メニューを飛ばし本文へジャンプ

過去の情報はこちらから

山視協だより  平成29年2月号


第38号 平成29年2月15日発行
一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会会報

目次
巻頭言
後を絶たないホームからの転落事故・・・・・2
今月の動き
職業部講演会の報告・・・・・3
今後の予定
会計監査、第4回役員会の日程のご案内・・・・・6
第70回全国盲人福祉大会(徳島大会)のご案内・・・・・7
トピックス
甲府駅南口公衆トイレについて・・・・・7
支部だより
都留支部・・・・・7
峡南支部より「ああ身延線よ」・・・・・8
事務局より
日盲連より 『大分・熊本は今』・・・・・9

あはき等法19条を厳守することを求める決議(日本盲人会連盟)ページ内リンクです。
あはき等法19条を厳守することを求める決議(日本盲人会連盟)

東京メトロ銀座線青山一丁目駅における盲導犬使用者の転落事故に関する声明 社会福祉法人 日本盲人会連合ホームページへ。
東京メトロ銀座線青山一丁目駅における盲導犬使用者の転落事故に関する声明

近鉄河内国分駅における視覚障害者の転落死亡事故に関する緊急声明 社会福祉法人 日本盲人会連合ホームページへ。 
近鉄河内国分駅における視覚障害者の転落死亡事故に関する緊急声明

「山視協だより」は赤い羽根共同募金の配分金により作成されています。

巻頭言

後を絶たないホームからの転落事故


先頭に戻る
目次へ

会長 堀口俊二

梅の花もほころび、やわらかい日差しに春の訪れが感じられるこのごろですが皆さんいかがお過ごしですか。会としては年度末を迎え、役員一同来年度に向けた準備作業に取り組んでいるところです。
さて、本号では相変わらず後を絶たない駅ホームからの転落事故について再度触れることとします。というのは、昨年の相次ぐ事故を受け、国土交通省と鉄道各社でホームドアや内方線付き点状ブロックの設置促進、ホームへの人員配置や声かけサポート運動の充実など、ハード・ソフト両面の対策を打ち出した直後の1月14日、またも京浜東北線の蕨駅で痛ましい事故が起きてしまったからです。しかも、それがまた盲導犬ユーザーであったというのもショックです。この半年間、ホームからの転落事故は一つの社会問題となっており、生来無鉄砲な私でさえホームでの歩行には正直かなり気を使うようになっています。当事者の安全に対する意識が高まっているであろうと思われる中での出来事だけに、今まで以上に重く受け止めなければならないように思います。
もちろん、国土交通省や鉄道事業者に対し、視覚障がい団体としての安全対策に関する要望をさらに強めていくことが重要なことはいうまでもありませんが、これだけ事故が続くと、視覚障がい者自身のホームの歩き方についても検証する必要があるような気がします。よく利用する駅ホームの警告ブロックからホーム端までの距離、階段や待合室の壁から警告ブロックまでの距離、柱とブロックの距離、売店やベンチの位置等、ホームの全体像を現地での体験を通して再確認することが大切なのではないでしょうか。そして、警告ブロックより線路側は決して歩かないようにし、どうしても階段脇などを通らなければならない時は、必ず壁側を歩くようにしたいものです。また、盲導犬ユーザーの方も、駅ホームにおいては警告ブロックを意識しながら歩くことが必要なのではないでしょうか。
とりあえず思いつくままに書いてみましたが、私たち自身も危険から身を守る歩行の有り方を考え直す良い機会なのかもしれません。今後、ホームの移動に関する体験型勉強会のようなものを会として企画するのも、安全性を高める一方法かと考えます。
もう一つ気になるのは、せっかく声かけサポート運動が進んでも、視覚障がい当事者からそっけない返事や拒否とも取れる反応が返ってきたという話をよく耳にすることです。私たちも、急いでいたり別の事に気を取られていたりして、ついそっけない返事をしてしまうこともあるかと思いますが(私自身も大いに反省)、声かけやサポートを思い立った方の勇気と温かい心遣いを決して踏みにじるようなことがあってはなりません。周りの方のこうした心遣いには、常に感謝の気持ちで応えたいものです。
私はこれまで事あるごとに、「移動の自由は心の自由」というフレーズを好んで使ってきましたが、安全に関する対応が充分なされているというのがその前提条件です。駅ホームは最も危険性の高い所であり、多面的な安全対策が望まれます。今後も、中央の動きを含め情報発信に努めたいと思いますので、皆さんも駅利用に関する危険な体験や問題点などありましたら是非お知らせ下さい。安全な移動の自由拡大を目指し、ともに力を合わせて行きましょう。

今月の動き

職業部講演会の報告


先頭に戻る
目次へ

部長 酒井弘充

昨年12月11日(日)午後1時から3時までの2時間にわたり、山梨ライトハウス研修室において、職業部講演会が行われました。
今回は筑波技術大学教授の藤井亮輔先生より、「データから見たあはき業を中心とした視覚障害者の就業状況について」というテーマでデータから見たあん摩業、はり業、きゅう業の実態について、様々な角度から比較・分析しながらお話をいただきました。
いくつか、例を挙げますと、全国の個人施術所の調査の結果から

@身体障害者手帳の所持状況は、経営者の身体障害者手帳(視覚障害)の所持者は、個人では19.7%、法人では7.0%。
A身体障害者手帳の障害等級別構成割合では、1級60.1%、2級27.8%、3級5.2%で、1級と2級を併せた重度視覚障害が全体の9割近くを占めた。
B施術所の面積とベッド数をみると、施術室の平均面積は24.1±26.5u(中央値17.2u)、待合室は11.4±14.9u(中央値9.0u)。設置ベッドの平均台数は2.4±1.8台(中央値2.0台)であった。
C健康保険の取扱状況をみると、健康保険を扱っていないが46.3%だったのに対し、積極的に扱っているは26.3%、積極的ではないが扱っているは26.6%だった。「積極的」の割合で晴眼(28.5%)が視障者(17.3%)を上回った一方で、扱っていない業者の割合は、視障者(58.2%)が晴眼者(43.5%)より15%近く高かった。
D施術料金をみると、平均施術料金は3,622±2,301円(中央値3,500円)だった。晴盲別でみると、晴眼の3,664±2,511円が視障者3,445±988円を220円ほど上回った。中央値は共に3,500円だった
E平成25年の収入総額(税込ベース)をみると、平均は571.2±1,112.0万円(中央値350.0万円)だった。晴盲別でみると、晴眼者の636.2±1,181.5万円(中央値400万円)に対し視障者は290.0±672.1万円(中央値180万円)だった。
F平成25年の年収を100万円単位の階級でみると、視障者の3分の1 (33.2%)が100万円以下に集中しており、200万円以下の累積率が59.2%、300万円以下(低額年収層)が76.4%を占めた、晴眼は16.0%、27.9%、41.1%(同順)だった。一方、301〜800万円(中間層)の累積率は晴眼38.4%に対し視障者18.7%、801万円以上(高額年収層)では20.5%と5.0%(同順)だった。
G上記と同様の集計を柔道整復師免許の有無別でみると、柔整師免許の所持者では、低額年収層21.2%、中間層32.0%、高額年収層46.7%と年収が上がるほど高率になったのに対し、柔整師免許非所持者では53.7%、35.4%、10.9%(同順)で逆に低下した。
H今の仕事にやりがいを感じている割合は、「大いに」(51.1%)と「まあ」(37.3%)を合わせて88.4%にのぼり、感じていない割合は、「あまり」(6.8%)と「まったく」(1.7%)を合わせて1割未満にとどまった。
I鍼灸やあん摩の業が発展するために必要と思うことを、10の選択肢から複数選択で聞いたところ、第1位が「無免許業者の取締強化」(61.7%)、第2位が「あはき施術の介護保険サービス参入」(43.0%)、第3位が「健康保険を使いやすくする」(39.6%)、第4位が「接骨院の保険マッサージの取締強化」(38.9%)、第5位が「卒後研修の充実」(27.6%)の順であった。
などとなっています。我々が漠然と抱いていたイメージが、データをもととした統計から明らかになってきます。考えさせられる点、興味深い点など多々あったと思います。

最後に今回の講演会で特筆すべき点は、質疑が非常に多かったことでしょう。それだけ多くの方の関心が高いことを表していると思います。今後も職業部では会員の皆さんの関心が高いテーマについて講演会を設定していく予定です。

今後の予定

会計監査、第4回役員会の日程のご案内


先頭に戻る
目次へ

事務局長 矢崎繁

平成28年度、会計監査と第4回役員会を次の日程で行ないます。役員の方には是非ご出席下さい。なお、印鑑をお持ち頂けますようお願いします。また、都合によりやむを得ず欠席される方は必ず事前に事務局までご連絡下さい。

1 平成28年度 会計監査
日時 3月19日(日)午前10時〜12時
2 平成28年度第4回役員会
日時 3月19日(日)午後1時〜4時
場所はいずれも山梨ライトハウス 2階研修室

以下に、役員会の主な議題を記します。

1 経過報告
2 28年度事業報告について
3 28年度収支決算報告及び会計監査報告について
4 29年度運動方針及び事業計画について 
5 29年度収支予算(案)について
6 第70回日盲連徳島県大会提出議題及び代表者登録について
7 定期総会議題について
8 定期総会の準備について
9 定期総会来賓と挨拶依頼について 
10 定期総会役割分担について
11 体育文化部の行事のありかたについて
12 福祉サービスの格差問題について
13 その他

第70回全国盲人福祉大会(徳島大会)のご案内


先頭に戻る
目次へ

事務局長 矢崎繁

標記大会が5月26日(金)より28日(日)の3日間、徳島市のアスティ徳島(徳島県立産業観光交流センター)を会場に開催されます。中型バスでの往復と現地での観光を予定しています。経費は参加人数で変わりますが、会員が65,000円前後になります。
この機会に四国徳島県の観光、全国の動向にも触れてみてはいかがでしょうか。申し込み締切は2月25日(土)となっています。お誘いあわせの上、多くの皆様の申し込みをお待ちしています。参加ご希望の方は事務局までご連絡ください。
観光は1日目は徳島阿波踊り会館(見学・阿波踊り鑑賞・眉山ロープウエイ)、2日目は祖谷のかずら橋(日本一スリルの味わえる吊り橋)、大歩危遊覧船(奇岩・奇石を見学)、うだつの町並み(漆喰の壁造り町並みを散策)、3日目は盲人福祉大会参加後、うず潮観潮船(乗船)を予定しています。出発は甲府駅を午前5時、帰着は甲府駅に午後8時45分の予定です。

トピックス

甲府駅南口公衆トイレについて


先頭に戻る
目次へ

甲府駅南口整備に伴い、信玄公銅像前の公衆トイレが供用開始となり、併せて補助犬用トイレも使えるようになりました。トイレの位置は以前からあった場所とほぼ同じです。

支部だより

都留支部


先頭に戻る
目次へ

支部長 菊島巧

寒い冬もそろそろ終わり、少しずつ春の声が聞こえてきました。
 さて、今年度都留支部では11年目を迎えて新たな気持ちで活動を行ってきました。
 偶数月にデイサービスでの無料マッサージと役員会、4月には都留市ボランティア祭りで無料マッサージコーナーを開き、大勢の人にマッサージ体験をしてもらいました。9月には敬老の日に合わせての無料マッサージ、11月には都留市障害者スポーツ交流会で、都留市内の作業所の方々とグランドゴルフを通して楽しいひとときを過ごしました。
また、1泊研修では、静岡県・神奈川県に出かけ、芸術の森美術館や小田原城の散策を行いました。芸術の森美術館では、坂道の上り下りで大変疲れましたが、実際に手で彫刻品などを触ることができ一つ一つの作品をじっくり鑑賞することができました。小田原城では、階段の幅や高さがバラバラで視覚障害者には歩行が大変でしたが、そのようなところにも歴史の背景を感じとることができました。
 今年度は、会員の吉村真一さんが結婚し、めでたい年でもありました。幸せな家庭を築いていってもらいたいと支部員一同心より願っています。

峡南支部より「ああ身延線よ」


先頭に戻る
目次へ

支部長 井口貞子

不便な支部、何事にも集まりには活躍できぬ支部ですがこの支部が発展したであろう思いをお便りにします。
日本三大急流と唄われた富士川も今は流れもなく台風には暴れ川になります。まだ修行中だった私が父母や祖母から聞いた話をお知らせします。井出駅には渡し舟、あぶない華奢な板橋、歩きづらい富士川の道が身延線井出駅への足でした。鰍沢まで帆掛け船だった頃鉄道をひく話になりました。富士川の西側にひく話でした。ところが当時のお偉いさんたちは反対でした。「地震で山崩れがして富士川がせき止められ水浸しになる」「こんな川っぷちは良くない。崩れやすい」など住民の希望通りにはゆかずとうとう東側の山々の工事の大変の場所になったそうです。父の話によれば「結局は土地が惜しかったのではないか」ということでした。
発展し損ねた湯の町にもまたかなえられぬことがありました。我が家から井出駅まで直線です。橋が架けられるということで期待したのははずれ徒歩40分もかかる上の方に架けられ車のみの橋になってしまいました。実現すれば10分くらいで駅まで行けたのに、この土地が素晴らしく発展したのに、そして支部活動にもなどとあれこれ捕らぬ狸の皮算用にああ残念と過ぎし時代を悔やみきれず仕方ないなあと思い続けています。
しかしこのようになってもどれくらい発展するかわかりませんが富士川が溢れ渡し舟が止まり内船までバスが行けば一列車遅れ内船まで行けば授業が2時間目の途中からになりまた寄宿舎で友達が布団をつなぎその間に寝かせて頂いたことが2,3日続いたことがありましたがこんな不都合はなくなるのではないかと空想しています。猛反対していたお偉いさんたちも駅名だけは欲しかったようで「井出福士」「内船南部」というように長い駅名になっていたということでした。

事務局より

日盲連より『大分・熊本は今』


先頭に戻る
目次へ

日盲連が被災地を訪問。
熊本地震の発生から8ヶ月を迎えた12月、日本盲人会連合は18日と19日の2日間にわたり、被災地である大分県・熊本県を訪問しました。
その訪問の様子を日盲連ホームページへ掲載いたしましたので、ご連絡をいたします。
18日 大分
19日 熊本
なお、皆様から頂戴した義援金は、今回の訪問でも、熊本県内で被災に遭われている皆様に義援金としてお渡しさせて頂きました。ご寄付を頂いた皆様には改めて御礼を申し上げます。

編集後記

 まだまだ寒い日もありますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。立春も過ぎ少しずつ春めいてきたでしょうか。新聞には不老園の梅の開花状況や県内各地で福寿草が咲いた記事が掲載されていました。それと合わせて、この時期はインフルエンザの流行状況も気になりますし、花粉症の方には花粉の飛散状況など気になる季節でもあります。私も外出後は手や顔を洗うことを心掛けています。皆様も体調にはご注意され春の到来をお楽しみください。

(事務局長 矢崎繁)


     山視協だより  平成29年2月号
発行人 一般社団法人山梨県視覚障がい者福祉協会
〒400−0005 山梨県甲府市北新1−2−12 山梨県福祉プラザ1階 
      発行責任者  会長   堀口 俊二
      編集責任者  事務局長 矢崎 繁
       電話 055−252−0100
       FAX 055−251−3344
       http://yamashikyo.sakura.ne.jp      


あはき等法19条を厳守することを求める決議


先頭に戻る
目次へ

 学校法人平成医療学園(以下、「平成医療学園」という)は、自らが設置経営する3校の養成施設と大学のあん摩マッサージ指圧師養成課程の新設認可申請が不認定とされたことを不服として、国を相手にその不認定処分の取り消しを求め訴訟を提起した。
 訴訟の当事者は平成医療学園と国であり、我々は裁判の当事者ではないが、訴訟の結果によっては視覚障害あん摩マッサージ指圧師が失職し、あるいは視覚障害者があん摩マッサージ指圧師の職域から閉め出されかねないことを考えれば、我々こそが実質的には当事者であるとの認識に立ち、国の立場を強く支持するものである。
 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(以下「あはき等法」という。)19条は、「当分の間、文部科学大臣又は厚生労働大臣は、あん摩マツサージ指圧師の総数のうちに視覚障害者以外の者が占める割合、あん摩マツサージ指圧師に係る学校又は養成施設において教育し、又は養成している生徒の総数のうちに視覚障害者以外の者が占める割合その他の事情を勘案して、視覚障害者であるあん摩マツサージ指圧師の生計の維持が著しく困難とならないようにするため必要があると認めるときは、あん摩マツサージ指圧師に係る学校又は養成施設で視覚障害者以外の者を教育し、又は養成するものについての第二条第一項の認定又はその生徒の定員の増加についての同条第三項の承認をしないことができる。」と定めている。
 平成医療学園は、この規定が制定されてから半世紀あまりが経過しており、@視覚障害者に対する年金などの社会保障が充実し、あん摩マッサージ指圧師以外の職業に広く就職しているなどとしてこの規定の意義は失われているAあはき等法19条は憲法22条によって保障された平成医療学園の営業の自由を侵害するものであり、国の不認定処分は憲法31条によって保障された手続き的保障に反するなどと主張している。しかし、それらの主張は現状の認識を大きく誤り、憲法解釈にも反するものである。
 障害者雇用促進法が施行された今日においても、視覚障害者の職域は依然として狭く、視覚障害者の一般雇用は極めて低位のまま推移しており、今日においてもあん摩マッサージ指圧業は視覚障害者の中心的職種なのである。また、視覚障害あん摩マッサージ指圧師の収入は、晴眼あん摩マッサージ指圧師に比較して極めて低い状態が続いている。
他方、年金などの社会保障が制度化されたとはいえ、障害者の生活は引き続き困難な状態が続いており、障害者の生活保護受給率は一般国民の10倍を超えているのである。
 視覚障害者の職業選択の自由が未だ実現していない中で、平成医療学園の主張が認められることがあれば、あん摩マッサージ指圧業の分野からも視覚障害者が実質的に閉め出されることとなり、視覚障害者の就労を通じた自立をも奪う結果となることは必定である。
 我々は、そうした事態を回避するため、広く国民の理解と支持をも得て、視覚障害者の関係団体だけでなく、あはき業界との連携の下に国が勝訴するために全力を尽くすことをここに決意するものである。

先頭に戻る
目次へ
過去の情報はこちらから