盟会長など多くの団体の代表としてご活躍されておられるとともに、「人体経穴と周囲構造物との位置関係に関する臨床解剖学的研究」や「鍼灸按摩師の就業実態に関する社会学的研究」など多くの研究実績をあげられております。
 今回の講演ではデータから見たあん摩業、はり業、きゅう業の実態について、様々な角度から比較・分析しながらお話をいただきます。みなさんどうぞご参加くださいますようお願いいたします。

各部より

石和温泉駅舎等の環境調査報告


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福祉部次長 名取利一

 今回は、石和温泉駅舎内とその周囲の環境状況について調査を実施しましたので報告します。
 石和温泉駅がリニューアルされて初めての調査報告になるかと思いますが、甲府駅から利用した場合を想定して、順を追って記します。 駅舎は2階建て構造となっており、北口へと続く自由通路が設けられています。
 まずホームに下りると、ホーム内には内方線付の点字ブロックが敷設してあります。点字ブロックに沿って右方向に進むと、2階部分にある改札口へと向かうエレベーターと階段へと進みます。エレベーターから降り改札口を出ると、右側に南口へと向かい、右側に階段、左側の手前にエスカレーター、その奥にエレベーターがあります。さらに改札口から出て左側に進むと、右側に北口に降りることのできる階段とその奥にエレベーターがあります。なお、各ホームと南口に昇り降りするエレベーターは共にありましたが、北口に降りるエスカレーターは設置されていません。
 改札口を出てすぐ右側にみどりの窓口と、その左側に自動券売機があり、券売機の向かいに売店があります。
 南口の階段を下ると駅前にロータリーがあり、ほぼ正面にタクシーの乗車場があり、ロータリーの点字ブロックに沿って右側に進むと左側に路線バスの乗車場、右側に足湯があります。
 北口は階段を下り左側に約2メートルほど進むと、南口と同様にロータリーがあり、タクシーの乗車場があります。タクシー乗り場をロータリーに沿って右側に進むと、一般車両の送迎に利用できる1時間内無料の駐車場があります。なお、北口には路線バスの乗車場はありません。
 トイレの位置は、ホームから向かった場合、改札口手前の左側、南口のトイレは階段を下ってUターンするように左側に進み、約5mほどの左側にあり、北口のトイレは階段を下り、やはりUターンするように左側に約8mほど進むと左側にあります。トイレへと向かう点字ブロックはもちろん敷設してありますが、音声案内は改札口の所は定期的に流れていますが、南口と北口のトイレには、通常は音声案内は流れていません。しかし、シグナル・エイドを利用することにより位置確認等をすることができるようになっています。
 以上が主な調査報告ですが、私が単独で列車に乗る際は、みどりの窓口でチケットを購入するようにしています。その際、窓口で列車の乗車のサポートをお願いし、出発地の改札口から目的地の改札口までと、サポートを駅員の方にお願いし利用しています。単独での乗り降りが不安のある方は活用してみてください。

寿の集い御礼


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長寿会 花形幹雄

 今年の9月も「敬老の日」を中心に県内各地において敬老行事が行われましたが、視覚障害者関係でも9月25日(日)に高齢視覚障害者が招かれ、かんぽの宿を会場に山視福協の主催により敬老の催しが開かれました。
 この日には午前中長寿会の総会と研修会が行われました。総会では平成28年度の事業計画・予算などがきめられた後、役員の改選も行われました。協議の結果、現役員が再選されることとなりました。新役員は相吉堯春(理事・副会長)井口貞子(理事)小松瑛(理事・副会長)中村洋子(理事)花形幹雄(理事・会長)本間りょう(理事)荒木貞義(監事)古屋保・山下静江(相談役)となりました。
 引き続いての研修会では「青い鳥老人ホームの現状と課題」について同ホームの神津孝正施設長により講演が行われました。身近なホームについての講演でしたので会員たちの関心の深さを実感しました。
 さて、お昼からは長寿会会員・老人ホームの利用者・関係者などが招かれ、寿の集いが温かい雰囲気の中で開かれました。福祉部の進行により進められ開会の言葉があり続いて堀口会長から主催者のあいさつが行われました。「今日の山視福協がこのように充実発展してきたことは、正に先輩の皆様方のお力によるものと感謝すると共に、これからも益々お元気に長寿を全うして下さい」と敬老のあいさつが行われました。続いて古屋長寿会相談役の発声により元気良く乾杯、料理の案内などがあり会食となりました。箸を進めながら、参加者の自己紹介が行われ一層交わりを深め合うことができました。
アトラクションに入り長寿会とホームの利用者それぞれ3名ずつが自慢の喉を披露し会場から温かい拍手と声援が贈られました。また、会場の全員で「ふるさと」など懐かしい歌を元気良く合唱し、一層楽しい会場に包まれました。そして、万歳三唱・長寿会からのお礼のあいさつなどがありお開きとなりました。来年もまた元気で会いましょうと声を掛け合いながら会場を後にしました。
 集いの準備から運営に当たられた山視福協の方々、サポートされたボランティアの皆様楽しい一時をありがとうございました。

支部だより

甲州支部


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支部長 矢崎繁

甲州支部で行われました本年度の主な行事を紹介します。
 歩け歩け大会(6月1日) 行先を西湖・河口湖方面として、西湖・野鳥の森公園にて初夏にさえずる野鳥の声を聞きながら森の遊歩道を散策し、湖畔にある西湖・クニマス展示館にてクニマスの見学と生態について説明を受け学習しました。昼食後、道の駅なるさわでふじさん博物館、自然探索路を歩き、河口湖をアンソレイユ号で遊覧し、最後に河口湖・カチカチ山ロープウェイに乗り頂上付近散策で十分歩きました。
体験学習(9月27日) 朝霧高原のまかいの牧場にてトラクターバス乗車・チーズ作り体験・乳搾り体験などを行いました。午後より白糸の滝を散策し、残暑の中、滝のそばまで行くと心地よい冷気を満喫しました。チーズ作り体験では意外と簡単に 作れると家でも作ってみたいという会員さんもいました。
また、11月14日・15日には宿泊交流として、鎌倉・横浜方面の観光、宿泊は横浜の山下町を予定しています。

トピックス

サウンドテーブルテニス関東大会報告


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部長 酒井弘充

 11月5日(土)、6日(日)の両日、千葉市ハーモニープラザにおいて、第30回関東ブロックサウンドテーブルテニス大会が開催されました。山梨からは井口選手、堀口選手、横山選手、そして私の4名で参加いたしました。
 この大会の中で行われた関東ブロック加盟視障協13団体による3名1組の団体戦において、山梨県チームは予選リーグを順調に勝ち上がり、昨年の優勝に引き続き、本年度は準優勝の栄光に輝きました。
 さらに、個人戦男子の部では、参加した3名全員がベスト8に進出しました。ベスト8に複数名の選手が名を連ねることは、他の団体では見られないことです。そして、私酒井が第3位に入賞いたしました。
 今年から練習会場が福祉プラザのロビーに変更となり、卓球台が1台しか出せない中、非常に練習時間を確保することが難しく、コンディションを整えることがままならない中での団体戦並びに個人戦の入賞でした。
 これをはげみに今後とも練習に励んでいきたいと思います。とりいそぎご報告させていただきます。

事務局より

ライトハウスの機能訓練のご案内


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青い鳥成人寮では、平成28年4月から新たに機能訓練事業を開始しました。歩行訓練士2名が、その方のご自宅等に訪問して歩行訓練や点字訓練等を行ないます。市町村が発行する障害福祉サービス受給者証によりご利用が可能です。
「白杖の使い方を再確認したい」「今まで歩いたことのない所の行き方を覚えたい」等、まずはお気軽にお問合せ下さい。
電話番号は山梨ライトハウス(055−222−3502)または青い鳥成人寮(055−224−5060)です。

編集後記


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 朝晩の冷え込みも厳しくなりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。周囲の山も標高の高いところから徐々に紅葉が下がってきています。近くの田圃では稲の脱穀の音が聞こえ、収穫と冬への備えの作業でしょうか。ヴァンフォーレはJ1への残留を決めました。83万人と人口の少ない山梨としては特別のファンではない私でも気になっていたので、本当にうれしいです。さて、今年も残り1か月半、ますます寒さも厳しくなりますので体調には気をつけてお過ごしください。

(事務局長 矢崎繁)


     山視協だより  平成28年11月号
発行人 一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会
〒400−0005 山梨県甲府市北新1−2−12 山梨県福祉プラザ1階 
      発行責任者  会長   堀口 俊二
      編集責任者  事務局長 矢崎 繁
       電話 055−252−0100
       FAX 055−251−3344
       http://yamashikyo.sakura.ne.jp      


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